8729ソニーフィナンシャルホールディングスIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ソニーフィナンシャルホールディングス(8729 東証)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:保険業

グローバルオファリング用の資料も個人向けに開示して欲しいところ
 08.3期業績予想ベースのEPS約7千円に対して、想定されている公募価格のPERは約60倍となる。日本国内では、生保・損保・銀行業併営のコングロマリット型上場企業は珍しく、他社比較は難しいが、感覚的には、この株価水準で評価するためには、今後相当な利益の伸びが確実に見込まれている必要があると考える。

 足元では、銀行業で負債金利の上昇や生保業で不払いの問題など、ネガティブ要因もある中で、逆に損保では黒字化に成功するなど、3事業分野で確実に利益成長しているとは言える。それでも、ここまでのバリエーションで評価することは難しい。

 現在想定されている公募価格で上場するのであれば、今後の事業戦略や収支予想について、もう少し詳細な説明が欲しい。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/3 07/3 07/6 1Q 08/3予
経常収益(百万円)
758,711
0.1%
759,280

213,209
5.9%
804,000
経常利益(百万円)
25,377
-27.7%
18,354

13,406
41.7%
26,000
当期利益(百万円)
11,537
-13.7%
10,021

7,312
49.7%
15,000
総資産(百万円)
純資産(百万円)
3,917,048
263,040
4,323,780
270,179
--
--
--
--
株主資本比率(%) 6.7% 6.2% -- --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
0.6%
4.4%
0.4%
3.7%
--
--
--
--
発行済株式数 2,175 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
5,304
120,938
4,607
124,220
3,362
--
6,897
--
配当(円/株) 3,095 3,095 -- --

事業概要
生命保険業、損害保険業、銀行事業
 ソニーフィナンシャルホールディングスは、連結子会社であるソニー生命保険、ソニー損害保険、ソニー銀行等の経営管理とそれに附帯する業務を行っている。07年6月には、ソニー銀行の100%子会社であるソニーバンク証券を設立した。ソニーバンク証券は08.3期から連結子会社になる予定。

 ソニー生命では、ライフプランナー(営業社員)、代理店によるコンサルティングを通じて、死亡保障・第三分野を中心にフルラインで提供している。また、07年8月には、日本国内における個人年金保険専門の生命保険会社の設立に向けて、オランダのAEGONとの合弁による準備会社を設立した。

 ソニー損保は、インターネットや電話を使ったダイレクト保険会社として、リスク細分型の自動車保険と、医療保険を主に販売している。

 ソニー銀行では、インターネット上のウエブサイトを通じて、円預金の他、外貨預金、住宅ローン、投資信託などを取り扱っている。

株式の状況
公募・売り出しの対象以外は全株式がロックアップ
 既存株主は親会社だけであり、ベンチャーキャピタルの出資やストックオプションはない。唯一の既存株主がロックアップの対象になっているので、公募・売り出し以外の株式は、当面は市中流通しないことになる。

本件は大規模なIPOになり、グローバルオファリングが予定されている。海外での売り出しについては、下記の売り出し株数のうち326千株を目処に行う予定。

A. 発行済み株式数 2,100千株
B. 公募 75千株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 725千株(売出し元は親会社ソニー)、既発株のオーバーアロットメント 70千株
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,175株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報: 親会社ソニーに対して180日間。

 目論見書での想定発行価格は415千円で、この価格に基づく公募によるソニーフィナンシャルホールディングスの手取り概算額は29,682百万円とされている。資金使途は、子会社への投融資に全額充当される予定。子会社での具体的な資金使途は、ソニー生命保険で、AEGONと共同で設立を予定している個人年金保険会社への出資に16,500百万円を充当し、残額は、ソニー生命・ソニー損保、ソニー銀行でのシステム投資等に充当する予定。

情報開示の状況
実質的に開示あり
 ソニーフィナンシャルホールディングスのウエブサイトには9月5日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。ただ、財務情報として、決算公告とアニュアルレポート、決算説明資料が掲載されている。株式公開関連のFAQも掲載されており、投資家向けとは銘打っていないものの、実質的な開示水準は高い。
収支の状況
08.3期の経常収益は微増の予想の一方、大幅増益の見通しだが、07.3期の減益反動
 07.3期は生命保険事業では、ライフプランナー営業部門で支社の統廃合・分割を実施し、前期末83支社に対して、当期末では84支社、ライフプランナーの在籍者数は前期末3,826名から、当期末3,776名となった。

