IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ファンダメンタルズ分析の要諦 >> 追補 |
ファンダメンタルズからスクリーニングをする時に、よく使われる代表的な指標として、ROEとPBRとPER があります。この時、どうしても「いい銘柄を発掘したい」という気持ちがはたらきますから、この3つの指標を全て高めに設定してしまいがちです。 しかし、この3種の指標を使ったスクリーニングには、大きなワナがあります。 例えば、 ROE=15%以上、PBR=1以下、PER=10-12 この条件でスクリーニングした場合には、一つも銘柄抽出はされません。 指標の計算式は、それぞれ、 1. ROE=当期利益/株主資本 2. PBR=株価/一株当り株主資本 3. PER=株価/一株当り当期利益 です。 2. の式は、 一株当り株主資本=株価/PBR (*2)と変形することが出来ます。 3. の式も同様に、一株当り当期利益=株価/PER (*3)となります。 この、*2と*3 を1. の式に代入すると、ROE=(株価/PER)/(株価/PBR) つまり、ROE=PBR/PER (*3)です。 上の例でいけば、 PBR=1, PER=10 の時には、ROEは1/10=0.1 で、必ず10% となります。 PBR=1, PER=12 の時も同様の計算で、ROEは8.3%です。 ここまでPBR=1で計算しましたが、PBR<1の場合には、*3の式の分子がPBR=1よりも更に小さくなるので、計算されるROEは、先に計算したROE=10% や 8.3%よりも、更に小さくなります。 結果として、最初のスクリーニングの条件としたROE>15% は、PBR<1, PER=10-12 の条件の下では、絶対にありえないことになります。 では、こうした誤った条件設定をしないためには、どうしたらよいか? 一番簡単な方法は、 ROEは、PBRとPERから自動計算されるので、PBRとPERをスクリーニングの条件にした場合には、ROEは抽出条件に指定しない。 ということです。 |
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