IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
エー・ピーカンパニー(3175 東証マザーズ)IPO |
業績の伸びは高いが、既に十分評価に織り込み済みか 独特の事業モデルを持ち、足元の業績の大きく伸びている。ただ、業態としては飲食業であり、株式マーケットでは特に高く評価されるとは期待しにくい。 13.3期業績予想ベースのEPS約170円に対して、想定されている公募価格のPERは約13倍となっている。現状ではこれ以上には評価しにくく、想定公募価格の水準が、ちょぅどギリギリのレベルかと思われる。 連結データ(肩は対前期比(%))
エー・ピーカンパニーグループは、当社エー・ピーカンパニーと、連結子会社5社で構成され、食産業全体を事業領域として生産から流通、販売までを統合的に手掛ける「生販直結モデル」により、地鶏や鮮魚等の生産流通事業と、外食店舗を主とする販売事業を行っている。 生産流通事業では、「生販直結モデル」の一部として、地鶏、鮮魚、青果物などの生産及び流通事業を行っている。販売先はエー・ピーカンパニーの店舗のほか、ライセンス供与先、グループ外の外食・小売店舗等となっている。 販売事業では、「生販直結モデル」の一部として、外食店舗及び中食店舗を運営している。主となる外食店舗は、自社農場等で生産された地鶏をメインとする「塚田農場」及び日本各地の漁業生産者(漁師・漁協)から直送される鮮魚をメインとする「四十八漁場」を主要ブランドとして、中価格帯とされる平均客単価4,000円前後の居酒屋を首都圏を中心に79店舗(12年7月末現在、以下同)展開している。 その他、生販直結モデルにより開発された店舗ブランドを、24企業44店舗に対してライセンス供与(商標及びノウハウ等の利用許諾)しているほか、販売チャネル多角化のため中食店舗(4店舗)の運営も行っている。
エー・ピーカンパニーのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されている情報は、上場承認のプレスリリース程度となっている。 |
■12.3期実績 「生販直結モデル」の生産流通事業においては、前期から開始した鮮魚への取組み強化と、地鶏の生産流通の拡大・多角化を行った。 地鶏では、11年6月に北海道上川郡新得町に子会社を設立し、現地に自社農場を建設の上、新得地鶏の生産と販売を開始した。11年3月からは、鹿児島県のバックアップと県内生産者との提携の下で、鹿児島県霧島市に自社農場を建設し、黒さつま鶏の生産と販売を開始した。また主力であるみやざき地頭鶏においても、従来の日南市に加えて日向市の生産者とも提携し取扱いを開始した。その結果、みやざき地頭鶏の素雛生産数は198千羽(前期比2%増)、精肉出荷数は164千羽となっている。 鮮魚では、当日朝水揚された鮮魚を当日中に店舗に納品する「今朝獲れ便」を軸に、卸売市場や問屋を通さない漁師・漁協との直結ネットワークを、従来の宮崎県島野浦、鹿児島県錦江湾等から、岩手県陸前高田や北海道厚岸等へ順次拡大すると共に、11年6月には宮崎県延岡市に子会社を設立の上、漁協組合員との共同経営による定置網漁業を開始した。このため、生産流通事業の売上高は対前期比+72.1%の増収となった。 「生販直結モデル」の販売事業においては、生産者との直接提携関係を生かした生産地・生産物のブランド化と、顧客感動満足の実現による再来店動機の創出という基本戦略の下、新規店舗ブランドの企画と実行、出店エリア拡大による店舗数拡大を行った。 新規店舗ブランドとして、新得地鶏をメインとして十勝地方の生産物を商品化した「十勝新得町塚田農場」、黒さつま鶏をメインとした鹿児島郷土料理の「鹿児島県霧島市塚田農場」、日本各地の漁業者から直接かつ高鮮度で届けられる鮮魚をメインとした、鮮魚モデルの主力ブランドとなる「四十八漁場」を企画の上、店舗展開を開始した。 出店状況は、地鶏モデルの塚田農場等の店舗は、従来の首都圏ターミナル立地への出店を強化すると共に、関西エリアにも進出し、14店舗の新規出店と3店舗の改装出店を行い合計49店舗となった。鮮魚モデルの四十八漁場等の店舗は、池袋や横浜等の主要駅を中心に4店舗を出店すると共に、中食2店舗を含む3店舗を閉店し合計10店舗となった。 ホルモンモデルは1店舗の新規出店と1店舗の閉店により合計15店舗となった。また、ライセンス店舗については、首都圏だけでなくそれ以外の地域も含めて17店舗に対するライセンスの新規供与を行い、1店舗の閉店(解約)と合わせて合計43店舗となった。 その結果、エー・ピーカンパニーグループの店舗数(直営店)は年度内に15店舗増加し、12年3月末現在において74店舗となった。ライセンス店舗との合計では、年度内に合計31店舗の増加、年度末現在において合計117店舗となった。以上を通じて、販売事業の売上高は対前期比+59.8%%の増収となった。 以上の結果、売上高は対前期比+59.0%の増収、営業利益で同+116.8%、経常利益で同+140.6%、当期純利益で同+96.2%の増益となった。 表1 セグメント別販売実績(百万円、前期比%) 12.3期 12.6期 地 鶏 関 連 862 +43.8% 242 他(野菜、鮮魚等) 595 +140.6% 183 生産流通事業計 1,458 +72.1% 426 地鶏モデル 5,132 +95.5% 1,679 鮮魚モデル 1,364 +36.5% 368 ホルモンモデル 904 -7.4% 202 そ の 他 224 +31.0% 60 販売事業計 7,625 +59.8% 2,310
ストックオプションの未行使残高も、ベンチャーキャピタルからの出資もなく、株式需給の構造は至ってシンプルになっている。 A. 発行済み株式数 2,044,250株(単元100株、12.3に1:1.5株式分割後) B. 公募 350,000株、増資によるオーバーアロットメント 81,700株 C. 売出し 195,000株(売出し元は会社関係者等)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 0株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,394,250株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株 既存株主へのロックアップ情報:会社関係者19名と法人1社に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は1,980千株。 目論見書でのエー・ピーカンパニーの想定発行価格は2,250円で、この価格に基づく公募によるエー・ピーカンパニーの手取り概算額は約713百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資169百万円と合わせた資金使途は、販売事業における新規出店予定の外食直営店舗の出店に関わる物件費と内装設備費の支払の一部に充当する予定。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||