6619ダブル・スコープIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ダブル・スコープ(6619 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:電気機器

好調な市場環境を背景として目覚しい業績の伸びだが、公募価格では既に織込み済みの模様
 リチウムイオン電池市場の好調を背景として、目覚しい成長率で業績が伸びている。11.12期業績予想での当期利益は対前期比3.6倍増、中期計画での12.12期計画では更に倍増となっている。

 まだ法人税が税前利益に見合った額になっていないため、11.12期予想の実力ベースEPS約50円〜12.12期の更なる増益を見込み最高100円と考えると、想定されている公募価格のPERは30〜60倍となる。当面の業績の伸びは、公募価格に織り込まれているとみられる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 09/12 10/12 11/9 11/12予
売上高(百万円)
1,244
35.5%
1,686

2,492
115.0%
3,625
営業利益(百万円)
76
173.9%
209

903
512.3%
1,280
経常利益(百万円)
61
104.0%
125

851
843.1%
1,178
当期利益(百万円)
4
7138.8%
255

848
361.0%
1,176
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,592
1,161
4,373
2,690
4,430
3,242
--
--
株主資本比率(%) 72.9% 61.5% 73.2% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
3.8%
0.3%
2.9%
9.5%
19.2%
26.1%
--
--
発行済株式数 14,926(修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
0.2
77.8
17.1
180.2
56.8
217.2
78.8
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
リチウムイオン二次電池用セパレータの製造・販売
 ダブル・スコープグループは、当社ダブル・スコープと連結子会社2社から構成されており、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造・販売を主たる事業として、日本、韓国、中国、台湾、北米に拠点を置く、リチウムイオン二次電池メーカーを主要な顧客としている。

 セパレータには、一般的にポリオレフィン製の微多孔膜が用いられており、正極材と負極材を隔離しつつ、正極・負極間のリチウムイオンの伝導性を確保する役割がある。製造においては、高分子設計、高分子材料加工など複数の技術が必要とされ、具体的には数ミクロンレベルでの厚さの作り分けや厚さ管理等が要求される。

 ダブル・スコープでの製品の製造は韓国子会社に集約している。また、研究開発活動は、主に韓国子会社の開発部門にて行っており、高耐熱セパレータの開発に取り組んでいる。

収支の状況
リチウムイオン電池市場の成長を背景として、顕著な成長率
■10.12期実績
 リチウムイオン二次電池産業は、民生ポータブル機器の需要回復、先進国を中心とするクリーンエネルギーへの政策誘導による電気自動車等の市場の立ち上がり等により、リチウムイオン二次電池の需要は増加している。ダブル・スコープグループでもその影響から受注の拡大に成功した。

 この結果、売上高は、対前期比+35.5%の増収となり、増収効果によって、営業利益以下では、対前期比倍増以上の増益となった。

■11.12期業績予想
 リチウムイオン二次電池用セパレータ事業では、スマートフォンを始めとする電子機器類の市場拡大に加えて、大型リチウムイオン二次電池の用途拡大によって新たな市場が創造されつつあることから、リチウムイオン二次電池市場が拡大しており、リチウムイオン二次電池の主要部材であるセパレータについても、旺盛な需要が続くと見込んでいる。

 ダブル・スコープでは、需要増加に対応するために、11年2月に新生産ラインが稼動を開始したことで、累計生産能力は20%超増加した。更に、12年第2四半期にも、新生産ラインの稼動開始を見込んでいる。

 以上の市場動向と生産能力の増強を背景とし、為替レート75円/ドルの前提で、売上高は対前期比2倍以上の増収、営業利益以下の利益項目では、対前期比6-9倍の大幅な増益を見込んでいる。

■12.12期中期計画
 業績予想では、11.12期に策定された中期計画での12.12期収支計画が発表されている。
(百万円) 売上高6,426、営業利益2,401、経常利益2,354、当期利益2,348

 なお、ダブル・スコープ単体では毎期当期損失を計上しており、連結決算でも税前利益額に見合った法人税額とはなっていない。

株式の状況
VC出資とストックオプションはあるものの、影響は大きくないと見られる
 ベンチャーキャピタルの既存出資があるが、大半のベンチャーキャピタルはロックアップの対象になっており、株式需給に対する大きな影響は無いとみられる。ストックオプションの未行使残高もあるが、上場時点で行使可能なものは半数程度であり、こちらの影響も大きくはないと見られる。

A. 発行済み株式数 12,668,500株(単元100株、11.8に1:500株式分割後)
B. 公募 1,503,100株、増資によるオーバーアロットメント 366,900株
C. 売出し 943,000株(売出し元は会社関係者295千株、残はベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 762,500株
 E. うち潜在株式に算入する数 387,500株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 14,926,000株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 約6,638千株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者10名とベンチャーキャピタル16組合に対して180日間。対象株数は約9,126千株。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
09年3月 200,000株 650円 12年2月〜20年2月
09年3月 10,000株 650円 10年3月〜20年2月
09年3月 177,500株 650円 10年3月〜20年2月
11年3月 375,000株 800円 13年5月〜21年5月

 目論見書でのダブル・スコープの想定発行価格は2,900円で、この価格に基づく公募によるダブル・スコープの手取り概算額は約3,982百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資による手取り概算額約975百万円と合わせた資金使途は、生産ライン設備の増設を計画している韓国子会社に対する投融資に充当する予定。

情報開示の状況
開示あり
 ダブル・スコープのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。既に財務ハイライトが掲載済み。

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