3168クロタニコーポレーションIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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クロタニコーポレーション(3168 東証二部)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:卸売

震災後の上場第一弾は、公募価格で十分に評価済みとなっている印象
 11.8期の業績予想では、対前期比で80-90%程度の増益の見通しと、高い利益伸び率が想定されているものの、業績見通しの詳細については、開示が無く、高い伸びの理由については、明確にはなっていない。

 この業績予想に基づく、想定されている公募価格のPERは約7倍強となる。足元の高い利益伸び率をみると、もう少し高い評価も可能かもしれないが、震災後の軟調な地合と、脚光を浴びにくい東証二部からの上場であること等を考慮すると、想定されている公募価格で十分かと思われる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 09/8 10/8 11/2 11/8予
売上高(百万円)
35,112
37.6%
48,319

27,005
9.6%
52,976
営業利益(百万円)
1,188
23.1%
1,463

1,694
65.6%
2,423
経常利益(百万円)
567
107.2%
1,175

1,584
91.2%
2,247
当期利益(百万円)
285
126.3%
645

855
87.1%
1,207
総資産(百万円)
純資産(百万円)
13,084
4,209
14,439
4,735
15,346
5,590
--
--
株主資本比率(%) 32.2% 32.8% 36.4% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
4.3%
6.8%
8.1%
13.6%
10.3%
15.3%
--
--
発行済株式数 7,311.8(修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
39.0
576
88.2
648
117.0
765
165.1
--
配当(円/株) 10 10 -- 20

事業概要
非鉄金属スクラップ、インゴットの製造販売及び美術工芸品の製造販売
 クロタニコーポレーション(以下、クロタニ)は、銅を中心とした非鉄金属関連ビジネスとして、インゴットの製造・販売とスクラップの加工・販売を2本柱として事業を展開し、その他、美術工芸品に関する製造販売も行っている。

 クロタニの事業では、インゴットとスクラップを同時に取り扱っていることにより、雑多な非鉄金属を一括買いすることが可能となり、通常、インゴット製造のみを行っている場合であれば、その製造に必要なスクラップ原材料のみを仕入れることになるが、クロタニの場合は、あらゆるスクラップを取り扱うことが可能となっている。

 インゴットについては、国内外から集荷した銅スクラップ、銅合金スクラップを原材料として配合、溶解し、得意先各社のニーズ、用途に合わせた形状・重量の製品約50品種を生産している。仕入れたスクラップは、製品ごとの要求規格に合致する成分割合になるよう製造し、国内外の販売先(造船メーカー、住宅設備メーカー等)に販売している。

■中心となる品種
・ 船舶のスクリュー原材料として用いられる「アルミ青銅」
・ 水洗金具、止水栓、産業用バルブ等、主に住宅産業向けに販売する「青銅」

 スクラップは、国内外の仕入先(スクラップ回収業者、メーカー等)から仕入れた約150品種の非鉄金属スクラップについて選別・プレス等を行い、国内外の販売先(電線メーカー、銅精錬メーカー等)に販売しているほか、自社インゴット製造のための溶解用材料として利用している。

■中心となる品種
・ 主に電線、銅板条・銅管、銅箔の各メーカー向けに販売する「純銅スクラップ」
・ 主に銅精錬メーカー向けに販売する「銅スクラップ」
・ 主に住宅設備や各種産業バルブ業界向けに販売する「銅合金スクラップ」
・ アルミメーカー(軽圧、板条、二次合金)やステンレスメーカー向けに販売する「アルミ・ステンレス系スクラップ」

 その他の事業としては、モニュメント、記念品、置物、仏像、ジュエリー等、美術工芸品の製造販売と伸銅品等の商品仕入れ・販売を行っている。

収支の状況
11.8期は前期と比較して大幅増益の見通し
■10.8期実績
 インゴットの販売量は、造船業界の業況悪化により前年同期比8.4%減となったものの、市況環境が良好(円建値ベース前年同期比35.1%増)であったため、売上高は前年同期比13.1%増となった。一方スクラップは、市況環境の良好さに加え、取扱量が前年同期比18.0%増加したことから、売上高は前年同期比68.8%増となった。

 地域別では、インゴットは、造船業界の業況悪化により韓国向けが減少したものの、中国、東・東南アジア、ヨーロッパが増加、またスクラップでは、関東圏、中部圏、中国が増加したものの、韓国、東・東南アジア、ヨーロッパは減少した。

 以上の結果、売上高は前年同期比37.6%の増収、経常利益・当期純利益では前年同期比倍増以上の増益となった。

表1 品目別販売実績(百万円、前期比%)
         10.8期  11.2期
インゴット 21,251 +13.1% 11,233
スクラップ 26,379 +68.8% 15,447
そ の 他  688  -0.6%  325
合   計 48,319 +37.6% 27,005

株式の状況
株式需給面での問題点は、特に見当たらない
 ストックオプションは無く、ベンチャーキャピタルからの出資もない。既存株主の大部分はロックアップの対象になっており、ロックアップのカバー率も十分に高い状態にある。株式需給面での問題点は、特に見当たらない。

A. 発行済み株式数 7,000千株(単元100株、11.4月に1:1,000株式分割後)
B. 公募 972千株(自己株式の処分)、増資によるオーバーアロットメント 310,800株
C. 売出し 1,100千株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 7,310,800株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者15名と法人1社に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は6,000株。

 目論見書での想定発行価格は1,200円で、この価格に基づく自己株式の処分による手取り概算額は約1,072百万円とされている。別に予定されている第三者割当増資による手取り概算額約344百万円と合わせた使途は、短期借入金の返済に約1,290百万円、本社工場の環境改善のための設備資金に126百万円を充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 クロタニのウエブサイトには5月9日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。


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