1909日本ドライケミカルIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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日本ドライケミカル(1909 東証二部)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:機械
日本ドライケミカル(1909 東証二部)

業績は底堅いと見られるものの、上振れ余地も少なそう
 これまでの業績を時系列で見ると、法人税等調整額をマイナス計上したことで膨らんだ10.3期当期利益以外は、ほぼ横ばいまたは微減の傾向にある。事業内容としては、底堅い需要が見込めるはずだが、その一方でアップサイドの余地が無い業態と見える。

 12.3期予想ベースのEPS約260円に対して、想定されている公募価格のPERは約8倍となる。この水準で妥当な評価であり、ここから上値を狙うことは難しいと思われる。12.3期予想の配当は150円あり、想定される公募価格での配当利回りが7%強となり、安定配当狙いとしては、一定の評価ができる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 09/3 10/3 11/3 12/3予
売上高(百万円)
23,624
-9.4%
21,409
-0.8%
21,248
3.6%
22,008
営業利益(百万円)
991
-37.6%
618
19.4%
738
0.0%
738
経常利益(百万円)
1,000
-42.0%
580
25.7%
729
-4.7%
695
当期利益(百万円)
687
104.2%
1,403
-75.6%
343
16.6%
400
総資産(百万円)
純資産(百万円)
11,688
4,291
13,090
4,816
13,901
5,158
--
--
株主資本比率(%) 36.7% 36.8% 37.1% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
8.6%
16.0%
4.4%
29.1%
5.2%
6.6%
--
--
発行済株式数 1,542(修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
445
2,782
910
3,123
222
3,345
259
--
配当(円/株) -- -- 100 150

事業概要
消火・防災設備の設計、製造、販売、施工、保守等
 日本ドライケミカルは、当社日本ドライケミカルと子会社3社から構成されており、各種消火防災設備の設計・施工・保守点検、消火器・消防自動車の製造・販売、防災用品の仕入れ・販売等の防災事業を行っている。

 日本ドライケミカルでは、防災の中でも特に消火に関する事業を広範囲に展開している点が特徴となっている。一般火災に使用する水や、油火災等に使用する泡、水損を嫌う電算・電気室等で使用する消火ガス等、各種消火薬剤に対応した消火器・消火設備のほとんどを自社ブランドで取り扱っており、大型の消火薬剤タンク等の消火設備、各種消火器、消防自動車を自社工場で生産している。

 日本ドライケミカルでは、取り扱う製品、商品、サービスの商流に合わせて、防災設備事業、メンテナンス事業、商品事業、車輌事業の4つの営業種目に区分し、事業所の規模に応じた販売部門を組織している。

 防災設備事業では、建築防災設備、プラント防災設備、船舶防災設備における各種消火・防災設備の設計・施工を行っている。

 建物防災設備では、事務所、会議室等のスプリンクラー設備、電気・機械室のガス系消火設備、 地下駐車場の泡消火設備、立体駐車場のガス系消火設備が主な対象。

 プラント防災設備では、火力発電プラント、石油プラント、石油化学プラントとそれらに関わる工場、倉庫等に設置される設備が対象となり、その他原子力発電プラント、バイオエタノールプラントにも対応している。

 メンテナンス事業では、各種消火・防災設備の保守点検とそこから派生する修繕・回収工事を行っている。

 商品事業では、各種消火器の製造・販売、各種防災用品の仕入れ・販売を行っている。消火器・防災用品の販売については、主に販売代理店を介して行っている。

 車輌事業では、各種消防自動車の製造・販売と消防自動車に積載する動力消防ポンプや電動ホースカー等の製造・仕入れ・販売を行っている。主要な顧客は地方自治体で、購入する消防自動車の多くが古い車輌の交換需要によるものとなっている。

収支の状況
10.3期は減収減益(当期利益を除く)、11.3期実績〜12.3期予想も横ばいに近い印象
■10.3期実績
 売上高では、防災設備事業で2010-11年に完成予定の都市再開発計画等が減少したことの影響により、大型案件の受注が減少した。商品事業で、消火器等の商品売上高は、09年11月に鉄容器製の消火器の破損事故を受けて古い消火器需要が喚起されたものの、世界不況の影響を受けてマンション等の新築物件が減少したこと等により、前期を下回る売上となった。

 以上から、売上高全体では対前期比マイナス9.4%の減収となり、営業利益・経常利益でも減収影響によって減益となったが、繰延税金資産の計上によって法人税等調整額が▲約8億円発生したことから、当期利益では、対前期比でほぼ倍増となった。

表1 営業費目別の販売実績
          10.3期   10.12期
防災 設備 11,967 -15.9%  8,200
メンテナンス 3,877  -3.2%  3,042
商    品 4,065  -3.4%  2,967
車    輌 1,498  +26.7%  736
合    計 21,409  -9.4% 14,916

株式の状況
VCからの出資ウエイトが高いが、その全てがロックアップの対象に
 ストックオプションの残高は無い。ベンチャーキャピタルからの出資が大量にあるが、全てが無ロックアップの対象になっている。

A. 発行済み株式数 1,467,153株(単元100株、09.12に20:1株式併合後)
B. 公募 75,000株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 245,000株(売出し元はベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント 48,000株
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,542,153株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 1,101,060株
既存株主へのロックアップ情報: ベンチャーキャピタル4組合と会社関係者2名に対して180日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は1,117,160株。

 目論見書での日本ドライケミカルの想定発行価格は2,040円で、この価格に基づく公募による日本ドライケミカルの手取り概算額は約143百万円とされている。資金使途は、蓄圧式消火器の製造棟と製造ラインを新設し、生産効率を20%向上させる設備投資に約70百万円を充当し、車輌事業での塗装ブースの移設によって生産効率を50%向上させる設備投資に約72百万円を充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 日本ドライケミカルのウエブサイトには5月27日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。


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