3177ありがとうサービスIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ありがとうサービス(3177 JASDAQスタンダード)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:小売業

業態・成長性からの評価は高くないが、株式評価には織り込み済み
 ブックオフやモスバーガー、大戸屋等の経営というと耳触りはいいが、実質はロイヤリティを支払うフランチャイジーであり、注意が必要。業績面でも、13.2期は若干の増収は見込むが、営業利益・経常利益では対前期比減益の見通しであり、当期利益は大幅増益を見込むが、これは前期に減損損失等を計上した反動となっており、成長性の点でも評価はしにくい。

 ただ、こうした課題については発行価格の設定にあたっては十分考慮されているとみられ、13.2期業績予想ベースのEPSに基づく、想定されている発行価格のPERは約5倍強となっている。業態・成長性評価の点と、株式評価に関しては一応整合しているように見受けられる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 11/2 12/2 12/8 13/2予
売上高(百万円)
7,061
0.3%
7,084

3,478
2.8%
7,282
営業利益(百万円)
473
10.3%
522

210
-3.2%
505
経常利益(百万円)
441
17.4%
518

208
-7.9%
477
当期利益(百万円)
334
-82.6%
58

97
325.9%
247
総資産(百万円)
純資産(百万円)
2,865
834
3,292
892
3,333
983
--
--
株主資本比率(%) 29.1% 27.1% 29.5% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
15.4%
40.0%
15.7%
6.5%
6.2%
9.8%
--
--
発行済株式数 971.6 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
3043
858
6
918
99
1,011
254
--
配当(円/株) -- 6 -- 70

事業概要
「HARD OFF」及び「BOOK OFF」のFC店舗の運営を行うリユース事業と「モスバーガー」等のFC店舗の運営等を行うフードサービス事業
 ありがとうサービスは、リユース事業とフードサービス事業を営んでいる。

 リユース事業は、ブックオフコーポレーション・ハードオフコーポレーション等のいわゆるFC本部とフランチャイズ契約を締結し、フランチャイジーとしてブックオフ、ハードオフ、オフハウス、ホビーオフを運営している。

 フードサービス事業は、モスフードサービス等のFC本部とフランチャイズ契約を締結し、フランチャイジーとして「モスバーガー」、「トマト&オニオン」、「熱烈タンタン麺一番亭」、「大戸屋ごはん処」を運営し、一部にありがとうサービス独自で開発した「馳走家とり壱」、あるいは事業の立ち上げ時に支援を受けた「かつれつ亭」、「ティア家族のテーブル」、他社から業務委託を受けている「湯けむり亭」、「かめやうどん」を運営している。

 12.8月末において出店している店舗数は合計103店舗であり、内訳は、リユース事業で71店舗、フードサービス事業で32店舗となっている。出店地域は、リユース事業は、愛媛県、山口県、および長崎県・沖縄県を除く九州全域であり、フードサービス事業は愛媛県を中心とし香川県、高知県にも出店している。
収支の状況
13.2期は対前期増収、経常減益の見通し、当期利益は前期減損等計上の反動増
■12.2期実績
 リユース事業においては店舗数に変動はなく65店舗のままで推移したが、フードサービス事業において2店舗を閉店したため、当事業年度末の店舗数は96店舗となった。

 リユース事業では店舗商品を充実させて販売機会の損失を減らし、新規顧客の獲得に努めた結果、特にハードオフとオフハウスが好調に推移し、売上高は対前期比+3.1%の増収、セグメント利益同+14.2%の増益となった。

 フードサービス事業では、「かめやうどん小坂店」を10月に、「トマト&オニオン新居浜店」を1月に閉店したこと、フランチャイジー事業において原価率が上昇したこと等により、売上高は 対前期比マイナス4.6%の減収、セグメント利益は同マイナス27.3%の減益となった。

 全体の売上高は対前期比+0.3%の増収となり、経費面では、広告宣伝費の抑制等により、販売費及び一般管理費を同マイナス1.2%減と圧縮できた結果、営業利益は同+10.3%、経常利益は 同+17.4%の増益となった。

 特別損失として、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額 133百万円と、減損損失 32百万円等を計上したことから、当期純利益は同マイナス82.6%減と、大幅減益となった。

■13.2期業績予想
 リユース事業では、既存店ベースでの売上高は対前期比+0.3%を見込み、これに新店舗分の売上を合算して、対前期比+6.1%の増収を見込んでいる。フードサービス事業では、前期に閉店した店舗の売上を差し引いた実質前期既存店売上に対して、マイナス5.7%減を既存店予算とし、これに新店舗分の売上を合算して対前期比マイナス3.5%の減収を見込んでいる。以上の結果、全体の売上高は対前期比+2.8%の増収の見通し。

 両事業ともに売上総利益率は前期並みの64.9%を見込み、販売費・一般管理費は対前期比+5.1%増を見込み、営業利益は対前期比マイナス3.1%の減益となる見通し。経常利益でも、対前期比マイナス7.7%の減益の見込み。

株式の状況
ストックオプションなく、VC出資分は全数がロックアップ対象
 ストックオプションの未行使残高はない。ベンチャーキャピタルの出資はあるものの、ウエイトは大きいものではなく、更に全数がロックアップの対象となっている。以上の結果、株式需給に関しては、特段の懸念材料はない。

A. 発行済み株式数 835,600株(単元100株、12.5月に1:100株式分割後)
B. 公募 70千株、増資によるオーバーアロットメント 48千株
C. 売出し 250千株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 971.6千株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 80千株
既存株主へのロックアップ情報:会社関係者25名とベンチャーキャピタル4組合、法人3社に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は約833千株。

 目論見書でのありがとうサービスの想定発行価格は1,340円で、この価格に基づく公募によるありがとうサービスの手取り概算額は約81百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資による手取り上限額約59百万円と合わせた資金使途は、新規出店に関わる物件費・内装設備費の支払いに使用する予定。

情報開示の状況
一応開示あり
 ありがとうサービスのウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、公告程度となっている。


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