4571ナノキャリアIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ナノキャリア(4571 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:医薬品

それなりの信頼感は無くもないが、公募段階での株式取得は、やはりベンチャー投資か
 年間で数回上場される、赤字決算段階での医薬ベンチャーの上場案件となる。例によって、まだ市場投入された商品が無いために、赤字決算となっており、株式価値を評価することが難しい。

 これまでに上場した医薬ベンチャーと比較すると、臨床段階まで開発が進んでいる製品が2つあることと、多くのベンチャーキャピタルがロックアップ対象であり、かつストックオプションの行使価格が高めに設定されている点は評価できる。

 いずれにしても、この段階で市場から資金調達する必要があるのかは、疑問であり、公募での株式取得は一種のベンチャー投資に近いものになると考える。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/3 07/3 07/9中 08/3予
売上高(百万円)
108
-4.1%
103

40
158.9%
268
営業利益(百万円)
-802

-717

-341

-1,156
経常利益(百万円)
-804

-727

-343

-1,186
当期利益(百万円)
-974

-729

-344

-1,188
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,412
1,038
1,992
1,759
1,666
1,415
--
--
株主資本比率(%) 73.5% 88.3% 84.9% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
--
--
--
--
--
--
--
--
発行済株式数 122.963 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
-7,924
8,441
-5,932
14,303
-2,794
11,509
-9,661
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
ナノテクノロジーによる抗がん剤等、医薬品の研究・開発
 水に溶けやすい性質を示すポリエチレングリコールから成る親水性ポリマーと水に溶けにくい性質を示すポリアミノ酸からなる疎水性ポリマーを分子レベルで結合させたブロックコポリマーは、水中で自己会合することによって、外側が親水性ポリマーで、内側が疎水性ポリマーという明確な二重構造を持つ、直径10ナノメートルの高分子ミセル(ミセル化ナノ粒子)を形成する。

 このミセル化ナノ粒子を静脈内に投与した場合、血中に薬物が長時間循環することができ、効果が持続する薬物キャリアとなり、がん組織等の病変部に蓄積・標的化することが判明した。

 ナノキャリアは、ミセル化ナノ粒子の実用化を目的に設立され、合成研究、薬効評価研究、パイロットスケールでの製剤製造に関する研究を行っている。

 ナリキャリアのビジネスモデルは、ミセル化ナノ粒子製造技術を基板として、自社開発、共同研究、ライセンスアウトの3パターンになっている。

 自社開発では、有効性を照明する臨床試験の段階までを自社で実施する計画で、薬物候補の選択と合成、製剤、薬効に関する検討、非臨床試験、臨床試験が主な内容となる。臨床試験で有用性が証明されれば、ライセンスアウトに移行する。現在のナノキャリアのパイプラインのうち、ナノプラチンが該当する。

 共同開発では、ナノキャリアが製剤開発を行い、提携先がその評価を行う。ナノキャリアのパイプラインのうち、キリンファーマとの抗体結合型ミセルが、これに該当する。

 ライセンスアウトでは、提携時に支払われる契約一時金や、開発進捗状況に応じて支払われるマイルストン収入、研究開発協力金の収入がある。また、製品上市後は、最終製品の売上に基づくロイヤリティ収入を得ることが可能。現在のナノキャリアのパイプラインのうち、日本化薬とのパクリタキセルミセル、Debiopharmとのダハプラチン誘導体ミセルが、このビジネスモデルに該当する。

 開発品目ごとの開発ステージは以下。
パクリタキセルミセル: 第II相臨床試験
ナノプラチン: 第I相臨床試験
ダハプラチン誘導体ミセル: 非臨床試験
抗体結合型ミセル: 基礎研究
siRNAミセル: 基礎研究
収支の状況
いまだ営業損失が続く
 07.3期はキリンビール(現キリンファーマ)との共同開発研究契約に基づく研究開発協力金と、エーザイ・Debiopharmからの研究開発協力金収入が発生した。パクリタキセルミセルは第I相臨床試験は終了したものの、第II相が開始されなかったため、これに伴う収入は発生しなかった。一方、ナノプラチンの第I相臨床試験の実施や、ダハプラチン誘導体ミセルのフィジビリティ段階での研究開発費を計上したことで、営業損失を計上した。

 07.9中間期は、前期に続いてキリンファーマとDebiopharmからの研究開発協力金を収入に計上したが、研究開発費でも前期に続いてナノプラチン第I相臨床試験の実施等による費用を計上したことによって、営業損失を計上した。

株式の状況
VC出資比率が高く、ストックオプションも大量だが、当面の影響は比較的小さいか
 医薬ベンチャーでよく見られる株主構造だが、ベンチャーキャピタルの出資ウエイトが高く、また、ストックオプションも大量に付与されている。公募増資前で、ベンチャーキャピタルの出資シェアは80%を超え、ストックオプションの行使による希薄化効果は、約2割となる。

ただ、ベンチャーキャピタルに関しては、ロックアップの対象になっているものが多く、当面の株式需給への影響は比較的小さいと見られる。ストックオプションについても、想定されている公募価格25千円に対して、行使価格は5万円〜約10万円で設定されており、おそらく上場即行使することは難しい価格設定になっている。

A. 発行済み株式数 88,013株(06.3に1:10株式分割後)
B. 公募 30,000株、増資によるオーバーアロットメント 4,950株
C. 売出し 3,000株(売出し元は全数がベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 18,240株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 122,963株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 74,124株、うちロックアップの対象でないものは21,000株強
既存株主へのロックアップ情報: ベンチャーキャピタル・会社関係者等多数の既存株主に対して180日間。但し、発行価格の2倍以上での市場売却は可能。対象株数は65,000株以上。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
02年2月発行 200株 5万円(新株引受権付き社債)
02年1月  4,460株 5万円 04年2月〜11年11月
03年1月   190株 5万円 04年10月〜12年10月
03年8月   270株 5万円 04年10月〜12年10月
03年10月  100株 5万円 04年10月〜12年10月
04年2月   300株 58,378円 06年1月〜14年1月
04年5月  1,340株 58,378円 06年1月〜14年1月
04年7月  7,250株 58,378円 06年1月〜14年1月
04年12月 1,200株 58,378円 06年1月〜14年1月
05年7月  1,050株 58,378円 07年6月〜15年6月
05年9月   500株 58,378円 07年6月〜15年6月
05年10月  650株 58,378円 07年6月〜15年6月
06年2月   50株 101,249円 07年6月〜15年6月
06年2月   300株 101,249円 08年2月〜16年1月
06年6月   250株 101,249円 08年2月〜16年1月
07年1月   80株 101,249円 08年2月〜16年1月
07年5月   250株 6万円 09年3月〜17年3月

 目論見書での想定発行価格は25千円で、この価格に基づく公募によるナノキャリアの手取り概算額は、約664百万円とされている。資金使途は、ナノプラチンの臨床開発やパイプライン拡充のための研究開発資金に充当する予定。具体的には、ナノプラチンに関連する海外・国内での治験費用に571百万円、ダハプラチン誘導体セルの研究開発費用に93百万円を充当する予定。

情報開示の状況
実質開示はまだ
 ナノキャリアのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページは設置されているが、2月1日時点でコンテンツは掲載されていない。



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