 代理店営業部門では、ライフプランナーOB営業部を廃止したことを背景として、前期末の8営業部26拠点から、当期末7営業部25拠点、代理店の当期末登録数は2,186店となった。

 期中ではライフプランナーや代理店数の減少があったものの、新契約高が前期比+1.1%と堅調に推移し主力の個人保険からの保険料収入が増加したこと、介護保障商品などの新商品が販売好調だったことを受けて、個人年金保険からの保険料収入が増加したことによって、保険料等収入は対前期比+4.3%の増収となった。

 一方で、資産運用収益は、株式相場が大幅に上昇した前期に比べて、特別勘定資産運用益が減少したこと等によって、前期比マイナス27.4%となった。以上から、経常収益は、対前期比マイナス1.0%の減収となった。

 費用面では、前期と比較すると保険金等支払い金は当期に満期を迎えた契約が前期よりも減少したことで減少したものの、責任準備金の積み増しが増加した。この結果、経常利益では、対前期比マイナス38.9%の減益となった。

 損害保険事業では、地上波によるテレビ広告の展開やデータベースマーケティングの強化等によって、主力の自動車保険の元受正味保険料が対前期比+10.2%増加した。経常収益は、前期と比較して約53億円の増収となった。経常収益の増加に伴って、経常利益は前期比約28億円の増加となり、経常利益・当期利益では、従来は赤字決算であったが、07.3期に黒字化した。

 銀行事業では、07.3期には、モバイルバンキングの取扱を開始、GEコンシューマー・ファイナンスと提携して新たなカードローンの取扱を開始、セブン銀行と提携して、セブンイレブン等に設置されているセブン銀行ATMを原則24時間、手数料無料で利用可能としたほか、投資信託の取扱ファンドは2銘柄増加させた。

 この結果、07年3月末の預かり資産は対前期末比+25.7%増加、口座数は対前期末比6.1万件増の49.1万件となった。貸出金は対前期末比+18.9%増加し、このうち住宅ローン残高は同18.6%増となった。

 経常収益は有価証券利息配当金と貸出金利息が対前期で増加したものの、経常費用で預金金利利息が前期と比較して+69.1%と大幅に増加したことから、経常利益は対前期比マイナス39.2%となった。

表1 07.3期セグメント別利益率(百万円、%)
       生保  損保  銀行   連結
経常収益 689,871 51,020 19,470 759,280
経常利益  14,888  2,044  1,354  18,354
利 益 率    2.2%  4.0%   7.0%   2.4%

 08.3期の業績予想では、生命保険事業では、保有契約高の増加とされに伴う保険料等収入と保有契約年換算保険料が増加すると見込まれている。一般勘定の運用利回りは低下すると見込んでいるが、基礎利益上の運用収支等の利回りは上昇する想定で、平均予定利率の低下によって、逆ザヤは減少する見通し。

 損害保険事業では、前07.3期に引き続いて保有契約件数を増加させ、正味収入保険料は増加する見通し。銀行事業でも、預かり資産の残高・貸出金残高ともに、前期末から増加することを見込んでいる。

 以上によって、経常収益では対前期比で数%の増収を見込み、経常利益・当期利益では、同+40%以上の大幅な増益を見込んでいる。

 なお、07.3期はその前の06.3期に対して減益決算だったため、08.3期予想の対前期での増益率が高いとはいえ、06.3期と比べれば、実質的には微増益とも言える範囲になる。

【保険金の不払い問題について】
 生命保険・損害保険の不払案件の調査等については、順次調査を行っている模様。損害保険では、ソニー損保で02年4月から05年6月を対象期間とする付随的保険金等で、総計3,078件、17,408万円の支払漏れを確認済み。63件を除いて調査を完了しており、未完了の63件での支払い総額は数百万円程度に納まる模様。

 また、ソニー損保では、第三分野商品の保険金支払いの判定方法が不適切だったもの4件、保険金856万円が判明、火災保険の保険料誤り21件、総額360万円が判明しているが、いずれも金額は業績に影響を与える規模ではない。

 生命保険に関しては、ソニー生保で243件・金額1,881万円の支払い漏れ等が判明している。このほか、支払が不足していた事案に該当する可能性があり、医療機関に確認しているものが242件、請求案内すべき事案に街頭する可能性があり、確認中のものが3,490件あり、現在再検証している。調査が完了し、支払い漏れに該当しないものはこのうち約8割となっている。



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