IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
西武ホールディングス(9024 東証)IPO |
想定されている売出価格は、新規投資家にとっては厳しい水準か 有価証券報告書等に、旧コクド所有の西武鉄道株式数を過少に記載していたことによる虚偽記載、および記載問題の公表により少数特定者持ち株数が80%を超えたことが上場は上場廃止事由に該当したことにより、2008年に西武鉄道が上場廃止となった。今回は、実質的に再上場案件となる。 経営状況そのものには問題はなく、増益トレンドが維持されている。ただ、15.3期業績予想ベースのEPSに基づく、想定されている売出価格のPERは約30倍と高い水準となる。配当性向がこれまでの実績では低い(15.3期からのは向上の可能性あり)ことも踏まえると、売出価格の水準は厳しい印象を受ける。 上場廃止に至る経緯の中での訴訟問題の存在や、上場方針に関して主要株主であるサーベラスグループと方針の相違がみられた点など、コンプライアンス・ガバナンスの点での課題がみられることも考慮が必要だろう。 連結データ(肩は対前期比(%))
西武ホールディングスグループは、当社西武ホールディングスと連結子会社53社、持分法適用関連会社1社から構成され、都市交通・沿線事業とホテル・レジャー事業を中心として、更に不動産事業、建設事業、ハワイ事業、その他の事業を行っている。 都市交通・沿線事業では、西武鉄道が東京都北西部と埼玉県南西部において13路線、営業キロ179.8km、92駅の鉄道路線で旅客輸送を行っている。その他、西武バス等が西武鉄道沿線を中心に路線バスのネットワークを形成してバスの運行を行い、西武鉄道等が西武園ゆうえんち、狭山スキー場、西武ドームを中心とした所沢西武アッハの森、としまえんなど、遊園地やスポーツ施設の運営を行っている。また、西武ハイヤーがタクシー・ハイヤーの運行、ヨドセイが廃棄物の収集・運搬を行っている。 ホテル・レジャー事業では、ホテル業としてプリンスホテルが「ザ・プリンス」、「グランドプリンスホテル」、「プリンスホテル」の3ブランドを中心に、主に首都圏でシティホテル13ヶ所・10,309室、北海道・箱根・軽井沢などのリゾート地でリゾートホテル27ヶ所・6,860室を展開している。 ホテル業では、主に大都市圏の中心商業地域やターミナル・その周辺地域に大規模に拠点を有するとともに、1,000m2以上の大規模宴会場を9ホテルで有しており、宿泊サービスに加えて、会議やパーティでの利用など様々な宴会サービスの提供に注力した運営を行っている。 ゴルフ場業では、プリンスホテルが川奈ホテルゴルフコース、久邇カントリークラブなど国内で28コースのゴルフ場を運営している。その他、プリンスホテルが富良野スキー場・苗場スキー場など国内で9ヶ所のスキー場、箱根園などのレジャー施設を運営、横浜八景島が横浜・八景島シーパラダイスの運営を行っている。 不動産事業では、駅構内や高架下の店舗、駅ビルに関連する施設、軽井沢・プリンスショッピングプラザなどのアウトレットモール等を運営している。 建設事業では、西武建設が公共工事・鉄道関連の工事や、マンション施工、デベロッパーからの受注による戸建て工事を請け負い、西武建材が、砂利・砂などの土木建築用原材料の生産・加工販売を、西武造園が、造園工事の設計・施工と国営公園などの維持管理・運営管理等を行っている。 ハワイ事業では、オアフ島・ハワイ島において、ホテルとそれに付設するゴルフコースの運営等を行っている。 その他事業では、伊豆・箱根エリアにおいて、2路線・営業キロ29.4kmの鉄道旅客輸送等を、滋賀県琵琶湖エリアにおいて3路線・営業キロ59.5kmの鉄道旅客輸送等を行っている。また、西武ライオンズが、プロ野球球団・埼玉西武ライオンズを運営している。 |
■13.3期実績 当期は、グランドプリンスホテル赤坂跡地の開発計画・紀尾井町プロジェクトの新築工事に着手し、東京都中央区・千代田区のオフィスビルを取得、遊休地なでの活用の一環として、メガソーラー事業に参入した。 東日本大震災直後の需要の落ち込みが回復したこと等によって、売上高は対前期比+4.8%の増収となった。増収効果等によって、営業利益は同+22.1%、経常利益は同+44.7%の増益となった。 ■14.3期業績予想 国内景気の回復や訪日外国人旅行客の増加などを背景として、各種営業施策を実施したことなどにより、期初予想を上回る水準での着地を見込んでいる。 ■15.3期業績予想 消費税増税による消費マインドへの影響や、資材・原油価格の高騰など不透明な要素が存在するものの、景気回復への期待や2020年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックなど、良好な事業環境が継続すると見込み、対前期比で増収増益の見込み。
ストックオプションは存在しない。旧西武鉄道の上場廃止以降の企業再生のプロセスでサーベラスグループ等の支援を得たことから、投資ファンド・投資銀行から多額の出資されており、この分は当面は大半がロックアップ対象とはなっているものの、最終的には売却されることとなる。 A. 発行済み株式数 342,124,820株(単元100株) B. 公募 0株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 80,855,400株(売出し元は投資ファンド・投資銀行他)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 0株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 342,124,820株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 121,282,899株(サーベラス関連分のみ) 既存株主へのロックアップ情報:投資ファンドグループ・投資銀行に対して180日間。 目論見書での西武ホールディングスの想定売出し価格は2,300円とされている。
元々、西武鉄道が上場されていた経緯もあり、西武ホールディングスのウエブサイトでは投資家向け情報開示が充実した内容となっている。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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