2229カルビーIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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カルビー(2229 東証)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:食料品

安心感のある大型上場案件
 食品大手として、業績は安定的に推移している。堅調な伸びを示しているともいえる。11.3期業績予想ベースEPS約155円に対して、想定されている公募価格のPERは約13倍となり、ほぼ足元の業績見合いをベースに、若干のプレミアムを上乗せした、適切な価格設定ではないかと思われる。BPSからみても、ちょうど1倍程度となる。

 ここからの上値を望むには、11.3期予想でいえばEPS155円に対して予想配当28円となっている配当性向の低さ(20%以下)を改善できるかがポイントになると思われる。業態、業績等を踏まえると、、配当性向50%はあってもよいのではないか。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 09/3 10/3 10/12 11/3予
売上高(百万円)
137,377
6.6%
146,452

118,343
3.8%
152,000
営業利益(百万円)
4,408
116.3%
9,533

9,094
4.3%
9,944
経常利益(百万円)
4,465
113.6%
9,539

8,859
4.8%
10,000
当期利益(百万円)
2,523
59.2%
4,017

4,789
29.4%
5,200
総資産(百万円)
純資産(百万円)
92,169
53,932
93,657
63,770
96,483
67,459
--
--
株主資本比率(%) 58.5% 68.1% 69.9% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
4.8%
4.7%
10.2%
6.3%
9.2%
7.1%
--
--
発行済株式数 33,500(修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
75
1,610
120
1,904
143
2,014
155
--
配当(円/株) 20 24 -- 28

事業概要
菓子・食品の製造・販売
 カルビーグループは、当社カルビーと、子会社19社(国内10社、海外9社)、関連会社3社で構成され、主としてじゃがいもを原料としたポテトチップス及びポテト系スナック、小麦系スナック、コーン系スナックの製造販売を行っている。スナック菓子のほかに、ベーカリー、シリアル食品の製造販売なども行っている。

 代表的な製品は以下。
1. スナック菓子
■ポテトチップス: 良質のじゃがいもをスライスし、油で揚げたポテトチップスは、パリッとした食感でじゃがいもの美味しさを味わえるよう仕上げている。
■じゃがりこ: ふかしたじゃがいもを加工する独自の製法で、少し堅めの心地よい食感を特徴としている。
■Jagabee: 皮付きじゃがいもを丸ごとスティック状にカットし加工することで、素材本来の味を活かすスナックに仕上げており、独自の製法が独特の食感を実現している。
■かっぱえびせん: 小麦系スナックの代表的な商品である、かっぱえびせんは、日本初のスナック菓子として、昭和39年に発売開始。天然のえびを頭からしっぽまで殻ごと練りこみ、えびの旨みが味わえる。

2. シリアル食品
■フルーツグラノーラ: 焼き上げた玄米、オーツ麦などの穀物に、4種類のドライフルーツとシード(かぼちゃの種など)を加えたフルーツグラノーラは、食物繊維や鉄分、8種のビタミンを摂取することができる。

収支の状況
10.3期は好調に推移、11.3期も当期利益は増益見込み
■10.3期実績
 スナック菓子では、ポテトチップスで、定番製品(うすしお・コンソメパンチ・のりしお)のリニューアルや品揃えの強化とあわせて、TVCFの投入など積極的なマーケティング活動を展開した。また、Jagabeeでは、既存製品での販売地域および販売チャネルの拡大と新フレーバーの市場投入を行った結果、ポテト系スナックの売上高は前連結会計年度実績を上回った。

 コーン系スナックでは国内トップシェアを持つジャパンフリトレーを新規連結したことにより、コーン系スナックの売上高は大きく前連結会計年度実績を上回った。スナック菓子の売上高は、ポテト系スナックおよびコーン系スナックが牽引したことで、前連結会計年度実績を上回った。

 以上の結果、売上高は、食品製造販売事業が増収になったことにより、対前期比+6.6%の増収となった。利益面では、ポテトチップスの販売強化を図るため広告宣伝費を積極的に投下したが、円高の影響による原材料費の減少とコスト削減効果により、経常利益は+113.6%の増益となった。当期純利益は、固定資産除却損1,070百万円、減損損失910百万円等を計上した結果、対前期比+59.2%の増益となった。

 11.3期業績予想では、売上高と営業利益・経常利益では微増の予想となっている。当期利益に関してのみ、前年度に減損損失等を計上したことの反動と思われるが、対前期比での増益幅が大きく見込まれている。

株式の状況
ストックオプションの残高あり、見かけのロックアップカバー率は低い
 発行済株式数約29百万株に対してロックアップ対象が約12百万株と、ロックアップのカバー率がやや低いが、これは第二位株主である提携先外国法人と第三位社員持株会が対象から外れていることによる。特に第二位株主は実質的にロックアップ対象と考えても問題ないはずであり、ロックアップカバー率の低さそのものは、大きな課題ではないと思われる。

A. 発行済み株式数 28,889,250株(単元100株、11.1に1:50株式分割後)
B. 公募 2,815,700株、自己株式の処分7,300株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 1,845,300株(売出し元はベンチャーキャピタル等)、既発株のオーバーアロットメント 600,000株
D. ストックオプション等の残高総数 1,795,000株
 E. うち潜在株式に算入する数 1,795,000株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 33,499,950株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 623千株
既存株主へのロックアップ情報:法人12社と会社関係者等3名に対して180日間。対象株数は約11,757千株。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
05年2月 1,427,500株 1,600円 07年4月〜14年3月
09年6月   367,500株 1,600円 09年7月〜19年6月

 目論見書での想定発行価格は2,100円で、この価格に基づく公募によるカルビーの手取り概算額は約5,882百万円とされている。資金使途は、12.3期中に新宇都宮工場のスナック生産設備に1,300百万円、湖南工場等の生産設備維持・整備等に1,500百万円、営業系等システムに600百万円、関係会社の原材料加工設備に750百万円を充当する予定。残額については借入金の返済に充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 カルビーのウエブサイトには、2月10日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。


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