4978リプロセルIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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リプロセル(4978 JASDAQグロース)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:化学

話題性は十分だが、業績面では、まだまだこれから
 iPS細胞関連の事業ということでの注目度は高くなると予想されるが、足元の業績はまだ事業立ち上げ段階であり、投資判断はしかねる状態にある。足元の業績以上に将来性は評価されるであろうが、現時点では想定される公募価格以上の評価にはリスクが伴うと考えられる。


連結データ(13.3期まで個別肩は対前期比(%))
決算期 11.3 12.3 13.3 14.3/予
売上高(百万円)
278
13.8%
317
32.7%
420
13.6%
477
営業利益(百万円)
-85

-97

-45

-88
経常利益(百万円)
-29

-21

7

-59
当期利益(百万円)
-35

-22

6

-60
総資産(百万円)
純資産(百万円)
318
268
315
246
406
252
--
--
株主資本比率(%) 84.2% 78.0% 62.0% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
--
--
--
--
1.7%
2.3%
--
--
発行済株式数 9,511.3 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
--
28.2
--
25.8
0.6
26.4
--
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
ヒトiPS細胞及びヒトES細胞の技術を基盤としたiPS細胞事業と臓器移植等に係わる臨床検査事業
 リプロセルは、ヒトiPS細胞及びヒトES細胞の技術を基盤とした(1)iPS細胞事業と臓器移植等に係わる(2)臨床検査事業を展開している。iPS細胞事業に関する製品群は、研究試薬製品と細胞製品に区分される。

・ iPS細胞事業/ 研究試薬製品
 ヒトES/iPS細胞の研究に必要な、培養液・剥離液・凍結保存液・コーティング剤・抗体など、ヒトES/iPS細胞に最適化された各種研究試薬の製造販売。

・ iPS細胞事業/ 細胞製品
 ヒトiPS細胞から、心筋・神経・肝臓などの様々な細胞を作製し、専用培養液やコーティング剤とともに、主に製薬企業に販売している。これらの細胞製品は、製薬企業において、新薬候補化合物の薬効試験や毒性試験の実験材料として使用される。また、同細胞を利用して、薬効試験や毒性試験をリプロセル内で実施する受託サービスを提供している。

・ 臨床検査事業
 臓器移植及び造血幹細胞移植で必要とされる臨床検査に特化した検査受託サービスを提供している。具体的には、対象顧客である医療機関から血液や血清などの検体をリプロセルの衛生検査所に搬送し、検査を実施している。受託方法には、医療機関からの直接受託と他の検査会社を経由した再受託の両方がある。

情報開示の状況
開示なし
 リプロセルのウエブサイトには5月25日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。

収支の状況
14.3期も赤字決算となる見通し
■12.3期実績
 iPS細胞事業のうち研究試薬製品の主力製品は、ヒトES/iPS細胞用の培養液となっている。統制品は、京都大学iPS細胞センターの山中教授が世界で初めてヒトiPS細胞の樹立・培養に成功した際に使用された培養液で、現在日本の幅広い研究機関で使用されている。更に当期には、ヒトES/iPS細胞用の新しい培養液を上市した。

 細胞製品では、世界初となるヒトiPS細胞由来の心筋細胞を上市し、更に神経細胞へと製品ラインナップを拡充した。

 以上の結果、iPS細胞事業の売上高は対前期比+18.1%の増収となった。一方、臨床検査事業では、対前期比マイナス9.0%の減収となった。

表1 セグメント別販売実績(百万円、前期比%)
12.3期  12.12期
iPS細胞  276 +18.1% 246
臨床検査  40  -9.0%  39
合   計  316 +13.8% 285

■14.3期予想
 リプロセルではiPS細胞事業と臨床検査事業の2事業を行っているうち、売上構成比上はiPS細胞事業が主力事業となっている。当期は主にiPS細胞事業の伸長によって、売上高は477百万円の見通し。

 売上高から売上原価を差引いた売上総利益252百万円に対して、販売費・一般管理費を340百万円と見込んでることから、営業・経常損失を計上する見通し。販売・一般管理費のうち106百万円が研究開発費であり、iPS細胞に関する技術に特化している。

 研究開発費については、公的助成金を有効活用することで進めており、現在、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業と、中小企業のグローバル技術連携支援事業の採択を受けている。

株式の状況
ストックオプションとVC出資分があり、要注意
 まず、ストックオプションの未行使残高が相当数あり、上場時点で約1割程度のウエイトを占める。大半が既に行使可能期間に入っており、行使価格が極端に低いため、上場後には大量に行使される可能性がある。ベンチャーキャピタルからの出資ウエイトも高く、一部はロックアップの対象となっているが、全数が対象ではないため、一部は早々に売却されるリスクがある。

A. 発行済み株式数 7,659,250株(単元100株、13.2に1:10株式分割後)
B. 公募 642,000株、増資によるオーバーアロットメント 194,500株
C. 売出し 654,700株(売出し元は会社関係者100,000株、残はベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 1,144,500株
 E. うち潜在株式に算入する数 1,015,500株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 9,511,250株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 3,942,480株
既存株主へのロックアップ情報:会社関係者6名(うち1名はストックオプション行使による株式売却は可能)、法人5社、ベンチャーキャピタル8組合と銀行1行に対して90日間。但し、VCと銀行に関しては、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株式は6,628,040株

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
03年12月 468,000株 120円 06年1月〜14年1月
04年10月 50,000株 250円 06年10月〜14年10月
04年10月 24,000株 250円 06年10月〜14年10月
08年6月 135,000株 210円 11年1月〜18年6月
09年6月 118,500株 210円 12年4月〜19年6月
10年6月 220,000株 210円 13年3月〜20年6月
11年6月 129,000株 210円 14年4月〜21年6月

 目論見書でのリプロセルの想定発行価格は2,570円で、この価格に基づく公募によるリプロセルの手取り概算額は約1,500百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資による手取り概算額上限約458百万円と合わせた資金使途は、iPS細胞事業の事業拡大を図るための設備資金として250百万円、米国・欧州・アジアにおける拠点開設・拡充・運営の資金として535百万円、残額は事業拡大に伴う債権回収までの運転資金等に充当する予定。

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