2163アルトナーIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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アルトナー(2163 JASDAQ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

特に死角は見当たらず、成長性もあるものの、業態はやや地味な印象
 顧客企業へ派遣する従業員を増やせば仕事があるという単純なものではないと思うが、足元では要員数を拡大することで、業績が順調に拡大するというシンプルな構図になっている。

 08.1期業績予想の達成度も高いと見られ、この業績予想ベースのEPS約240円に対して、想定されている公募価格のPERは約8倍に留まる。

 最近ではコンプライアンス上の問題が発生している業界ではあるが、業界大手のPERが15倍前後であることからスタートして、アルトナーの成長性と小規模企業・新興マーケットからの上場としてのディスカウントを考慮し、PERで10〜12倍の2,500円強が当面の価格水準と想定する。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/1 07/1 07/7中 08/1予
売上高(百万円)
3,481
22.2%
4,253

2,380
18.7%
5,049
営業利益(百万円)
129
140.2%
310

191
33.0%
413
経常利益(百万円)
101
184.8%
289

189
38.4%
400
当期利益(百万円)
35
329.3%
150

110
41.1%
212
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,497
297
1,704
520
1,659
601
--
--
株主資本比率(%) 19.6% 30.6% 36.2% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
6.8%
11.9%
17.0%
28.9%
11.4%
18.3%
--
--
発行済株式数 887.72 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
39
331
169
586
124
677
239
--
配当(円/株) -- 375 -- --

事業概要
機械設計、電気・電子設計とソフトウエア開発に関する技術者の人材派遣に特化したテクニカルアウトソーシング事業
 アルトナーは、主として設計技術者の人材派遣に特化したテクニカルアウトソーシング事業を、宇都宮・東京・横浜・名古屋・大阪の事業所を拠点として行っている。

 テクニカルアウトソーシング事業では、設計技術者を通じて、主に自動機械、工作機械、理化学機器等の設計業務、輸送機内装・外装、家電製品の設計業務等の機械設計と、電気電装設計や清算技術開発業務、電子機器全般に組み込まれる電子回路の設計業務などの電気・電子設計、電子機器全般を制御するソフトウエアの設計業務などのソフトウエア開発を提供して、顧客企業の設計開発部門を支援している。

 顧客企業と取り交わす契約には、「派遣契約」と「請負契約」があるが、アルトナーでは主として「派遣契約」を顧客と締結することで、事業を展開している。ただし、一部の顧客には、「請負契約」を締結している。

情報開示の状況
開示なし
 アルトナーのウエブサイトには9月25日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。


収支の状況
08.1期も前期に続いて増収増益の見通し、中間期の進捗も問題なさそう
 07.1期は、電気機器・輸送機器・精密機器関連業界を中心に受注が増加し、新卒者の大量採用・研修を行い、更に全社平均稼働率は対前期比でマイナス1.4ポイントながらも97.0%と高い稼働率を維持した。これらによって、売上高では、機械設計で対前期比+約13%の増収、ソフトウエア開発で前期比+約656%の大幅な増収となった。売上高全体では、対前期比+約22%の増収。

 売上高の増加に応じて、営業利益以下の利益項目では、対前期比+約140%以上の大幅な増益となった。

表1 職種別の販売実績(百万円、前期比%)
                    06.1期   07.1期
  機 械 設 計         1,785 2,026 +13.5%
  電気・電子設計        1,598 1,625  +1.7%
  ソフトウエア開発         79   601 +656.1%
テクニカルアウトソーシング計 3,463 4,253 +22.8%
その他の事業            17    --    --
合       計         3,480 4,253 +22.2%

 08.1期業績予想では、新卒社員技術者の採用を増加させ、既存社員技術者の契約単価アップと高稼働率を維持することを織り込んで、対前期比+約18%の増収の見通し。

利益項目では、社内体制強化のための管理系社員の増加による人件費の増加や新入社員の教育研修費の増加があるものの、売上高の増加に応じて、対前期比で30-40%の増益の見通しとなっている。

 通期の業績予想に対する中間期の進捗状況をみると、売上高・利益ともに半分に達していないものの、下記の季節変動要因を考慮すると、通期見通しの達成には特に問題は無さそうに見える。

 業績の季節変動については、上期に4月の学卒新入社員が入社して約3ヶ月の新入社員教育を行うことでのコストアップ、下期には新入社員の配属によって稼動人員が増加し、派遣社員の稼働率が上昇することがあるため、下期に偏重する傾向にある。

 06.1期と07.1期の実績では、売上高では上期対下期の割合は47:53程度だが、営業利益・経常利益では20-25:80-75と、相当下期にウエイトがかかっている。

株式の状況
ストックオプションとVC保有の影響は大きくなさそう
 出資しているベンチャーキャピタルはロックアップの対象で、上位の既存株主では唯一ロックアップの対象になっていない従業員持株会は保有確約の対象になっている。ストックオプションの未行使残高も大きいものではなく、株式受給に関しては、特に問題点はない。

A. 発行済み株式数 782千株(単元100株、07.6に1:4株式分割後)
B. 公募 100千株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 100千株(売出し元は会社関係者60千株、残はベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント 30千株
D. ストックオプション等の残高総数 5,720株
 E. うち潜在株式に算入する数 5,720株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 887,720株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 80千株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者7名とベンチャーキャピタル1社に180日間。対象株数は、670,656株。また、06年10月に実施された第三者割当増資(分割考慮後で20千株、割当価格750円、割当先は従業員持ち株会)は上場後6ヶ月間の保有確約の対象。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
05年6月 5,720株 650円 07年7月〜12年6月

 目論見書での想定発行価格は2,000円で、この価格に基づく公募によるアルトナーの手取り概算額は約174百万円とされている。資金使途は、設備投資資金として派遣技術員の労働時間等の管理システムへの投資に70百万円、本社・事業所の半期開設・増床・移転に伴う建物附属設備の購入等に59百万円を充当する予定。残額は、借入金の返済に充当する。

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