新規上場の目論見書に基づいた、IPO=新規公開株式の銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ファンダメンタルズ分析の要諦 >> 代表的な財務・株価指標


 世の中には、多くの財務指標・株価指標があります。収益性に関する指標や、財務の安定性、売上高の健全性、資金繰りの健全性など、大括りに分類しても、かなりの数があります。

 ここでは、指標の紹介自体は省略して、むしろ大量にある指標から本当に必要な指標は何か、更に、指標に対する見方・注意点について、考えてみたいと思います。

全般的な話として、まず言えることは、

「指標自体を見るのではなく、その数値の計算元を見る」

ことです。

 多くの指標は「割り算」で計算しますが、割り算の結果は当然のことながら、分子が変化しても分母が変化しても、計算結果は変化します。従って、割り算の結果がどうか、という点よりも、それが分子の変化によるものか、分母の変化によるものかをチェックすることが必要です。

 計算された指標だけでなく、その計算元の分子・分母までチェックしに行くと、当然時間・手間・労力が結果だけをみる場合よりも多くかかります。その分は、むしろチェック対象にする項目を必要最低限に絞って、余り重要な意味を持たない指標のチェックは割愛したほうが良いと思います。

 内容を確認しないで、多くの指標を漫然と眺めるよりも、重要な指標に絞って内容を精査することのほうが重要です。

PER、EPS

 EPSについては、実際の株価への連動性が高い(管理人が実際に相関を調べた範囲内において)ため、重要な指標となります。問題としては、指標がブレた状態で出ている可能性がないかをチェックすることが重要になります。

 EPSは、分子=税引き後当期利益、分母=発行済み株式数であり、分子・分母共に数値を変動させうる幾つかの要因が考えられます。

 分子側の当期利益については、後で詳述していますように、売上高の計上方法や減価償却費の計上方法、法人税等の適用税率、減損会計など、様々な要因が利益数値を実力と乖離したものにする可能性があります。

 分子側に変動要素が多くあることと比較すると、分母側を変動させる要因は限定的です。代表的なものとしては、株式分割が考慮されているかどうか、と、ストックオプション・転換社債等の潜在株式をどこまで反映しているか、の2点になります。

 最新の株式分割が反映されているかどうかは、企業のニュースリリースと決算短信に記載されている発行済み株式数を見比べることなどで、簡単に対処可能です。

 一方で、潜在株式がどこまで考慮されているかを、きっちり調べようとすると、かなり大変な労力を要します。しかし、潜在株式のリスクを市場が当然織り込んでいる以上、調査を避けて通れない重要ポイントとなります。

 新株予約権等のストックオプションの状況と、有利子負債の状況として記載されている転換社債の発行状況は、やはり一度目を通して確認しておいたほうが、無難です。

PBR、BPS

 PBR<1であれば、解散価値としてバリュー投資の重要な指標となりますが、PBR=1を超えていれば、ほとんど指標としての意味が薄れてきますので、その点では重要度の低い指標です。

 BPS=一株当り純資産で、計算の際の分子は純資産=資本ですが、会計ビッグバン以降、現在の資本の部の計算には、幾つかの評価差額金が算入されています。有価証券や為替に関するものですが、通常最も効果が大きくでる可能性があるのは、保有有価証券評価差額金です。

 本来BPSは会社の解散価値を図る指標ですから、解散時には、保有有価証券は全て時価で売却することが前提で計算されている評価差額金は妥当性があります。

 しかし、解散を前提としない、永続企業の前提で見た場合、保有有価証券の全数を売却してしまうことなど、ありえないことです。

 会社が保有している有価証券は営業上のメリットや資金調達上のメリットがあるから保有を続けているものが多く、最近でこそ売却の動きが加速されていますが、全数を手放すということは現実にはありえないでしょう。現実にありえない前提で計算されているBPSは、やはり一つの参考指標程度に留めておくほうが無難であると思います。

EV/EBITDA

 これも注意深く見るにこしたことはないと思いますが、時間や労力を惜しむなら、重要視する必要性はないでしょう。

 分母は「時価総額+有利子負債合計」で、分子が税前・償却前利益ですから、資本・負債のウエイトが一定で、かつ、設備投資額と減価償却費計上額が同水準であれば、税前のPERを計算・比較していることと同じになります。

 元々のこの指標の意義は「買収価値」であって、株価指標としての存在意義は二番目ですから、指標の本来の意義通りに使うのが、指標にとっても、それを見る人にとっても、妥当な使用方法だと思います。

 指標に「はやり、すたり」があるのもおかしな話ですが、この指標はどちらかと言えば、「昔は一時期はやったけれども、今となってはすたれた指標」と言えます。

株主資本比率

 株主資本比率の見方は、やや複雑です。株主資本比率は、基本的には高いほうが財務の健全性が高いと判断されますから、「高いほうが良い」ことには間違いありません。

 しかし、その一方で、現代の投資・資本理論では、他人資本(債券・借入金等による有利子負債)の要求利率<株主資本の要求利率 とされています。

 借入金や社債に関してはデフォルトのリスクはあるものの、原則として元本が戻ってくる約束ですが、株式資本については、元から元本が保証されていません。元本分までの有限責任を株主が負う決まりです。従って、元本を割り込むリスクが高い分、他人資本コストよりも、株主資本コストは高いリターンが必要だというわけです。

 この理論では、株主資本比率が高い企業は、低い企業よりも株主から要求される利益額が大きくなります。これはROEが一定水準以上あることが投資選別上求められることに、繋がっています。

 A社の株主資本比率が40%、B社の株主資本比率が20%とすると、A・B両社が同額の利益を計上した場合、A社のROEはB社の半分になります。逆に、A社とB社のROEが共に10%の場合には、利益の絶対額では、A社はB社の2倍となります。

 従って、株主資本比率が高いこと自体は悪くないことですが、株主資本比率が高いということは、その比率が低い企業よりも、より利益を大きく計上しないといけないことになります。

 株主の要求に耐えられるだけの利益額が計上されていなければ、株主資本比率が高いことは逆にアダとなる可能性があります。

ROA・ROE

 ROEとROAについては、なぜその水準の数字で出ているのかに留意しながら、参考指標程度に見ておくことで問題ないと思います。

 ROEが相対的に低いとしても、株主資本比率が高いことが原因なのか、或いは、利益額が小さいのか、といった点です。

 ROAについては、設備産業の場合には一つの参考指標になりえますが、例えばネット系企業のように、大掛かりな設備をもたないで事業展開が可能な業種の場合には、参考にもなりません。

 また、複雑な話になりますが、WACC(Weighted Averaged Cost of Capital: 加重平均資本コスト)をCAPMの理論通りに使用して事業投資をしている企業であれば、投資リターンはWACCで定めたレートの通りとなり、細かい話を抜きで考えれば、ROA=WACCとなります。

 WACCを業種特性にあわせたベータに基づいて決めていれば、ROAもその業種特性に見合った水準、つまり業界平均に収束してしまいます。





ファンダメンタルズ分析 目次


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