IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ユーグレナ(2931 東証マザーズ)IPO |
ユニークな事業だが、課題もまた多い ミドリムシというユニークな商材を取り扱っている点が、まずは目をひく。業績動向もまずまずとなっている。13.9期業績予想ベースのEPS約86円に対して、想定されている公募価格のPERは約18倍となる。 ユニークなビジネスモデルである点と、足元の増益基調は、想定公募価格にある程度織り込まれているとみられる。一方、製造は外注しつつ、増資の資金使途の約半分が広告宣伝費となっている等、注力の方向にはやや疑問を感じる点も見受けられる。極端に行使価格が低く設定されているストックオプションがある点も含めて、株主重視の企業姿勢がみられるかが、一つの注目点ともなる。 連結データ(肩は対前期比(%))
ユーグレナ・グループは、当社ユーグレナと関連会社1社から構成されており、微細藻ユーグレナ(和名ミドリムシ)の食品用途屋外大量培養技術をコア技術とし、ユーグレナに関する研究開発活動を行うとともに、その研究開発結果を活かして、ヘルスケア事業(ユーグレナを活用した食品製造販売、化粧品製造販売)とエネルギー・環境事業(ユーグレナを活用したバイオ燃料開発等)を行っている。 ヘルスケア事業では、ユーグレナ粉末を活用した食品の製造販売と、ユーグレナ粉末を加水分解したユーグレナエキスを活用した化粧品の製造販売を行っている。食品・化粧品の製造は外注先に委託している。 自社製品の販売は、全国の取扱店を通じて消費者に販売する形態と、インターネットや電話などで直接消費者に販売する形態の2チャネルで行っている。また、伊藤忠商事を通じて、製薬会社、食品メーカー等にユーグレナ粉末を販売している。 エネルギー・環境事業では、バイオ燃料の将来の事業化に向けての研究開発を行うとともに、汚染水の浄化等をテーマとする研究受託を行っている。 |
■11.9期 ヘルスケア事業(食品)では、展示会への継続的出展、一般食品への積極的な提案、広報・PR活動の強化等により、OEM製品の売上高は対前期比+92.6%となった。一方、原料販売では、大口顧客開拓が進まなかったことから、対前期比マイナス37.1%、自社製品販売では、体制が不十分だったこと等から、同マイナス5.7%と減収となった。 ヘルスケア事業(化粧品)では、展示会への継続的出展、既存のOEM顧客の深耕開拓を行った結果、OEM製品の売上高は対前期比+15.7%の増収となった。 以上の結果、売上高は対前期比+58.7%の増収となり、増収効果によって、営業利益で同+92.5%、経常利益で同+71.4%と、大幅な増益となった。
まずは、ベンチャーキャピタルが既存発行済み株式の半数以上を保有している点が特徴となっている。大半はロックアップの対象とはなっているが、ロックアップの期間には90日間と比較的短く設定されているものもある。 ストックオプションの未行使残高も無視できないボリュームとなっている。特に、行使価格が17円と、極端に安いものがあり、行使は確実とみられる。 A. 発行済み株式数 2,155,500株(単元100株、12年9月に1:300株式分割後) B. 公募 500,000株、増資によるオーバーアロットメント 80,000株 C. 売出し 50,500株(売出し元はベンチャーキャピタル45千株、残は法人)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 326,700株 E. うち潜在株式に算入する数 234,900株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,970,400株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 1,218千株 既存株主へのロックアップ情報:法人2社と会社関係者6名に対して180日間、法人1社とベンチャーキャピタル4組合に対して180日間、但し発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。別ベンチャーキャピタル2組合に対して90日間。対象株数は2,095,200株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 06年6月 117,000株 17円 08年8月〜16年8月 08年12月 117,900株 1,000円 11年4月〜17年3月 10年12月 91,800株 1,200円 13年9月〜20年8月 目論見書でのユーグレナの想定発行価格は1,580円で、この価格に基づく公募によるユーグレナの手取り概算額は約711百万円とされている。資金使途は、設備資金に92百万円、運転資金に618百万円を充当する予定。 設備投資の内訳は、研究所での研究機器類等の増強に44百万円、基盤管理システムとしてのERPシステム導入資金に10百万円、ヘルスケア事業における飲食店舗内装設備に18百万円、直販における顧客管理ソフトの購入に20百万円。 運転資金の内訳は、ヘルスケア事業のユーグレナ・ファームブランド立ち上げと新規顧客獲得のための広告宣伝費に289百万円、研究開発費に329百万円。 別途予定されている第三者割当増資の手取り上限額約115百万円についても、広告宣伝費に充当する予定。
ユーグレナのウエブサイトには11月19日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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