新規上場の目論見書に基づいた、IPO=新規公開株式の銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research
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レシップ株式会社(7213 JASDAQ)

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セクター:輸送用機器
意外な成長性があり、来期も好業績となる可能性が高い
 今中間期の進捗状況をみると、今通期の実績は前期を大きく上回るペースになっている。更に来期には、首都圏での私鉄・バス等での取り扱いカードの一元化が予定されており、これが当社業績に貢献する可能性が高い。比較的成長性が低いと見做されやすい輸送機器セクターに属するが、ある程度の成長性を持つ銘柄といえる。

 この中間期までの実績を基にすると、今期の想定EPSは約140円が見込まれる。PERとしては、来期の業績向上分を想定して20倍程度が妥当と考えられる。この前提での株価の適正水準は、約2,800円となり、1,100円付近で想定されている公募価格には割安感がある。

事業概要
バス・鉄道・自動車向け各種電装機器等の製造・販売
 当社グループは当社、子会社6社及び関連会社1社で構成されており、バス・鉄道・自動車用電装機器、サイン&ディスプレイ関連機器、産業機器の製造・販売を主たる業務としている。生産拠点は、国内3拠点、タイと中国に各1拠点で、販売拠点は国内に8拠点、米国に1拠点ある。事業セグメントは、輸送機器事業、サイン&ディスプレイ(S&D)事業、産業機器事業の3つに分類される。各セグメントの主な製品は以下の通り。

【表1 事業セグメントごとの主な製品】
■輸送機器: バス・鉄道用システム機器
自動循環式運賃箱、非接触ICカードシステム、磁気式カードシステム、運行データ処理機器、LED式行先表示器、デジタル運賃表示器、バス総合運行管理システム
■車載用照明機器
バス・鉄道・トラック・乗用車用蛍光灯具、平面放電灯、冷陰極放電灯
■S&D
ネオン変圧器、点滅調光コントローラ
■産業機器
無停電電源装置、バッテリー式フォークリフト用充電器、EMS(電子機器の製造受託サービス)事業

収支の状況
今期・来期も好業績が期待できる
04.3期は、退職給付制度を変更し、確定拠出年金制度を導入したことに伴って、制度変更損失395億円を計上したことによって、当期純損失を計上した。

 05.3期は、04年11月の新紙幣発行に伴って国内のバス・鉄道市場で運賃収受機器関連の改造需要・更新需要が拡大し、またバス用非接触ICカードシステムの売上げも拡大した。更に、海外市場でも、香港市場で非接触ICカードリーダ・ライタの販売が好調、米国市場でネオン変圧器の売上げが拡大と、売上高では対前期比で約4%の増加、経常利益では約3倍近い増益となった。

 07.3期には、首都圏の私鉄・公営交通・バスの計53社によってICカード1枚で全て乗り降りできるシステムが構築される予定だが、当社はバス部門の代表として共通化ユニット部のソフト開発プロジェクトに参加している。この事業計画が予定通りに進捗した場合には、当社の業績向上に貢献する模様。
 06.3期は、中間期までの進捗ペースを見ると、増収増益であった前年度を更に上回る状況となっている。更に、07.3期には上記の増収要因があるので、今期・来期については、過年度の実績を上回る業績が見込まれる。

 係争中の訴訟案件として、在タイ子会社が過去に発生した不良交換費用に関連して、タイ国税当局から約16百万円の追徴課税を受け、これに対して当社からは不服審査請求を出している。最終的に、請求が認められなかった場合には、追徴課税が確定するが、金額的には収支全体に与える影響は軽微にとどまる。

株式の状況
ストックオプション等の希薄化要素は無し、ロックアップの実効性は低い
 当社は05年11月に1:10の株式分割を実施し、発行済み株式数は5,582,100株となっている。上場にあたっての公募は700千株の予定である。更にオーバーアロットメントが計画されている117千株については、主幹事である野村證券を割り当て先とした第三者割り当て増資となる可能性がある。以上を考慮して、上場時点での想定発行済み株式数は、6,399,100株とした。ストックオプション等、既存株式の希薄化要素は無い。

 主要株主の保有株については、180日間のロックアップがかけられている。ロックアップ対象の株式数は、株主名簿からは約2,004千株で、このうち55千株は売り出しにかかるため、実際のロックアップ対象分は1,949株となる。全発行済み株式数に対するロックアップ分のウエイトは約3割だが、ロックアップ対象は、当社役員・金融機関が主であり、仮にロックアップがかかっていなかったとしても、売却する可能性の低い安定株主ばかりである。その点では、ロックアップには実効性は薄いといえる。

 目論見書による想定公募価格は1,150円で、これに基づく公募による当社手取り概算額は、約734百万円とされている。資金使途は、全額を借入金の返済に充当する予定。

情報開示の状況
やや準備・努力不足
 当社ウエブサイトには、投資家向け情報開示のページとして「IR情報」の見出しが掲載されてはいるものの、中身は準備中となっている。上場前の時点でも、マネジメントメッセージなり、上場関連の資料など、掲載できる情報はあるはずであり、一応情報開示しようとする姿勢は見られるものの、やや怠慢のきらいがある。他人事ではなく、自社の上場なのだから、証券会社等他人のサイトに目論見書が掲載されているかといって手を抜かずに、自社のことは自社のサイトで情報開示する努力をすることが第一ではないか。


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