新規上場の目論見書に基づいた、IPO=新規公開株式の銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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アース製薬(4985 東証二部)

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セクター:化学
上半期実績が好調にみえるが、季節要因によるもの。通期では前期並み維持か
 05.6中間期実績が過年度の通期実績と比較して高いのは、当社の主力商品である殺虫剤等が夏期を中心とした季節商品であるためであり、今通期の実績は、最終的には前期とほぼ同水準になると想定する。前期には特別損益の計上はあったが、今期には発生予定がなく、結局通期での想定EPSは、150円程度となると考えられる。

 医薬品業界のPERは25〜28倍程度となっているが、当社の場合には医薬品業界の全体平均の成長性を下回ると考えられるため、PER20倍程度の3,000円付近が適正な水準と予測する。想定公募価格帯は、ほぼ適切なディスカウントがされている模様。

事業概要
大塚製薬の関係会社で、殺虫剤等の製造販売
 当社グループは、当社、子会社7社(うち連結子会社5社)、持分法非適用の関連会社1社から構成され、家庭用品事業と総合環境衛生事業を展開している。また、当社のその他の関係会社として、大塚製薬鰍ェある。

 家庭用品事業については、当社が殺虫剤の製造販売、口腔衛生用品、入浴剤等、日用品の製造販売、及び、義歯洗浄剤・安定剤やハブラシ、歯磨き剤の仕入れ販売を行っている。子会社では、海外での殺虫剤の製造販売、ペット用殺虫剤・ペット用衛星用品・防疫剤の製造販売を行っている。

 総合衛生事業では、子会社が食品医薬品関連工場、病院、レストラン、オフィスビル等の防虫・防鼠、清掃、消毒及び産業廃棄物処理等の環境衛生管理サービスの施工、品質保証システムの設計・開発並びにこれらの総合コンサルティングサービスを行っている。

収支の状況
経常利益まででは、ほぼ前期並みとなると推定
 04.12期は、売上高では前期と比較してほぼ横ばいであったが、製造原価の低減・販売管理費の削減効果によって、経常利益は前期と比較して増加している。更に、特別利益で厚生年金基金代行返上益1,749百万円を計上したことによって、当期利益ベースでは大幅に増加している。

 家庭用品事業の製品別販売状況は下記の状態であり、ほぼ前期と同水準となっている。殺虫剤についての上期での進捗率が高い点は、この製品が夏期が需要期であることが要因であり、特段に販売状況が変化したわけではない。当社は夏期に需要ピークを持つ殺虫剤事業のウエイトが高いため、利益面でも上期の貢献度が高く、下期は営業赤字となる傾向にある。05.12期の中間期も利益ベースでは前通期を上回る状態になっているが、最終的には前期並みに収まる模様。

 セグメント別での利益状況は表2に記載しているが、これも、半期実績が季節要因を持っているために、通期での収益予測には役立たない。全般的に、前期並みということが理解できる程度となっている。ただ、前期までは、特別損失・利益等の発生があったが、今期に関しては、現在のところ、こうした特殊要因の発生は見込まれていない。このため、経常利益ベースで前期+アルファ程度の約50億円が確保できるとすると、当期利益はストレートに法人税等負担率を控除して、約30億円程度となり、これが当社の実力ベースでの利益水準と考えられる。

株式の状況
ストックオプションによる希薄化効果は小さい
 当社の発行済み株式数は、05年6月時点で17,200千株となっている。上場にあたっての公募株式が2,000千株予定されているほか、未行使のストックオプションが下表のように800千株存在している。ストックオプションについては行使可能となるまで半年以内となっているため潜在株式と認識する。更に、オーバーアロットメントでの売出し200千株に関しては、主幹事である野村證券を割当先とした第三者割当増資とされる可能性がある。以上を合計して、上場時点での想定発行済み株式数は、20,200千株とした。

【表3 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株式数 行使価格 行使期間
04年3月   800千株  1,400円  06年4月〜11年3月

 既存保有株主の一部に対しては、180日間のロックアップがかけられている。ロックアップの対象は、親会社である大塚製薬ほか個人株主を含めて、約6,400千株となり、発行済み株式総数の約3割がロックアップ対象となる計算。解除条件には、発行価格の2倍以上で主幹事会社を通じて市場売却を行う場合というオプションが付与されている。

 目論見書での想定公募価格帯は、2,000円で、これに基づいた公募による当社手取り概算額は、3,722百万円となっている。手取り額の資金使途については、1.659百万円を向上の生産設備の更新、中国での生産設備の新設等の設備投資に、2,063百万円を借入金返済の資金に充当する予定。

 当社は大塚製薬が28.9%の株式を保有する同社の関連会社となっている。大塚製薬は、有価証券報告書提出会社だが、証券取引所への上場はされていない。

情報開示の状況
まだほとんど開示されていない
 当社ウエブサイトには、10月31日時点では投資家向け情報開示のページは設置されていない。現在閲覧可能となっているのは、上場申請の目論見書と、これまでに未公開株として高値での売買勧誘(当社とは無関係)が行われていたことについての注意喚起がある程度となっている。今後は積極的な開示を期待したい。


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