6464ツバキ・ナカシマIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ツバキ・ナカシマ(6464 東証)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:機械

収益性・業績評価の点だけでなく、株式需給や過去の経緯からも、評価はしくにい
 足元の業績そのものは、安定的に推移している。13.3期の想定EPSを過去実績と第一四半期の実績から40-60円と想定した場合、想定されている売出し価格のPERは30-40倍となる。ストックオプションを行使するには確かにこの価格水準が必要だが、株式の評価としては、難しい面がある。

 加えて当面はロックアップの対象とはなっているが、筆頭株式の売却リスクがある点、過去に一旦上場していながらMEBOを行い、非上場化した経緯がある点を考慮すると、なかなか高い評価はしにくい銘柄となっている。

連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 11/3 12/3 12/6
売上高(百万円)
26,475
8.0%
28,595

7,064

営業利益(百万円)
4,761
4.0%
4,952

1,121

経常利益(百万円)
4,021
15.9%
4,661

819

当期利益(百万円)
1,512
77.6%
2,686

391

総資産(百万円)
純資産(百万円)
72,578
26,864
77,915
28,936
78,823
30,448
--
--
株主資本比率(%) 37.0% 37.1% 38.6% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
5.5%
5.6%
6.0%
9.3%
1.0%
1.3%
--
--
発行済株式数 39,138 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
38.6
686
68.6
739
10.0
778

--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
玉軸受用鋼球、セラミック球、超硬合金球、ガラスボール、プラスチック球、カーボン鋼球、ボールねじ、ボールウェイ、遠心送風機等の製造販売
[経緯]
ツバキ・ナカシマ(実質上の存続会社)は、野村プリンシパル・ファイナンスを中核的安定株主とし、MEBOを選択。その際、形式上の存続会社である旧TNNインベストメントは、SPC(特別目的会社)として設立され、旧ツバキ・ナカシマを完全子会社とする株式交換を行った後、同社を吸収合併。

 ツバキ・ナカシマグループは当社ツバキ・ナカシマと連結子会社11社から構成されており、主な事業として、精密球(鋼球事業)、ボールねじ(精機事業)、送風機(送風機事業)の製造販売を、日本・米国・ポーランド・中国・インド・台湾で行っている。

 鋼球事業は12.3期のツバキ・ナカシマグループ売上高の74.5%を占める事業で、様々な材質・サイズの2万種類を超える高品質精密球を製造販売している。精密球は、主に重要な構成要素としてボールベアリングに使用され、最終製品としては自動車や工作機械となっている。更に、ボールペンのペン先ボールや光通信用のガラスボールのような非ベアリング用途も製造販売している。

 精機事業は、主に工作機械の精度を左右する部品として、NC旋盤やマシニングセンタ(MC)に使用されるボールネジ(直動軸受案内)を製造販売している。

 送風機事業では、中・大型送風機の製造販売、賃貸事業他では、不動産の賃貸等を行っている。
収支の状況
12.3期は対前期比で増収増益
■12.3期
 鋼球事業では、震災の影響によって日系自動車関連需要の減少が見られたものの、中国や新興国需要の増加により売上高は対前期比+6.0%の増収となり、セグメント利益は同+0.8%の増益となった。

 精機事業では、夏以降にハイテク向け需要の調整や中国金融引き締めの影響が大きくなり、受注が低迷しているものの、注残の消化を行っていることから、売上高では対前期比+22.7%の増収、セグメント利益では、同+31.5%の増益となった。

 以上の結果、売上高全体では、対前期比+8.0%の増収となった。利益面では、東日本大震災やタイ洪水の影響はあるものの、売上・生産の増加に加えて、2007年に実施したMEBOによる機動的な経営体制の構築や金融危機時に行ったコスト削減効果が現れてきたこと等によって、営業利益で対前期比+4.0%、経常利益で同+15.9%の増益となった。当期利益では、法人税率の変更に伴う税効果会計に用いる実効税率変更の影響もあって、同+77.6%の増益となった。

株式の状況
ロックアップ経過後の筆頭株主の持ち株には注意が必要
 株式は再上場となり、公募は計画されていない。ストックオプションの未行使残高があるが、当面は行使期間に入らない。筆頭株主で約90%を保有する投資会社がロックアップの対象となっているため、当面の株式需給はタイトになることが予想されるものの、最終的には、この投資会社の持ち株は全数が売却されることが当然の前提であり、ロックアップ期間が経過した後には、他の株主にとっては重要なポイントとなる。

A. 発行済み株式数 39,138,300株(単元100株、12.6月に1:100株式分割後)
B. 公募 0株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 26,466,400株(売出し元は)、既発株のオーバーアロットメント 1,846,400株
D. ストックオプション等の残高総数 3,040,000株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 39,138,300株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 37,750千株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者10名と法人1社に対して180日間。対象株数は41,163,600株(ストックオプションを含む。)

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
11年6月 1,660,400株 1,026円 13年8月〜21年6月(5年間の行使制限付)
11年6月 1,119,600株 1,026円 13年8月〜21年6月(5年間の行使制限付)
12年6月  84,000株 1,366円 14年8月〜22年6月(5年間の行使制限付)
12年6月 176,000株 1,366円14年8月〜22年6月(5年間の行使制限付)

 目論見書でのツバキ・ナカシマの想定売り出し価格は1,640円とされている。

情報開示の状況
開示あり
 ツバキ・ナカシマはMEBOを行う2007年まで上場していたこともあり、同社のウエブサイトには投資家向け情報開示のページが既に設置されている。掲載されているコンテンツは、上場承認のニュースリリース程度となっている。


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