IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ANAP(3189 JASDAQスタンダード)IPO |
好調なマーケット環境による追い風はありうる ネット経由の販売チャネルも持つものの、基本的な形態はオーソドックスな衣料小売販売となっている。足元の業績は、13.8期は営業外収支の増益に伴う経常増益があるものの、売上高が一定の伸びを示す一方、営業利益は横ばいとなっているなど、利益面では一時的・特殊要因を除く、構造的な増益が見込まれていない。 14.8期業績予想のEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約11倍となる。最近のIPO市場は全般に好調であるため、ANAPの場合も多少高めに評価されるチャンスはあると思われるが、基本的には、想定公募価格以上に評価できる要素は、現時点では見当たらない。 個別データ(肩は対前期比(%))
ANAPは、全国のショッピングセンターを中心とした店舗販売事業と、自社ショッピングサイトでのインターネット販売事業、及び卸売販売事業を行っている。 店舗販売事業では、ANAPとそのサブブランド等からなるANAPブランドの主要な販売チャネルとして、原宿や渋谷等に位置する路面旗艦店から、郊外に位置する大型SCへの出店など、全国に93店舗を展開している。 インターネット販売事業では、2012年よりANAPオンラインショップとして、ANAPブランドのショッピングサイトの運営を開始した。ANAPサイトは、セレクト型のインターネットショッピングサイトとは異なり、自社開発システムによる自社ブランド販売用サイトであり、ANAPの商品戦略を機動的に実現する重要な販売チャネルとして位置づけられている。 13年9月からスタートトゥデイが運営するインターネットショッビングサイトに出店し、新規顧客の取り込みに注力すると同時に、ANAPサイトとの相乗効果を狙っている。13年8月末のオンラインショップ会員数は557千人。 卸売販売事業では、全国のセレクトショップ向けに卸売販売を行っている。 |
■12.8期実績 店舗販売事業では、店舗展開の効率化を図るため、新設6店舗の出店、既存店1店舗のブランド変更、不採算店3店舗の閉店、販売効率の向上を目的とした2店舗の店舗統合を行った。この結果、期末時点の店舗数は74拠点86店舗となった。店舗形態別には、路面店が1店舗増加、SCが3店舗増加、ファッションビルが3店舗減少した。 総店舗数は増加したものの、路面店とファッションビルでの売上高が対前期比で減少したことから、売上高は対前期比マイナス3.1%の減収となった。 インターネット販売事業では、積極的なキャンペーン効果と早急なスマートフォン対策を行ったことにより、売上高は対前期比+7.7%の増収となった。 卸売販売事業では、OEM生産の受注増などの効果により売上高は対前期比+10.7%の増収となった。 以上の結果、売上高は対前期比+0.4%の増収となった。利益確保を目的とした不採算店の閉鎖等によって販売・一般管理費が減少したことにより、営業利益は対前期比+59.4%の増益となった。一方、店舗移転・改装・閉店に伴う固定資産の除却や営業不振による減損処理を行い特別損失を計上したことにより、当期利益は234百万円にとどまった。
ベンチャーキャピタルからの出資があり、ロックアップの対象となっていない。ただ、ボリュームは多くない。ストックオプションの未行使残高が大量に存在し、行使価格も低めに設定されているが、こちらも当面は当期可能期間に入らないため、当面の株式需給には影響がない。 A. 発行済み株式数 1,740千株(単元100株、13.8に1:500株式分割後) B. 公募 320千株、増資によるオーバーアロットメント 70,500株 C. 売出し 150千株(売出し元は)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 347千株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,130,500株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 60千株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者16名と金融機関1行、法人1社に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は1,942千株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 12年8月 347千株 766円 14年8月〜22年8月 目論見書でのANAPの想定発行価格は960円で、この価格に基づく公募によるANAPの手取り概算額は約300百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資による手取り概算上限約67百万円と合わせた資金使途は、今後予定している15店舗の新規出店に係る費用171百万円と、オンラインショップ管理システムに係る、本社在庫管理システムの構築や他社ブランド取り扱いに伴うシステム構築等システム関連費用50百万円に充当する予定。
ANAPのウエブサイトには10月16日時点で、投資家向け情報開示のサイトは開設されているものの、工事中の表示となっており、コンテンツは未掲載となっている。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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