3632グリーIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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グリー(3632 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:情報・通信業

2008年12月最大の注目銘柄だが、公開単元数は多く、比較的獲得しやすいIPO
 09.6期業績予想ベースのEPS約140円に対して、想定されている公募価格のPERは約22倍となる。最近のTVCMの増加による会社知名度の高さに加えて、足元で、利益の対前期増加率が約4倍を越える成長性を考慮すれば、現在の市況下でも、十分に評価できると考えられる。

 問題点となりうるのは、売上高で約100億円規模の会社が約40億円の増資を行う大規模なものになる点と、約4万単元が上場時に公開され、人気・知名度の割りに比較的IPOで取りやすい銘柄になる点となる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 07/6 08/6 08/9 09/6予
売上高(百万円)
324
807.9%
2,937

1,980
237.0%
9,900
営業利益(百万円)
-104

1,050

1,397
462.0%
5,900
経常利益(百万円)
-103

1,021

1,395
474.8%
5,870
当期利益(百万円)
-100

583

752
449.3%
3,200
総資産(百万円)
純資産(百万円)
510
370
2,583
953
2,820
1,721
--
--
株主資本比率(%) 72.5% 36.9% 61.0% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
--
--
39.5%
61.2%
49.5%
43.7%
--
--
発行済株式数 23,036 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
--
16.1
25.3
41.4
32.7
74.7
138.9
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
インターネットメディア事業
 グリーは、インターネットメディア事業を展開し、SNS「GREE」の運営を行っている。SNS「GREE」では、プロフィール、日記、コミュニティ、フォト、メールなど、ユーザーによる主体的な情報発信をサポートする各種機能を提供し、ユーザー間のコミュニケーションや相互理解を促すプラットフォームとして機能している。

 「GREE」は、開始当初はPC向けでの提供が中心であったものの、06年11月から開始したKDDIとの事業提携を契機として、現在ではモバイル向けのサービス展開に注力している。

 グリーのインターネットメディア事業の売上げは、広告メディア収入、有料課金収入で構成されている。

 広告メディア収入としては、「GREE」を広告媒体として位置づけ、主に広告代理店・メディアレップを仲介して、インターネット広告枠を販売している。広告主のウエブサイトにリンクを張るバナー広告枠の販売に加えて、SNSの機能と広告コンテンツを連動させたタイアップ型の企画広告の制作・掲載や、成果報酬型(アフィリエイト)の掲載を行うことで、各広告主から広告収入を得ている。また、コミュニティ企画運営受託による収入を得ている。

 有料課金収入としては、サービスの利用に際して、より高い利便性やオリジナリティを求めるユーザー向けに、一部機能を有料サービスとして提供している。ストレージ拡張などの機能追加による月額課金収入や、プロフィールページをカスタマイズできるデザイン性の高い、着せ替えプロフ素材を提供することで、デジタルコンテンツ販売収入を得ている。
収支の状況
前08.6期から黒字決算、09.6期も大幅増収増益の見通し
 08.6期は、ユーザー数の拡大に向けて大手通信事業者との連携を進め、07年8月にソフトバンクモバイルの提供する「Yahoo! ケータイ」の公式コンテンツに採用された。これによって、大手3大携帯キャリアの全てで「GREE」が公式コンテンツとなった。併せて、TVCMを利用したマスプロモーション等にも取り組み、08年6月末の「GREE」ユーザー数は、モバイル・PC合計で554万人となった。

 その他、広告販売の強化や有料課金メニューの拡充などの収益基盤の確立・強化を進めたほか、サイト内の安全性・健全性の維持に関する取り組みを強化した。

 以上の結果、売上高では対前期比で約8倍の増収となり、営業利益以下では、前期までの赤字から、黒字計上となった。

株式の状況
ストックオプションはあるものの、既存株主のロックアップでのカバー率は高い
 ベンチャーキャピタルが出資しているが、その保有株式のうち約半分は上場時の売り出しとして放出される予定、残りはロックアップの対象になっている。ロックアップのカバー率は上場直後の時点で約90%となり、かなり高い状態が予想される。

 ストックオプションの残高がそこそこあり、特に会社草創期に発行されたものについては、驚異的に安い行使価格が設定されている。それ以外のストックオプションは当面の行使は出来ないし、行使可能なものについても、リスクテイクに相応した創業者利得だろう。

A. 発行済み株式数 21,102千株(単元100株、08.8に1:2,000株式分割後)
B. 公募 1,200千株、増資によるオーバーアロットメント 400千株
C. 売出し 2,430千株(売出し元はベンチャーキャピタル1,200千株、残は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 2,106千株
 E. うち潜在株式に算入する数 734千株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 23,036千株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 2,280千株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者2名とベンチャーキャピタル1社、取引先法人2社に対して180日間。但し、発行価格の2倍以上での市中売却は可能。対象株数は21,526千株。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
06年4月 734千株  44円 08年4月〜16年4月
07年6月 806千株 227円 09年6月〜17年6月
08年6月 566千株 487円 10年6月〜18年6月

 目論見書での想定発行価格は3,200円で、この価格に基づく公募によるグリーの手取り概算額は約3,546百万円とされている。資金使途は、売り上げ増に伴う資金、新規会員獲得のための広告宣伝費、人員増加に伴う地代家賃等の運転資金に2,554百万円、残額は、会員数・アクセス数の増加に伴うネットワーク関連設備等の設備資金に充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
11月17日時点で、グリーのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページは設置されていない。



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