IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
負けない投資方法の検討1 >> 負ける確率 |
ここでは、大勝することを目的とせず、相場で長く生き残るための「負けない投資方法」に関する当たり前の話を、もう一度初心に戻って確認していきます。 最近流行している行動経済学では、株式投資の損益確率について、コイントスの確率論的に説明されているケースが多い。しかし、管理人が読む限り、やや現実的ではない前提が置かれていることもある。そこで、管理人なりのアレンジで、コイントスゲームによる確率として、株式投資の損益確率を検討してみることにする。 まず、前提として、初期投資金額を100とし、一回ごとの投資による損益を投資額に対して、プラス20%またはマイナス20%、プラスになる確率とマイナスになる確率は半々とする。更に、このゲーム参加者のゲーム終了の条件だが、通常負けが続くと終了し、勝っている限りはゲームに参加すると考え、2回連続でゲームの結果がマイナスとなった場合又は、各ゲーム終了時点での資産が3ゲーム連続で100を下回っている場合に、ゲーム終了とする。 このゲームを4回行った結果は、下の表のようになる。勝ち負けの組み合わせは全部で16通りあるが、4回のゲーム後に当初資産から増加しているケースは5ケースにしかならない。つまり、勝ち負けの比率は、5:11 という結果になる。
このゲームの場合、負ける確率が圧倒的に高い、という結果になった。この原因は一見すると、「負けが続くと途中で降りる、という特別ルールをつけているからだ」と思われるかもしれない。 しかし、よく見ていただけるとお分かりいただけると思うが、勝ち負けの発生確率には、「途中で降りる」という特別ルールは、実は影響していない。最初から2回連続で負け続ける確率が25%あり、このケースに該当するとここで強制終了というのが、ここでのルールなのだが、実はこの時点でゲームを放棄しないでこの後の2回を連続で勝った場合でも、4回目終了時点での資産は 92.16にしかならない。つまり、途中で放棄しても、最後まで参加していても、負けることには変わりはない。 では、なぜ、負ける確率のほうが高いのか? 答えは簡単で、勝ち幅と負け幅が同じ幅で、勝つ確率が半分、という勝ち負けが全く均等な条件の下では、同じゲームを2回以上続けると、当初資産を下回るケースのほうが必ず多く発生するからであり、これは算数の問題になる。 具体的に言えば、上のケースでは、1.2×0.8=0.96>1 だから、である。 これを確認するために、上のゲームをもっと単純化して、ゲームは2回で終了することにしよう。勝った場合の上昇率=負けた場合の下落率をpとすると、2回のゲームで出現するパターンは、以下の4パターンになる。(pの二乗をここでは便宜的にPとする) (1+p)×(1+p)=1+2p+P (1+p)×(1-p)=1-P (1-p)×(1+p)=1-P (1-p)×(1-p)=1-2p+P このうち、上から二番目のケースと三番目のケースでは、P>0である限り、必ず1を下回ることになる。このため、このゲームを2回行った場合の勝つ確率は、一見50%と思いがちだが、実は25%しかないのである。 以上から、 ■ 特に対策をとらなければ、つまり何もせずに放置しておけば、負ける確率が圧倒的に高くなる。 ■ 一回当りの平均負け幅以上の勝ち幅をとることと、勝つ回数が負ける回数よりを上回ることが達成されない限り、必ず負ける。 というのがここでの結論になる。 負けない投資方法の検討2 >> 機関投資家の弱点を突く〜対ファンドマネジャー へ |
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