IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ソーシャルワイヤー(3929 東証マザーズ)IPO |
成長性は高いものの、事業展開のスタンスは理解しにくい 上場会社では競合他社・同業者が少ないビジネスモデルと思われる。しかし、メディア関連事業とレンタルオフィス事業の関連性はわかりづらく、また、展開している2事業とも参入障壁は高くないとみられる。とりわけ、レンタルオフィス事業については、参入障壁の点でもシナジーの点でも、疑問点が多い。 16.3期業績予想でのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約32倍となり、もう少し高い評価は可能とみられるが、事業整理や他社との違い・強みの構築が当面の課題だろう。 連結データ(肩は対前期比(%))
ソーシャルワイヤーグループは当社ソーシャルワイヤーと連結子会社6社から構成され、ニュースワイヤー事業とインキュベーション事業を行っている。 ニュースワイヤー事業は、企業や官公庁・団体に対して、製品やサービス、事業等に関するプレスリリース文書の校正や配信メディアの選定から、リリース配信、掲載結果の調査・報告を行っている。 プレスリースの配信代行サービスの15.3期従量配信数は約11千件、新聞・雑誌・ウエブ情報のクリッピングサービスの調査依頼数は約10千件。 インキュベーション事業では、アジア6か国、10拠点でレンタルオフィスを運営している。国内においては、都内の主要都市部、海外においてはビジネス主要都市に、アクセスが良く知名度の高いインテリジェントビル内に1拠点200坪以上のスペースを確保している。
ソーシャルワイヤーのウエブサイトには、11月22日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
■16.3期業績予想 ニュースワイヤー事業では、プレスリリース配信代行サービスにおいて営業力強化による前売りチケット販売が好調に推移していること等による配信数の増加を見込み、一方でクリッピングサービスでの案件数が対前期比で減少する見込みだが、売上高は対前期比+17.4%の増収の見通し。 インキュベーション事業では、国内拠点において、六本木拠点・新宿拠点の増床による稼働席数の増加などによる増収を織り込み、対前期比+25.0%の増収となる見通し。 ニュースワイヤー事業おけるシステム減価償却費やインキュベーション事業におけるレンタルオフィスの仕入れ原価(地代家賃)の増加を見込むものの、増収効果により営業利益・経常利益は、対前期比はそれぞれ+90%、+81%の増益となる見通し。
ベンチャーキャピタルからの出資があるものの、大半はロックアップの対象となっている。また、ストックオプションの未行使残高があり、過半は上場直後から行使可能となる見通し。ストックオプションの動向には注意が必要と思われる。 A. 発行済み株式数 2,386,600株(単元100株、15.9に1:100株式分割後) B. 公募 170千株、増資によるオーバーアロットメント 81千株 C. 売出し 370千株(売出し元は会社関係者と法人320千株、残はベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 491千株 E. うち潜在株式に算入する数 286,200株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,923,800株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 464,600株 既存株主へのロックアップ情報:会社関係者11名に対して90日間。別にベンチャーキャピタル3組合と会社関係者3名、法人3社に対して90日間、但し発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 12年7月 267,000株 250円 14年7月〜22年7月 15年1月 144,800株 300円 17年1月〜25年1月 15年1月 60,000株 300円 17年1月〜25年1月 15年1月 19,200株 300円 15年4月〜20年3月 目論見書でのソーシャルワイヤーの想定発行価格は1,550円で、この価格に基づく公募によるソーシャルワイヤーの手取り概算額は約235百万円とされている。 別途予定されている第三者割当増資の手取り概算額上限約200百万円と合わせた資金使途は、ニュースワイヤー事業での採用・育成にかかる人件費に200百万円、インキュベーション事業での新拠点開発にかかる保証金・建物付属設備等の設備投資資金に150百万円を充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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