3620デジタルハーツIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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デジタルハーツ(3620 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:情報・通信業

2008年のスタートに適したグロース銘柄
 家庭用ゲーム市場と携帯コンテンツ市場を中心に着実に業績が向上している。08.3期業績予想ベースのEPS約8千円に対して、想定されている公募価格のPERは約22倍。

 最近のIPO市場は厳しい状況になっているが、その中でもグロース銘柄に関しては、人気が高い状態とみられる。そうした中では、デジタルハーツについても、高い評価がされる可能性があり、想定PER22倍の水準には比較的割安感がある。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/3 07/3 07/9中 08/3予
売上高(百万円)
922
62.7%
1,500

975
48.6%
2,228
営業利益(百万円)
109
110.2%
230

100
28.7%
296
経常利益(百万円)
109
111.4%
230

100
21.1%
278
当期利益(百万円)
77
77.1%
137

50
21.6%
166
総資産(百万円)
純資産(百万円)
451
206
686
372
745
422
--
--
株主資本比率(%) 45.7% 54.2% 56.6% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
24.1%
37.5%
33.4%
36.7%
13.4%
11.8%
--
--
発行済株式数 19.885 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
3,878
10,353
6,868
18,702
2,508
21,210
8,348
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
家庭用ゲームソフト等のソフトウエア全般の不具合検出サービス等
 デジタルハーツは、ソフトウエアの開発会社に対して、デバッグサービスを提供する事業を行っている。ソフトウエアには、仕様の設計ミスや製作過程でのプログラミングミス等によって不具合が発生する可能性があるため、ソフトウエア開発会社では品質保持・品質向上の観点から、これらの不具合を発売前に検出・除去する必要がある。デジタルハーツでは、ソフトウエアの動作テストを通じて不具合を検出・報告するサービスを提供しており、これをデバッグサービスと呼んでいる。

 デジタルハーツでは、07年3月時点で総計18万件以上の不具合事例をデバッグ対象分野ごとにデータベース化しており、これらの蓄積された不具合事例に基づいて、専門教育を受けたテスターが、エンドユーザーの視点からサービスを提供している。

 デジタルハーツの事業部門は、コンシューマーゲームリレーション事業部門、モバイルリレーション事業部門、アミューズメント機器リレーション事業部門に3区分される。

 コンシューマーゲームリレーション事業部門では、主として家庭用ゲームソフトウエアの不具合抽出を目的としたテストを行っており、具体的には、コンシューマーゲームのデバッグと、会計ソフト・電子玩具・家電製品等組み込み型ソフトウエアのデバッグを行っている。

 モバイルリレーション事業部門では、アプリ検証・サイト検証・素材ダウンロード検証・移動機評価など、携帯電話の主要キャリア向けに配信されるコンテンツの不具合を抽出するサービスのほか、携帯電話本体に組み込まれたソフトウエアの評価サービスを提供している。

 アミューズメント機器リレーション事業部門では、パチンコ・パチスロ機等の遊技機に係わる、グラフィックチェックや動作チェック、テストプレイなどのデバッグサービスを行っている。

情報開示の状況
開示なし
 12月26日時点で、デジタルハーツのウエブサイトには投資家向け情報開示のページは設置されていない。関連情報としては、上場承認に関するニュースリリースが掲載されているだけの状態。
収支の状況
季節要因を考慮すると、08.3期予想に向けての進捗は悪くない
 07.3期は、コンシューマーゲームリレーション事業部門で、従来からの据置型ゲーム機をプラットフォームとするゲームソフトに加えて、携帯型ゲームソフトのデバッグの受注に注力したことで、売上高は対前期比+約41%の増収。

 モバイルリレーション事業部門では、第三世代以降の端末の普及率が急速に拡大し、デジタルコンテンツの市場規模が拡大したことを受け、大手コンテンツプロバイダーからの受注やデバッグサービスの派生サービスである移動機評価サービスの提供に注力したことで、売上高は対前期比+約107%の増収となった。

 アミューズメント機器リレーション事業部門では、名古屋エリアに開発拠点を置く新規顧客の開拓やデバッグ周辺業務としての解析業務の受注に取り組んだことで、売上高は対前期比+約75%の増収となった。

 以上から、売上高全体では、対前期比+約62%の増収となり、売上高の増加に伴って、経常利益も対前期比+約111%の大幅な増益となった。

表1 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%)
07.3期   07.9中
コンシューマーゲーム  768  +41.6% 589
モバイルリレーション   425 +107.7% 190
アミューズメント機器   305  +75.3% 194
合          計 1,499  +62.7% 975

 業績の季節変動に関して、デジタルハーツでは、売上高の過半をコンシューマーゲーム関連が占めているが、この分野の売上・利益は、年末商戦に向けた顧客企業のソフトウエア開発時期などに起因して、第三四半期に集中する傾向にある。

 08.3期通期の業績予想に対する中間期の進捗率は50%に届いていない状況だが、上記の季節変動要因を考慮すると、達成ペースとみられる。当面の業績は、携帯コンテンツ市場の拡大等によって、高い伸び率が期待できそうな状況とみる。

株式の状況
ストックオプションはあるものの、VCからの出資は無し
 ロックアップの対象となる株主はいないものの、ベンチャーキャピタルからの出資はない。また、売出人でもある筆頭株主のシェアが非常に高いものの、大量に売却して実質支配権を手放すことは考えにくいため、他の会社関係者の換金売りが一巡すれば、株式需給には特に課題はないと想定する。

A. 発行済み株式数 16,680株(06.2に1:10、06.12に1:2株式分割後)
B. 公募 2,000株、増資によるオーバーアロットメント 525株
C. 売出し 1,500株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 706株
 E. うち潜在株式に算入する数 680株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 19,885株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報: なし。但し、06年7月と11月に実施された第三者割当増資(計128株、割当先は会社関係者と金融機関)は上場後6ヶ月間の保有確約の対象。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
06年3月 680株 8千円 08年4月〜14年3月
06年10月 26株 115千円 08年11月〜14年10月

 目論見書での想定発行価格は185千円で、この価格に基づく公募によるデジタルハーツの手取り概算額は約329百万円とされている。オーバーアロットメントによる第三者割当増資の手取り額約89百万円とあわせた資金使途は、営業所開設のための設備資金に約79百万円、社債償還のための資金に50百万円、残額を運転資金に充当する予定。



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