新規上場の目論見書に基づいた、IPO=新規公開株式の銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ファンダメンタルズ分析の要諦 >> 損益計算書


 ここでのページ順として、「財務指標」をチェックした後に「損益計算書」を見る、という順番にしていますが、実際には、財務指標の内容を精査するためには、決算短信の各部を調べなければなりません。本当の順番としては、財務指標を確認することは、最後の作業でしょう。

 損益計算書を見るにあたっては、将来の利益水準がどうなりそうかを予想することが、目的となります。このために、まずは過去の決算実績を確認し、

過去に計上すべき費用を、将来に対して繰り延べていないか。

過去に費用が大きく計上されているとしても、それは将来の利益増につながる支出になっているか。

などを確認する必要があります。

単純に大きな変化がないかをチェック
 まずは、損益計算書の同じ項目を「左から右に」、つまり時系列で古いほうから順に見ていって、数値の流れを確認します。同じ項目なのに、ある決算期に突発的に数値が大きく変化していないか、をチェックします。

 こうした突発的な数値の変化がなければ、それでよし、変化があれば、当然、何が理由でそうなっているのかを次に調べます。

 場合によっては、売上高が激変する可能性はあります。売上高にほぼ比例することの多い製造原価部分も、激変するかもしれません。

 しかし、損益計算書の本来の趣旨から言えば、続く「販売費・一般管理費」部分での大きな変化は、あまりありえないはずです。無論、給与体系の変化や年金制度の変更などで、大きな増減が発生する可能はあります。

 むしろ、年度別の推移で見た時に、最も変化が激しい可能性が高いのは、営業外収支と特別損益となります。

売上高、営業利益及び営業利益の増加分/売上高の増加分
 売上高の状況を見るのは当たり前の話ですし、特殊要因によって変動する可能性の高い経常利益・当期利益(税前・税後とも)よりも、営業利益を重視するのは当然です。

 更に、売上高が順調に増加している場合には、それがどれぐらい利益に寄与しているかを判定するために、本業部分で(当期の営業利益−前期の営業利益)÷(当期の売上高−前期の売上高) を計算して、(前期の営業利益÷前期の売上高)と比較します。

 本来、売上高が追加的に増えた分については、従来からある売上分ほどはコストがかかっていないはずですから、例えば売上高が10%増えれば、営業利益では20%増えていても良いわけです。

 これが、売上高の伸びと同じで10%しか営業利益が増えなかったとすれば、次には、これが構造的な要因で、今後も増分売上高益率が向上しないのか、或いは一時的な営業へのテコ入れがあった等の特殊要因によるもので、今後の増分売上高営業利益率は向上していくのか、を調査する必要が出てきます。

営業外収支、特別損益
 まずは、支払利息・社債利息の絶対水準が収支を圧迫していないかを確認します。

 次に、有利子負債残高と見比べなから、残高と比較して支払っている金利が高くないかをチェックします。

 金利が高いか安いかは、有利子負債の中で長期負債が多いか短期のものが多いかで、当然変化します。長期・短期のバランスがどうなっているかを、貸借対照表で確認しつつ、見る必要があります。

 なお、社債や借入金の長期系の負債であっても、金利は変動金利を適用している場合がある上、社債・借入金そのものは固定金利で発行・借入れしつつ、金利スワップをかけて変動金利に実質的に変えているケースもあります。

 有価証券報告書なら、この水準まで確認できますが、よほど高水準の有利子負債を抱えている企業でない限り、ここまでチェック必要はないと思います。






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