6616トレックス・セミコンダクターIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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トレックス・セミコンダクター(6616 JASDAQスタンダード)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:電気機器

配当性向の向上が課題
 半導体製造業であり、アナログICという独特のマーケットで事業展開している強みはあるものの、業績面では苦戦している。14.3期業績予想のEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約6倍となるが、法人税を考慮した実質的なPERは、約10倍となる。

 苦戦している足元の業績を考慮すると、妥当な価格水準とみられる。EPSが約780円の想定に対して、予定配当額は一株当たり40円と、配当性向の低さが気がかりになる。株式マーケットでのより高い評価のためには、配当性向の向上が課題となると思われる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 12/3 13/3 13/12 14/3予
売上高(百万円)
9,161
-6.1%
8,600

7,033
7.8%
9,270
営業利益(百万円)
41

566

1,093
149%
1,408
経常利益(百万円)
4

444

1,085
218%
1,413
当期利益(百万円)
-129

191

1,151

1,413
総資産(百万円)
純資産(百万円)
10,285
6,068
10,566
6,406
11,664
7,742
--
--
株主資本比率(%) 59.0% 60.6% 66.4% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
--
--
4.2%
3.0%
9.3%
14.9%
--
--
発行済株式数 1,827 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
--
3,322
105
3,507
630
4,238
773
--
配当(円/株) -- 15 -- 40

事業概要
半導体デバイスの研究開発、設計製造及び販売
 トレックス・セミコンダクターグループは、当社トレックス・セミコンダクターと連結子会社8社(開発子会社1社、販売子会社6社、製造子会社1社)から構成され、各種アナログIC製品の開発・製造・販売を行っている。

 携帯電話やAV機器、パソコン周辺機器などIT機器の超小型・軽量化を実現するには、高度なIC設計や開発技術が必要となるが、トレックス・セミコンダクターグループは、電源用ICに特化したアナログのプロ集団として、微小電流を制御するアナログ技術を用い、IT機器等の超小型・軽量化ニーズに応えている。

 また、トレックス・セミコンダクターグループは工場を保有せず、製造を外部の企業へ委託し、製品の企画、開発、販売及びアフターサービスのみを自社で行うファブレス経営を原則としている。

 電源用ICとは、各種電子部品に供給される電圧の制御に用いられるICのことで、携帯電話、パソコン、DVD、携帯デジタルオーディオ、テレビ、カーステレオ、カーナビゲーションシステム、一般家電等のあらゆる電子製品や計測機器、スマートメーター等の産業機器に用いられている。
収支の状況
14.3期には業績は大幅回復の見込み
■13.3期実績
 当期は、組織体制の変更も含めた製品企画の強化を図り、重点分野として車載機器、産業機器等の市場への積極的なビジネスを展開し、新規商談の獲得につなげたものの、売上高は対前期比マイナス6.1%の減収となった。

 費用面では、開発製品の選択とリソースの集約による開発納期短縮と開発コスト削減を行ったほか、コスト削減や合理化の推進希望退職による人員削減や事務所移転など、コスト削減や合理化を推進した。この結果、営業利益・経常利益では前期と比較して大幅増益となり、前期の当期純損失計上から、今期は当期純利益で黒字化された。

株式の状況
ストックオプションは全数が即行使可能
 ベンチャーキャピタルからの出資があるものの、ボリュームは大きくなく、また、大部分はロックアップ対象となっている。ストックオプションの未行使残高は、全数が即行使可能であり、かつ5%程度の希薄化効果となっているため、一定の考慮が必要となる。ただ、大株主は大半がロックアップの対象となっている。

A. 発行済み株式数 2,292,100株(単元100株、13.12に1:100株式分割後)
B. 公募 350,000株、増資によるオーバーアロットメント 105,300株
C. 売出し 352,300株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 133,500株
 E. うち潜在株式に算入する数 133,500株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,880,900株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 50,000株
既存株主へのロックアップ情報:会社関係者21名と法人3社、銀行2行、ベンチャーキャピタル1組合に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は、1,826,800株超。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
07年3月 100,900株 2,930円 09年3月〜17年3月
10年6月 32,600株 3,050円 12年7月〜20年7月

 目論見書でのトレックス・セミコンダクターの想定発行価格は5,000円で、この価格に基づく公募によるトレックス・セミコンダクターの手取り概算額は約1,597百万円とされている。

 別途予定されている第三者割当増資による手取概算額上限484百万円と合わせた資金使途は、開発環境の整備や購買・販売活動の効率化等のための設備資金に充当する予定。内訳は、トレックス・セミコンダクター本社の車載・産業機器等向け半導体製品の設計用ソフトウエアと開発関連設備の整備に981百万円、本社の購買・販売・その他業務に関わる情報システムの更新としてIT基盤ソフトウエア等に436百万円、協力工場に貸与する製造関連設備の購入に260百万円、本社の工具器具等のその他の設備購入に131百万円、製造子会社の組立工程用の生産及び検査用機械装置購入を目的とした当該子会社への投融資資金に100百万円を充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 トレックス・セミコンダクターのウエブサイトには3月21日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。


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