新規上場の目論見書に基づいた、IPO=新規公開株式の銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research
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ファンダメンタルズ分析の要諦 >> 貸借対照表 / バランスシート


 主なチェックポイントは、
・ 業務設備等、収益を生み出さない固定資産が増えていないか
・ 利益水準に見合う固定資産水準となっているか
・ 投資有価証券の増減、及び増減の理由
・ 貸倒引当金の増減、及び増減の理由
・ 棚卸資産・原料在庫等の在庫水準が積み上がっていないか
・ 有利子負債水準が適正か、また最近急増していないか
・ 自己資本構成が適正か、つまり水増し的要素の有無や逆に必要以上に剰余金が膨らんでいないか
などになります。

単純に大きな変化がないかをチェック
 まずは、損益計算書と同様に、同じ項目を時系列で過去から現在に向かってチェックして、大きな変化がないかを確認します。
 特に大きな変化があった項目については、その差異の発生理由を、他のページなどから調べます。

 変化の原因となっているケースは、
・ 製造・販売量の増減など、PL側の要因が影響しているケース
・ 借入金の異動等の負債政策によるもの
・ 資本政策によるもの
・ 退職金制度などの労務・人事制度等、社内の制度・ルール変更によるもの
 などが考えられます。

主な項目を確認〜有利子負債

 負債項目では、やはり最も注目すべきポイントは、有利子負債(社債・長期借入金・1年以内に期限到来の固定負債・短期借入金・コマーシャルペーパーの合計)となります。

 有利子負債残高そのものの水準が、キャッシュフローの水準と比較して妥当か、PL上の支払利息・社債利息の水準と照らし合わせて金利水準が妥当か、の確認が必要です。前者の項目の確認であれば、インタレスト・カバレッジ・レシオを見ればこと足りますが。

 更に細かくチェックするには、この有利子負債残高の「質」を確認します。短期負債が多いのか、長期負債が多いのか、或いは変動金利が多いのか、固定金利が多いのか、などです。

 場合によっては、「トリガー条項」のついた負債もあります。これは、利益水準や財務体質が当初金融機関と会社で定めた水準を下回った場合に、強制的に期限前弁済をさせられてしまう契約条項です。これが付加されていると、場合によっては即倒産の可能性すらあります。

 追加的に、チェックしておく必要があるポイントとしては、退職給付引当金・繰延税金負債の2項目があげられます。ただ、経年的に急激な変化がなければ、特に問題ないでしょう。

主な項目を確認〜利益剰余金

 資本の部は、資産・負債の部と比較すると、構成項目が単純ですし、経年的に黒字計上している企業の場合には特に、見る必要性は薄まります。

 健全な企業であれば、利益剰余金がどの程度積み上がっているか、土地・有価証券の評価差額金等が計上されているか、自己株式の保有残高がどの程度が、などを簡単にチェックすれば、こと足りると思われます。

 資本の部、いわゆる自己資本は、原則として手厚いほど高い評価となりますが、次に問題となるのは、その「資本の質」です。資本金・資本剰余金・利益剰余金が資本の部の大部分のウエイトを占めていれば、まず問題ありません。

 問題となるのは、土地・有価証券の評価差額金や、為替等調整勘定が資本の高いウエイトを占めているケースです。この場合、保有している土地・有価証券の価格が高く、含み益があることが、資本の増強になっているわけですが、土地・有価証券の価格が下落した場合には、資本が急激に縮小することになります。

 今の時点では、土地・有価証券の急激な価格下落は想定しにくい経済環境ではありますが、こうした項目の金額が大きいということは、資本の質が悪いと言えます。

 先に、特に問題ないと書いた利益剰余金ですが、これについて極端に過大である場合には、資本の効率的な運用が出来ているかどうかのチェックが必要になったり、敵対的買収のターゲットとなりうるか、の視点での確認が必要です。

 敵対的買収のターゲットになりそうなほど利益剰余金が積み上がっている状態は、経営者にとっては問題でしょうが、投資家・株主の視点からは、むしろ資本が効率的に運用される絶好のチャンスとも言えます。

主な項目を確認〜手元流動性

 とりあえずは、「黒字倒産」しないかどうかの判断指標です。ただ、売上高や売掛金、原料仕入れなどには、季節的な変動要因がかなり影響しますので、単純に手元流動性が低いからダメかというと、なかなか判断は難しいところです。大企業の場合には、特に留意する必要のない項目と言えます。



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