2193クックパッドIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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クックパッド(2193 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

足元での業績の伸び率は高く、想定公募価格にも一定の割安感が
 08.4期利益の対前期伸び率は事業立ち上げ時期で特別に高いとしても、09.4期実績と10.4期業績予想での利益項目の対前期伸び率は約30〜50%と高い伸び率をキープする実績・見込みになっている。

 10.4期業績予想ベースでのEPS約260円に対して、想定されている公募価格のPERは約32倍となる。足元の高い利益伸び率を考慮すると、PER30倍強とはいっても、特別に高い印象は受けない。むしろ、ある程度のディスカウントまで織り込まれた想定公募価格になっていると思われる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 07/4 08/4 09/4 10/4予
売上高(百万円)
310
118.3%
677
60.1%
1,084
67.4%
1,814
営業利益(百万円)
113
182.8%
320
28.7%
411
54.1%
634
経常利益(百万円)
113
183.4%
320
28.9%
412
48.4%
612
当期利益(百万円)
62
182.0%
176
36.0%
239
48.3%
355
総資産(百万円)
純資産(百万円)
233
131
549
356
826
595
--
--
株主資本比率(%) 56.5% 64.8% 72.0% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
48.5%
47.5%
58.3%
49.5%
49.9%
40.2%
--
--
発行済株式数 1,347 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
46
98
131
264
178
442
264
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
料理レシピ投稿・検索サイトの運営、企業向けマーケティング支援サービス及び有料会員サービスの提供
 クックパッドでは、インターネット上で料理レシピの投稿・検索が可能な「クックパッド」・「モバれぴ」を、それぞれウエブサイト及びモバイルサイトとして運営している。「クックパッド」・「モバれぴ」の利用者は、日々の献立を決定するにあたってクックパッドのサイトを利用しており、利用者の大半は日常的に料理を行っている20代から30代の女性で、アクセスのピークは夕食時の買い物前の時間と想定される夕方となっている。「クックパッド」の09年5月の月間利用者数は681万人(前年同月比152.5%)となっており、サイト開設以来、利用者によって自主的に投稿・蓄積されたレシピ数は約55万品となっている。

 事業区分は、マーケティング支援事業と、広告事業、会員事業の3区分となっている。

 マーケティング事業では、食品、飲料、家電・調理器具製造・販売事業者、流通事業者等を顧客としており、顧客の扱う商品・サービスの認知度の向上や、利用方法の理解促進などのマーケティング支援を行う目的で、クックパッドのサイト内にタイアップ広告を掲載することで、顧客から収入を得ている。広告は、顧客へ直接販売する場合と代理店、インターネット広告枠を広告代理店に販売する一次代理店であるメディアレップを仲介して行う場合とがある。

 広告事業では、クックパッドのサイトが料理に関連したサイトであるため、利用者が料理を日常的に行っている女性が中心となっていることから、女性を対象として自社製品の認知拡大や自社サイトへの誘導を行いたい広告主に対して、主に広告代理店やメディアレップを仲介して、クックパッドのサイトの広告枠を販売し、広告収入を得ている。具体的には、顧客の扱う商品の認知拡大や顧客サイトへの誘導を目的として、バナー広告の掲載やメールマガジンの配信等を行っている。

 会員事業では、原則無料サービスであるサイトの利用者のうち、より高い利便性を求める利用者に対して、人気レシピ検索とレシピ保存容量の増加のための機能をプレミアムサービス(有料サービス)として提供することで、月額294円の会費収入を得ている。また、その他に、「クックパッド」の認知拡大を目的として、ID登録利用者の投稿レシピを掲載した本の出版によって収入を得ている。
収支の状況
10.4期の対前期比伸び率は、09.4期の伸び率を上回る想定に
 08.4期には、マーケティング支援事業において、既存顧客からの受注金額と広告掲載回数が増加したことで、顧客単価が上昇し、新規顧客では、サイトの月間利用者数・ページビュー数の増加に伴って広告代理店のクックパッドに対する認知が高まり、顧客数が増加した。以上によって、同事業の売上高は、対前期比+約141%の増収となった。

 広告事業では、サイトの月間利用者数・ページビュー数の増加によって広告代理店のクックパッドにたいする認知が高まり、広告出向に関する問合せと広告主の紹介件数が増加した。更に、販売体制を構築して幅広い業種から受注を獲得したことで、広告出稿社数が増加した。以上によって、同事業の売上高は、対前期比+約92%の増収。

 会員事業では、「クックパッド」利用者に対して有料サービスの利便性の告知等を行ったことで、有料ID登録会員数が増加したことによって、売上高は、対前期比+約89%の増収となった。

 以上の結果、サイト「クックパッド」の月間利用者数は08年4月末で3,958千人、同月間ページビュー数は264百万PVとなった。これによって、全体の売上高は対前期比+約118%の増収で、営業利益以下の利益項目では、対前期比で約3倍弱の増益となった。

表1 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%)
              08.4期  09.1 3Q
マーケティング支援 399 +141.6% 463
広         告 214  +92.2% 181
会         員  62  +89.8%  87
合         計 676 +118.3% 732

 09.4期は、対前期比+約60%の増収、+約30%程度の増益となった。10.4期見込みでは、09.4期の対前期伸び率を上回る、+約67%の増収と+約50%前後の増益想定となっている。

株式の状況
ストックオプションはあるものの、特に株式需給上で悪い要素は無い
 ストックオプションの残高があり、その中には、上場直後から行使できる期間設定になっているものがある。但しそのボリュームは大きくなく、その他の要素として、ベンチャーキャピタル等の株式保有もなく、ロックアップのカバー率にも問題ない。株式需給全体としては、特別に悪い状況ではない。

A. 発行済み株式数 1,152千株(07.4に1:20、08.11に1:100の株式分割後、単元100株)
B. 公募 158千株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 159千株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント 10千株
D. ストックオプション等の残高総数 72.6千株
 E. うち潜在株式に算入する数 36.7株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,346.7千株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報:売出人2名に対して180日間。対象株数は1,130千株。但し発行価格の2倍以上での東証等を通じた売却は可能。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
07年4月 36,700株 1,800円 09年4月〜17年4月
08年3月 35,900株 4,800円 10年3月〜18年3月

 目論見書での想定発行価格は8,500円で、この価格に基づく公募によるクックパッドの手取り概算額は約1,223百万円とされている。資金使途は、サービスの安定化に向けたサーバー等設備投資に470百万円、関連費用としてデータセンターの賃借料に435百万円を充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 クックパッドのウエブサイトには、6月15日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場に関するニュースリリースも掲載されていない。


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