6194アトラエIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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アトラエ(6194 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

リスク要素もあるが当面は高い評価が期待できる
 メインの事業はインターネットを利用した求人・求職マッチング事業であり、やや新奇性に欠ける上、積極的に新規事業を展開しているものの今の段階では、大きく芽が出ている事業はなく今後の方向感の不透明性を含めて、リスクがあるとみられる。

 ただ、足元の業績は好調に推移しており、16.9期は対前期比で大幅な増益の見通しとなっている。

 16.9期業績予想でのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約31倍となる。今後の成長性についてある程度織り込まれている形であり、上記の事業リスクもマイナス要素としては存在するものの、短期的な評価としては更に高めも狙えるとみられる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 14/9 15/9 16/3 16/9予
売上高(百万円)
563
48.8%
838

572
51.2%
1,266
営業利益(百万円)
89
6.0%
94

151
262%
341
経常利益(百万円)
89
6.2%
94

149
242%
322
当期利益(百万円)
58
11.1%
64

99
236%
216
総資産(百万円)
純資産(百万円)
333
197
398
262
518
361
--
--
株主資本比率(%) 59.3% 65.7% 69.7% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
26.6%
29.3%
23.6%
24.6%
28.7%
27.5%
--
--
発行済株式数 1,352.6 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
42.7
146
47.5
193
73.5
267
159.7
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
成功報酬型求人メディア「Green」、タレントマイニングサービス「TalentBase」及び完全審査制AIビジネスマッチングアプリ「yenta」等の企画・運営
 アトラエは、インターネット上にて、転職を希望する求職者と求人企業のマッチング(求職者が求人企業へ入社すること)を実現する求人メディアの運営を行い、平行して積極的に新規事業の展開を行っている。

 成功報酬型求人メディアGreenでは、ビッグデータ解析のテクノロジーを活用し、求職者と求人企業の最適なマッチングを実現している。Greenに登録している求職者のうち、2016年3月単月のアクティブユーザー数は約15千人、2016年3月末時点のGreenに掲載されている求人数は7,057求人。

 Greenは新規登録時に初期設定費としてシステム利用料や掲載記事作成料が必要となるものの、その後は求人広告の掲載期間や掲載求人数の制限がなく、採用が成功し、求職者が実際に入社した段階で成功報酬が発生する、いわゆる成功報酬型の料金体系を採用している。

 また、IT,Web業界において採用ニーズが高いエンジニアやWebデザイナー等が多く登録する求人メディアであり、Greenを利用して採用を行った求人企業のうち、約9割がIT,Web業界に属している。

 新規事業としては、タレントマイニングサービス「TalentBase」と、ビジネスパーソン同士を結び付けるスマートフォンアプリ「yenta」を展開している。

 TalentBaseはビジネスパーソンのプロフィールデータやソーシャルメディア上のアクションデータ等を保有するデータベースであり、転職の意向が顕在化していない転職潜在層への採用アプローチを可能とし、求人企業のダイレクトリクルーティングを支援する人材採用ツールとして使用することが可能。TalentBaseは、求人企業(有料会員)からの月額利用料を収益として計上している。

 yentaでは完全審査制のもと、ビジネスパーソン同士の様々な目的(採用、転職、情報交換、情報収集、人脈形成、営業活動等)での出会いを実現するスマートフォンアプリであり、現在は無料で提供しているが、今後は一部の個人ユーザーに対する有料課金を検討している。
収支の状況
16.9期予想では対前期比倍以上の増益の見通し
■16.9期業績予想
 売上高のうち、Green初期設定費は当月営業し当月受注する件数について対前期比+22%の増加、前月以前に営業し当月受注する件数について、初期訪問後の継続したフォローアップ営業活動の強化などによって受注率が向上したことで同+64%の増加を見込み、売上高としては同+69%の増収の見通し。

 Green成功報酬は、新規登録者について対前期比+20%と想定の上で、応募率や書類選考通過率等を考慮して、入社人数では対前期比+45%の増加の見通しとしている。成功報酬単価は前期並みとして、同売上高は対前期比+48%の増収の見通し。

 以上により、全体の売上高は対前期比+51.2%の増収の見通し。増収効果により、営業利益・経常利益は対前期比2倍以上の増益の見通し。

株式の状況
VC出資は無く、ストックオプションあり約半数が即行使可能に
 ベンチャーキャピタルからの出資はないが、ストックオプションの未行使残高があり、うち約半数が上場直後から行使可能になるとみられる。一応の留意は必要と思われる。

A. 発行済み株式数 1,164千株(単元100株、15.7に1:3,000株式分割後)
B. 公募 95千株、増資によるオーバーアロットメント 33,600株
C. 売出し 129千株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 132千株
 E. うち潜在株式に算入する数 60千株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,352,600株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報:会社関係者9名と法人1社に対して90日間、但し発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
15年6月 72,000株 167円 17年7月〜25年6月
15年6月 60,000株 167円 15年7月〜25年7月

 目論見書でのアトラエの想定発行価格は5,030円で、この価格に基づく公募によるアトラエの手取り概算額は約470百万円とされている。

 別途予定されている第三者割当の手取り概算額上限約168百万円と合わせた資金使途は、求職者を獲得するための広告宣伝費に120百万円、事業拡大に伴う人材採用及び人件費に243百万円、新規事業に係るシステム開発のための外注費に33百万円、事業・人員の拡大に伴うオフィス移転に係る敷金・内装等の設備資金に102百万円を充当する予定。

情報開示の状況
開示無し
 アトラエのウエブサイトには5月24日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。


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