新規上場の目論見書に基づいた、IPO=新規公開株式の銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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6863ニレコ新株予約権発行差止申立事件


ニレコ事件の概要

 敵対的買収の防衛策として、制御機器メーカーのニレコが導入する新株予約権を活用した「ライツ・プラン」(「ポイズン・ピル(毒薬条項)」とも言う。)に対し、株主の外資系投資ファンドが発行差止を求めた仮処分申請で、東京地裁は2005年6月1日に、差止を命じる仮処分決定を下した。

ニレコの新株予約権の概要
新株予約権発行の目的
 ニレコ側の発表では、「ニレコに対する濫用的な買収等によってニレコの企業価値が害されることを未然に防止し、ニレコに対する買収等の提案がなされた場合に、ニレコの企業価値の最大化を達成するための合理的な手段として用いる」。

新株予約権の概要
 本年3月末日最終の株主名簿に記載された株主に対し、その所有株式一株につき二個の新株予約権を割り当てる。
 新株予約権の譲渡は、ニレコの取締役会の承認が必要である。
 新株予約権の発行価額は無償であり、新株予約権を行使する際の行使価額は1円である。
 新株予約権は、2005年4月1日から2008年6月16日までの間に、ニレコの発行済株式総数の20%以上を保有する者が現れたことを、ニレコの取締役会が認識し、公表した場合に行使することができる。取締役会の判断(敵対的買収者かどうか)にあたっては、「特別委員会」(当初は社長を含む三名。その後変更し社外有識者のみ。)が判断し、取締役会へ勧告する。

東京地裁の決定内容のポイント

 株式の敵対的買収によって経営支配権を争う特定の株主の持株比率を低下させ、現経営陣の経営支配権を維持・確保することを主要な目的として新株予約権の発行がされた場合には、取締役会がその権限を濫用したものとして、原則として不公正な発行として差止請求が認められる。

 敵対的買収者が真摯に合理的な経営を目指すものではなく、敵対的買収者による支配権取得が会社に回復し難い損害をもたらす事情がある場合には、取締役会は一種の緊急避難的行為として相当な対抗手段を講ずることが許容されるべきであり、こうした事情を会社が立証した場合には、例外的に、手段の相当性が認められる限り、株主構成を変更すること自体を主要な目的とする新株予約権であっても、その発行を差し止めることはできない。

 取締役会決議による事前の対抗策が許容される要件は、以下の3点となる。

■新株予約権が株主総会の判断により消却が可能なものとなっているなど、事前の対抗策としての新株予約権の発行に株主総会の意思が反映される仕組みとなっていること、

■新株予約権の行使条件の成就が、敵対的買収者が真摯に合理的な経営を目指すものではなく、敵対的買収者による支配権取得が会社に回復し難い損害をもたらす事情がある場合に限定されるとともに、条件成就の公正な判断が確保されるなど、条件成就に関する取締役会の恣意的判断が防止される仕組みとなっていること

■新株予約権の発行が、買収とは無関係の株主に不測の損害を与えるものではないことなどの点から判断して、事前の対抗策として必要であり、こうした事情を会社側が立証した場合は、将来における敵対的買収者の持株比率を低下させることを主たる目的とする新株予約権であっても、その発行を差し止めることはできない。

経産省・法務省の指針

企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針(2005年5月27日 経済産業省・法務省)

 指針では、買収防衛策は企業価値を損なう買収提案に対しては有効であるが、企業価値を向上する買収提案には速やかに解除されるように設計すべきことを求めている。

 これを実現するために、買収防衛策が従うべき三原則、「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」、「事前開示・株主意思の原則」、「必要性・相当性確保の原則」が必要。

 事前開示とは、買収防衛策は、その導入に際して、株主や投資家あるいは潜在的な買収者の予見可能性を高めるためには、その目的、具体的な内容、効果などを開示し、予見可能性を高める必要があるということ。株主意思の原則とは、株主総会の承認を得て導入するか、導入後の株主総会などの機会を活用して、買収防衛策の是非およびその内容に関して、株主総体の意思が反映できるような工夫を指す。

機関投資家等の反応

厚生年金基金連合会
 2005年4月28日付で「企業買収防衛策に関する株主議決権行使の判断基準」を公表し、以下の条件を満たすライツ・プランに限り、賛成する。
 ・長期的な株主価値の向上に資するものであることについて、十分な説明があること。
 ・株主総会の承認を得ること。
 ・独立社外取締役等によるチェックが行われるか、経営者の恣意的な判断で決定される余地がないこと。
 ・期間を限定したものであること(2〜3年)。

 2005年6月27日付の日本経済新聞では、厚生年金基金連合会は、ライツ・プランを含む買収防衛策の9割に反対の議決権行使をしている模様。

米国の機関投資家 = TIAA-CREF、CalPERS
 TIAA-CREFは、厚生年金基金連合会とほぼ同様の反応。CalPERSは、これに加えて、発動についても株主総会に諮ることを要求。こうした影響もあって、外国人株主比率が高い企業(東京エレクトロン、横河電機)などで、授権資本枠(発行できる株式総数)の拡大などの買収防衛策が総会決議で否決。

東京証券取引所
 2005年4月21日付「敵対的買収防衛策の導入に際しての投資者保護上の留意事項」で、

 「買収者が現れたことを行使の条件とする新株予約権を利用した防衛策(ライツ・プラン)のうち、新株予約権を防衛策導入時点の株主等に割り当てておくといったスキームでは、・・・発動が懸念される状況が生じた際には、株式の価格形成が極めて不安定になることが想定されます。
 このように買収者以外の株主・投資家に不測の損害を与える要因を含む防衛策の導入は、市場の混乱を招くものであり投資者保護上適当でないと考えます。」






敵対的買収の事例研究 目次


< ユシロ化学工業
< ソトー
< 宮入バルブ
< ベルシステム24
< UFJホールディングス
< 国際石油開発
< ニッポン放送
ニレコ
> 仮処分について
> 敵対的買収対策の評価 1
> 敵対的買収対策の評価 2
> 敵対的買収対策の評価 3
> TOB(公開買付け) 1
> TOB(公開買付け) 2
> ブルドックソース


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