8283Paltac_IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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Paltac(8283 東証、大証)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:卸売業

想定されている公募価格からの上値を追うにはリスクが大きいか
 10.3期業績予想では、経常利益の額に対して通常の実効税率で想定される利益額よりも小さい金額が当期利益として想定されているが、この理由に関しては、特に会社側からコメントされていない。

 業績予想ベースでのEPS約175円に対して、上記の構造が特殊要因による一時的なものであれば、利益水準をもう少し高めに想定したいところだが、理由が明確でないため織り込みにくく、想定されている公募価格に対するPERは上記EPSをそのまま適用して、約13倍となる。

 足元の業績は営業利益・経常利益では伸びてはいるものの、当期利益レベルでの動きがやや不透明であることや、大型上場案件として需給面での期待が持てないこと、等を勘案すると、想定されている公募価格から上値を狙うにはリスクが大きいとみる。


個別データ(08.3期まで連結、肩は対前期比(%))
決算期 08/3 09/3 09/12 10/3予
売上高(百万円)
550,829
32.4%
729,288

573,384
2.2%
745,000
営業利益(百万円)
6,302
12.1%
7,066

7,531
10.4%
7,800
経常利益(百万円)
10,221
18.2%
12,080

11,127
3.5%
12,500
当期利益(百万円)
7,007
2.2%
7,163

5,908
-9.3%
6,500
総資産(百万円)
純資産(百万円)
192,919
67,981
255,252
84,274
292,645
89,062
--
--
株主資本比率(%) 35.2% 33.0% 30.4% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
5.3%
10.3%
4.7%
8.5%
3.8%
6.6%
--
--
発行済株式数 37,236(修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
188
1,826
192
2,263
159
2,392
--
--
配当(円/株) -- 59 -- 44.5

事業概要
化粧品・日用品、一般用医薬品等卸売事業と物流受託事業等
 Paltacグループは、メディパルホールディングスを親会社として、当社Paltacと非連結子会社1社で構成されており、化粧品・日用品、一般用医薬品等卸売事業と、物流受託事業を主たる業務としている。

 卸売事業では、全国のドラッグストア、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ホームセンター等に化粧品・日用品、一般用医薬品等を販売している。事業基盤となる物流については、広域をカバーする大規模ハイテク物流センター(RDC: Regional Distribution Center)を全国に設置し、独自で開発した物流機器を駆使して入庫から出荷までの高品質・ローコスト体制を構築している。

 物流受託事業は、主として販売先の物流センターの運営・管理をPaltacが受託する事業のことで、卸売事業の物流ノウハウを活用し、仕入先から販売先店舗までの物流の効率化に貢献することを目的に事業を運営している。具体的には、受発注、入出庫、在庫管理、配送に至るまでの物流業務を一体化してPaltacが担い、販売先の商品構成、適正在庫、販売予測、店舗作業の標準化、返品・破材・什器の処理等のトータルでの最適物流を考慮したサービス提供を行っている。

情報開示の状況
開示なし
 Paltacのウエブサイトには、2月19日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。
収支の状況
10.3期業績予想は、増収、営業・経常増益、当期減益
 09.3期は、卸売事業で子会社との合併により物流拠点およびシステムの統合を進め、販売先の店舗作業の軽減に貢献できる物流サービス機能の強化を図るとともに、品揃えの強化や化粧品・日用品と一般用医薬品を融合した売場提案等の営業サービス機能の強化を図った。これらを背景に業績は堅調に推移。

 09.12第三四半期では卸売事業の業績は、消費低迷による価格下落などの影響があったものの、新型インフルエンザ流行に伴う予防関連商品の特需や、引続き新商品や季節商材への取組強化を行った結果、堅調に推移したとのこと。物流受託事業の業績も、受託先の安定した事業展開および新規の受託先によって取扱量が増加したことにより、堅調に推移している。

再上場の経緯について
 Paltacの前身パルタックは1988年にジャスダックに上場された後、2005年に上場を廃止し、医薬品卸会社メディセオホールディングス(東証一部上場)との株式交換の方法により経営統合を行い、同社の完全子会社となった。上場廃止、親会社との経営統合後4年以上が経過し、当初の統合目的であった親会社グループ内事業の再構築がほぼ達成された結果、親会社グループ内の事業は、医療用医薬品卸売事業とPaltacの事業フィールドである化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業とに明確に分かれる形となった。

 各事業の異なるステークホルダーに対し、各々の事業内容等についての説明責任を果たし、理解を得ること、また今後更なる競争激化が予想される化粧品・日用品、一般用医薬品卸売業界において競争に勝ち残るため、親会社グループからの独立性を確保し、独自の資金調達、迅速な意思決定のもと、積極的に事業展開を図ることで企業価値を向上させることを目的に、今回再上場することとなった。

株式の状況
当面は、公募・売出し株式以外には流通しない状態に
 親会社が全株式を保有している状態での上場となり、ストックオプションが存在しないこと、ロックアップの対象となっている親会社以外の既存株主がいないことから、当面は公募・売出し分だけの株式しか市中に流通しない見込みとなる。

 ただ、公募・売出しのボリュームは、全発行済株式数に対して半数以上、単位数で見てOAを含めると18万単位以上あり、株式需給がタイトになるとか、公募株式に希少価値が出る、という状態は見込めない。

A. 発行済み株式数 30,235,657株(単元100株)
B. 公募 7,000,000株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 9,000,000株(売出し元は親会社)、既発株のオーバーアロットメント 2,400,000株
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 37,235,657株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報:売出し人である親会社に対して180日間。但し、発行価格の2倍以上での市中売却は可能。

 目論見書でのPaltacの想定発行価格は2,300円で、この価格に基づく公募によるPaltacの手取り概算額は約15,021百万円とされている。資金使途は、13,630百万円をサービス強化のための物流センター建設に伴う設備投資資金に充当し、残額は将来の個々の物流センターの機能強化等に伴う設備資金に充当する予定。


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