3623ビリングシステムIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ビリングシステム(3623 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:情報・通信業

ストックオプション行使価格まで到達するか
 インターネットを介した決済サービスを取り扱っており、成長が十分期待できる事業分野。08.12期の業績予想ベースでの法人税負担を考慮したEPSは約7,200円となり、想定されている公募価格のPERは約16倍となる。

 08.12期はスタートしたばかりで進捗状況がわからないため、この業績予想が達成できるのかは不透明だが、業績はともかく、成長性は高く評価される可能性が高い。ベンチャーキャピタルの売却圧力が高いと考えられる点はリスクだが、公募価格の倍程度には評価される可能性はある。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/12 07/6中 07/12 08/12予
売上高(百万円)
440

296
42.8%
628
61.3%
1,013
営業利益(百万円)
24

63
344.3%
105
107.6%
218
経常利益(百万円)
19

62
442.0%
102
100.0%
204
当期利益(百万円)
18

62
465.2%
101
101.0%
203
総資産(百万円)
純資産(百万円)
590
506
829
679
880
748
--
--
株主資本比率(%) 85.7% 81.9% 85.0% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
3.2%
3.5%
7.5%
9.1%
11.6%
13.5%
--
--
発行済株式数 16.857 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
1,060
30,030
3,670
40,277
5,992
44,385
12,042
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
ASP形式による決済サービスの提供及びコンサルティング
 ビリングシステムは、企業の決済作業とキャッシュフローの効率化をサポートする業務受託事業とコンサルティング事業を行っている。

 業務受託事業では、企業の財務活動での回収業務、支払業務、資金繰り業務の効率化を支援するサービスをインターネットを通して提供している。

具体的には、企業が決済等を行うために必要な決済情報を伝達する情報処理機能や、決済に付随する業務支援機能をビリングシステムが持ち、金融機関等各種決済機関との接続機能を持った決済プラットフォームを構築し、決済等の各種機能や処理代行をASPサービスとして提供している。

決済プラットフォームの主なサービスは以下の通り。
・ インターネットを利用した個人投資家の株式の売買、為替・金融先物取引に付随する銀行口座、証券口座間の資金移動をリアルタイムでサポートするクイック入金サービス。

・ 通販事業者等の持つクレジットカードやコンビニエンスストア、金融機関のインターネット振込みやATM支払等の決済情報を、ECサイトに接続して一括して代金回収の代行を行う収納代行サービス。

・ ジャパンネット銀行と連携して、消費者金融等から送金金額や送金先のデータを受け入れてビリングシステムから決済情報を伝送する、即時送金の代行サービス。大塚商会と連携した支払代行機能サービス。

・ 回収期日・支払期日の差を利用した、企業の資金繰りへの対応を行うファイナンスサービス。

 コンサルティング事業では、決済プラットフォームの利用を前提とした決済サービスの開発と決済関連業務の効率化を支援するコンサルティング業務を行っている。
収支の状況
法人税の実質負担は当面先になりそう
 06.12期は、オンライン証券、外国為替証拠金取引業者等に提供しているクイック入金サービスが対前期比+約98%増加し、主に物販業者等に提供している収納代行サービスが対前期比+約72%の増収となった。これによって、売上高全体では、対前期比+約50%の増収、営業損益では前期の赤字から黒字化した。

 07.6中間期についても、決済取次ぎ件数は堅調に推移し、特に証券会社・外国為替証拠金取引等金融先物取引業者に提供しているクイック入金サービスが好調に推移している模様。

表1 事業別販売実績(百万円、前期比%)
           06.12期  07.6中
業務受託事業  337 +70.8% 226
コンサルティング 102  +8.1% 69
合       計 439 +50.4% 295

 07.12期末の繰越欠損金は約728百万円の見込み。08.12期の業績予想では約60%の増収、倍の増益が見込まれているが、08.12期も繰越欠損金が完全解消しない見通しのようで、実質的な法人税負担が織り込まれていない。

株式の状況
ロックなしVCの保有ウエイトが高い点に注意要
 ベンチャーキャピタルの保有シェアが高い。更にベンチャーキャピタルは全てロックアップ対象からはずれている点には、注意が必要。ロックアップの対象者は会社関係者のほか、取引先等となっており、元々彼らに対してロックが必要かどうかは疑問でもある。

 ストックオプションについては、行使価格が想定されている公募価格の倍近くなっているので、行使できるのかどうかは微妙なところ。行使可能な期間には既に入っていることから、潜在株式として下記では算入した。

A. 発行済み株式数 13,203株(07.4に504株第三者割当増資後)
B. 公募 2,000株、増資によるオーバーアロットメント 300株
C. 売出し 0株、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 1,354株
 E. うち潜在株式に算入する数 1,354株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 16,857株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 5,387株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者6名と法人4社に対して180日間。対象株数は6,137株。また、07.4に実施された第三者割当増資(504株、発行価格22万円、割当先は大塚商会と社員持ち株会)は上場後6ヶ月間の保有確約の対象。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
01年9月 220株 252,783円 03年10月〜08年12月
05年3月 346株 160,000円 07年3月〜15年3月
06年3月 788株 200,000円 08年3月〜16年3月

 目論見書での想定発行価格は11万円で、この価格に基づく公募によるビリングシステムの手取り概算額は約184百万円とされている。資金使途は、サーバー等のハードウエア投資とソフトウエア開発等の設備資金に140百万円を充当し、残額は設備資金に充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 ビリングシステムのウエブサイトには2月19日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場承認のニュースリリースもない。



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