6192ハイアス・アンド・カンパニーIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ハイアス・アンド・カンパニー(6192 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

16.4期増益予想だが14.4期を若干上回る程度の水準にとどまる
 16.4期の業績予想だけをみると前期と比較して大幅な増収増益の見通しとなっているが、15.4期に大幅減益をしており、14.4期の水準にようやく回復する状況になる。

 16.4期業績予想でのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約14倍となる。事業モデルの独自性は評価できるものの、足元の業績の伸びの点では、現時点で、想定公募価格以上に評価することは難しいとみられる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 14/4 15/4 16/2 16/4予
売上高(百万円)
2,677
0.4%
2,687

2,358
21.6%
3,266
営業利益(百万円)
203
-54%
93

186
180%
261
経常利益(百万円)
225
-56%
99

186
148%
246
当期利益(百万円)
128
-62%
48

114
228%
156
総資産(百万円)
純資産(百万円)
881
239
985
315
1,091
417
--
--
株主資本比率(%) 27.1% 31.9% 38.3% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
25.5%
53.6%
10.0%
15.1%
17.0%
27.3%
--
--
発行済株式数 2,593 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
49.3
92
18.3
121
44.0
161
60.2
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
住関連産業に係るASPシステムの提供及び事業ノウハウ等のソリューション提供
 ハイアス・アンド・カンパニーグループは、当社ハイアス・アンド・カンパニーと連結子会社2社から構成され、住関連産業(建築、土木、不動産)ら特化した業種特化型ソリューション提供等のコンサルティングを展開している。

 ハイアス・アンド・カンパニーでは、建設業者、工務店、不動産仲介業者など地域の中小企業を会員組織としてネットワーク化を図っており、これらの会員企業に対して、住関連産業におけるビジネスモデルや情報技術を応用した経営効率化手法を、事業提携先との協力を通じて企画・開発・パッケージ化し提案・提供を行っている。

 ビジネスモデルパッケージは、工法提供をパッケージ化した工法事業モデル、住宅新築や増改築に必要な事業ノウハウを企画・開発・パッケージ化し提供する住宅事業モデル、不動産売買に必要なノウハウを企画・開発・パッケージ化した不動産事業モデルに分類され、業態転換の必要性をもつ企業を主な対象顧客としている。

 主なビジネスモデルパッケージは以下の通り。
1/ 工法事業モデル
■ハイスピード工法
 砕石のみを使用した地盤改良工法をパッケージ化したもの。通常の地盤改良工事と異なり、有害物質の発生リスクがなく、液状化対策としても有効。

■タイト・モールド工法
 基礎工事を一体打ちで行う工法をパッケージ化したもの。断熱型枠であることから、建物全体の断熱性能が向上。

2/ 住宅事業モデル
■R+house
 合理化された部材流通と設計施工ルートにより、長期優良住宅基準を上回る機能性と建築家による高いデザイン性を備えた住宅を廉価に提供できるようパッケージ化したもの。

 経営効率化パッケージは、集客や歩留まりの改善など営業活動プロセスの効率化や社員教育の効率化、顧客管理や原価管理等の効率化といった、事業におけるプロセスや機能に対する効率化のソリューションを必要とする企業を主な対象としたサービスで構成されている。

 主な経営効率化パッケージは、以下の通り。
1/ 意思決定支援ツール
■ハイアークラブ
 資産活用相談用ツール等。保有不動産の相続、有効利用、売却または資産の組み替え等、ケースごとにシミュレーションし意思決定を支援。

■リライフクラブ
 住宅購入相談用ツール等。住宅ローンの組み方、返し方、住宅関連の税金等、ケースごとにシミュレーションし意思決定を支援。

2/ 営業支援ツール
■エージェント・マスター・サービス
 各地域における物件・土地情報を網羅的に収集し、提供するシステム。土地情報を視覚的に確認でき、地域の最新の売物件情報を把握することが可能。
収支の状況
16.4期は大幅増益だが、14.4期並み利益水準にとどまる見通し
■16.4期業績予想
 ビジネスモデルパッケージでは、主力商材である「R+house」の会員加入の増加等により、当期の新規会員は対前期比+44.3%増加し、初期導入フィーも同+21.0%の増加を見込んでいる。

 「R+house」を中心とした各商材の新規会員獲得活動推進に伴うビジネスモデルパッケージの会員数が対前期比+19.0%と増加することを前提として、会費は対前期比+24.4%増加する見通し。広告宣伝活動によるメディア露出度増加による取扱い商材のブランド化推進等により施工件数が対前期比+54.0%となる見通し。

 以上の結果、同事業での売上高は対前期比+21.7%の増収の見通し。

 経営効率化パッケージ事業では、新規採用者等を中心に会員獲得を進め、会員に対する使用状況等の確認、フォロー訪問で退会防止を図ることにより会員数は対前期比+11.6%の増加の見通し。

 相続市場の一段落による新規会員獲得数の減少に伴う初期導入フィーの減少はあるものの、16.4期内にリリースした原価管理システムの会員加入が通期を通して業績に貢献することもあって、同事業の売上高は対前期比+5.8%の増収の見通し。

 その他事業では、地盤保証事業での地盤解析・保証の増加や、住宅相談窓口事業での認知度向上等による土地売買仲介数の増加と住宅会社紹介数の増加などにより、対前期比+139%の増収の見通し。

 増収効果により、営業利益・経常利益はそれぞれ対前期比+178%、+149%の増益の見通し。

株式の状況
VC出資は少量、大量のストックオプションは概ねロックアップ対象に
 ベンチャーキャピタルからの出資があるものの、ボリュームは大きくない上、全数がロックアップ対象となっている。ストックオプションの未行使残高も大量にあり、こちらは行使価格・期間をみると、大半は上場直後から行使可能となる。ただし、大半はロックアップの対象となっている模様。

A. 発行済み株式数 1,861,500株(単元100株、15.8に1:200株式分割後)
B. 公募 470千株(うち39,400株は自己株式)、増資によるオーバーアロットメント 70千株
C. 売出し 0株、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 351,600株
 E. うち潜在株式に算入する数 301,000株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,593,100株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 60千株
既存株主へのロックアップ情報:会社関係者と法人多数に対して180日間。ベンチャーキャピタル2組合に対して90日間。但し、後者は発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
06年5月 56,000株 325円 08年7月〜16年5月
06年5月 50,000株 325円 08年7月〜16年5月
08年12月 36,000株 500円 12年1月〜18年11月
12年7月 122,000株 750円 15年4月〜22年7月
12年7月 34,000株 750円 13年4月〜18年7月
12年7月  3,000株 750円 13年7月〜18年7月
15年12月 50,600株 750円 17年12月〜25年11月

 目論見書でのハイアス・アンド・カンパニーの想定発行価格は850円で、この価格に基づく公募によるハイアス・アンド・カンパニーの手取り概算額は約357百万円とされている。

 別途予定されている第三者割当増資の手取り額上限約54百万円と合わせた資金使途は、既存商材のバージョンアップや新商材開発に係るソフトウエア投資に84百万円、管理機能強化(販売管理、会員管理等)を目的とした基幹システムへのソフトウエア投資に30百万円、セミナールームの拡張や人員増に伴う事務所スペース拡大に伴う建物付属設備等に33百万円、子会社への投融資資金に80百万円、残額は当社取扱い商材のブランド認知度向上を目的として、広告宣伝費の一部に充当する予定。

情報開示の状況
開示無し
 ハイアス・アンド・カンパニーのウエブサイトには、3月10日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。


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