IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
(番外編) 仮処分について |
係争物に関する仮処分とは、係争物の現状を変更されると、将来の権利行使が妨げられたり、著しく困難になったりする場合に発令される(民事保全法23条1項)。 仮の地位を定める仮処分は、争いがある権利関係について、債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避ける為に発令される(民事保全法23条2項)。係争物に関する仮処分が将来の権利行使を確実にするのに対し、仮の地位を定める仮処分は現在の危険を排除する暫定措置である。ニッポン放送の新株予約権発行差止めの仮処分、UFJと東京三菱との統合交渉禁止の仮処分等は仮の地位を定める仮処分。
仮の地位を定める仮処分は、債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避ける為に発令される、言い換えれば債権者の権利を保全する為に発令される。 ライブドアによる新株予約権発行差止め仮処分(新株予約権発行差止仮処分)では、商法280条の39第4項に基づく新株予約権発行差止請求権が被保全権利とされた。また、UFJ事件では、契約に基づく独占交渉権が被保全権利とされた。 (2)保全の必要性 仮の地位を定める仮処分は、債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避ける為に発令されるのだから、「著しい損害又は急迫の危険」が生ずるおそれがなければならない。 ライブドアによる新株予約権発行差止仮処分では、「本件新株予約権が全て行使された場合、債権者による債務者株式の保有割合は、約42パーセントから約17パーセントに減少する」ことから著しい損害が発生するおそれがあると判断された。UFJ事件では、最高裁は保全の必要性を認めなかった。
事実認定は、判決手続きでは証明に基づくが、迅速を要しまた暫定措置であるから証明より簡易な疎明(そめい)で足りる(民事保全法13条)。 債権者の主張が認められれば裁判所は仮処分決定を行う(民事保全法3条)。仮処分は「決定」であり、裁判書の標題は「決定」と記される。訴訟の判決であれば「判決」という標題が記される。 債権者の主張を認める仮処分決定に際しては、債権者に担保提供が命ぜられることが通例である(民事保全法14条)。これは簡易な手続きで決定された仮処分により債務者が損害を被った場合の担保。 債権者の主張が認められなければ、申立ては却下される。
仮処分決定に対し、債務者は仮処分決定をした裁判所に異議を申し立てることができる(民事保全法26条)。仮処分決定をした裁判所は、仮処分認可決定、仮処分取り消し決定、仮処分変更決定のいずれかで応える(民事保全法32条)。 (2)抗告 債権者は、仮処分申立て却下決定、仮処分取消決定、仮処分変更決定に対して、高等裁判所に抗告を申し立てることができる(民事保全法19条)。債務者は仮処分認可決定に対して、高等裁判所に抗告を申し立てることができる。 (3)特別抗告 高等裁判所(抗告審)の決定に対しては、憲法違反を理由に最高裁判所に特別抗告を申し立てることができる(民事保全法7条、民事訴訟法336条)。 (4)許可抗告 最高裁判所は抗告事件を取り扱わないのが原則であり、高等裁判所が終審となるのが原則となる。最高裁判所の判断統一機能が働かず、各高等裁判所の判断が異なる事態が生じたため、許可抗告の制度が設けられた(民事訴訟法337条)。許可抗告は、最高裁判所の判例に反する場合と、法令解釈に重要な事項を含む場合に限り、高等裁判所の許可が得られれば申し立てることができる。 UFJ事件では、住友信託銀行は、特別抗告と許可抗告の両方を申し立てた。許可抗告については東京高等裁判所が許可をした。 |
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