2130メンバーズIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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メンバーズ(2130 名証セントレックス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

主幹事 楽天証券でのIPO申込み方法
セクター:サービス業

想定公募価格は、既に十分高い水準
 インターネット広告関連事業なので、成長イメージがあるものの、足元の業績をみると、決して高成長銘柄とはいえない。07.5期は減益見通しが発表されている上、実質的な法人税負担がまだされていない状態なので、08.5期には税負担が始まることで、更に減益となる可能性すらある。

 07.5期の法人税考慮後の想定EPSを約4千円とすると、想定されている公募価格33万円は、PER約80倍強と非常に高い水準になる。業績面だけでなく、銘柄としての成長イメージまでも、公募価格に十分に織り込まれていると判断する。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/5 06/5 07/5会予
売上高(百万円)
3,563
49.0%
5,310
29.8%
6,893
営業利益(百万円)
89
160.1%
232

--
経常利益(百万円)
86
156.5%
221
-13.9%
190
当期利益(百万円)
28
697.1%
225
-17.8%
185
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,436
609
2,102
834
--
--
株主資本比率(%) 42.4% 39.7% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
6.0%
4.6%
10.5%
27.0%
--
--
発行済株式数 31.066 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
908
19,604
7,241
26,833
5,951
0
配当(円/株) -- -- --

事業概要
インターネット広告・ウエブサイト制作と、広告メディア・マーケティングツールの開発・提供
 メンバーズは、デジタル技術等を活用して顧客企業のマーケティング展開をワンストップで行うデジタルマーケティング事業と、顧客企業が必要とする費用対効果の高い広告メディア、マーケティングツールを提供するメディア&ツールの2事業を展開している。

 デジタルマーケティング事業では、バナー広告・メール広告・アフィリエイト広告・リスティング広告などのインターネット広告や、ウエブサイトのデザイン、コンテンツ、システム開発・運用、各種ツールの導入、SEO施策、これらに関連するコンサルティングを、顧客企業のマーケティング分析・調査、戦略立案フェーズから企画、開発、運用、効果検証まで一貫して担うサービスを展開している。

 メディア&ツール事業では、顧客が必要とする費用対効果の高い広告メディアやマーケティングツールとして、広告効果測定・ウエブサイト行動分析ツール、高付加価値型メール配信プラットフォーム、モバイルターゲティングメール媒体、比較情報サイトを提供している。比較情報サイトは、リクルート社との業務提携によって、リクルートがウエブ上で展開する行動支援サイト「ISIZE」内に、開設・運用している。

収支の状況
07.5期は減益見通しだが、理由は不明
 06.5期は、デジタルマーケティング事業で、大企業を中心とした新規顧客の開拓を行ったことを背景として、対前期比+約44%の増収となった。メディア&ツール事業では、高付加価値型メール配信プラットフォームのサービスを住宅業界・金融業界に提供したことや、提携企業とのモバイルターゲティングメディアのサービスを拡大したことなどによって、対前期比+約88%の増収となった。

表1 事業区分別の06.5期販売実績(百万円、前期比%)
デジタルマーケティング 4,663 +44.7%
メディア&ツール      646 +88.9%
合計            5,310 +49.0%

 メンバーズは、05.5期まで繰越欠損金があったことで、これまでの決算実績では法人税課税が実質的にされていなかった。07.5期の見通しでも織り込まれていない模様で、08.5期からの当期減益要因となると考えられる。

 07.5期会社発表の見通しでは、売上高については、前期のペースを維持して大幅な増収が見込まれている。その一方、経常利益では減益となる見通しになっており、この理由は開示されていない。前述のように、ここから更に税負担を考慮する必要があるので、現時点の判断としては、EPSは4千円程度、将来的な利益の伸びについて織り込むことは難しいだろう。

 05.5期に当期利益が経常利益の約半分になっているのは、法人税負担ではなく、本社移転費用51百万円を特別損失に計上したことによるもの。

株式の状況
SOは多くないが、VC保有シェアは大きく、要注意
 06年5月のメンバーズの発行済み株式数は27,210株で、上場にあたっての公募が2,000株、売り出しが1,000株(売り出し元は会社関係者)予定されている。ストックオプションの未行使残高が下表のようにあり、このうち1,856株は上場直後から行使可能なので、潜在株式と認識する。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、31,066株とした。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議 対象株数 行使価格   行使期間
02年8月 1,183株 25,000円 05年9月〜09年8月
04年8月  673株 45,000円 06年9月〜14年7月
05年8月  518株 50,000円 07年9月〜15年7月

 目論見書での想定発行価格は33万円で、この価格に基づくメンバーズの公募による手取り概算額は約582百万円とされている。資金使途は、メディア&ツール事業の事業拡大のためのシステム開発等の設備資金に200百万円、借入金返済に250百万円、残額は業容拡大に伴う運転資金等に充当する予定。

 売り出し人である会社関係者3名とリクルート等事業会社3社、ベンチャーキャピタル1組合に対しては180日間のロックアップが付されている。ロックアップ対象となる株式数は15,626株。ロックアップ対象(1,905株)を含めたベンチャーキャピタルの保有株式数は、株主名簿では8,450株ある。ロックアップ対象を除いたベンチャーキャピタルの保有シェアは2割を越え、一応株式需給面では注意が必要。

情報開示の状況
開示姿勢はある
 メンバーズのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、財務ハイライトと免責事項だけとなっている。開示情報としては、まだ不十分だが、一応開示しようとする姿勢はみてとれる状況。



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