6409キトーIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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キトー(6409 東証)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:機械

現時点では公募価格以上には評価しにくい
 08.3期業績予想を含めて、足元の状況は増収増益トレンドを維持している。しかし、正直なところ、目論見書を見る限り、なぜ好調な業績になっているのかは理解しにくい。

 08.3期業績予想ベースのEPS約24千円に対して想定されている公募価格のPERは約17倍となる。再生銘柄としてディスカウント評価される可能性がある点と、上記の理由を考えると、想定されている公募価格以上には、現時点では評価しにくい内容。

 上場半年後には、過去に同社のMBOを引き受けた投資ファンドに対するロックアップが終了するので、以降はファンドの売却リスクも考慮する必要がある。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/3 07/3 07/9中予 08/3予
売上高(百万円)
26,904
18.2%
31,795

16,385
12.1%
35,630
営業利益(百万円)
3,562
24.0%
4,418

2,342
18.1%
5,220
経常利益(百万円)
3,653
23.7%
4,519

2,379
14.6%
5,179
当期利益(百万円)
2,308
20.8%
2,788

1,599
18.2%
3,296
総資産(百万円)
純資産(百万円)
25,637
11,488
29,671
15,185
--
--
--
--
株主資本比率(%) 44.8% 51.2% -- --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
14.3%
20.1%
15.2%
18.4%
--
--
--
--
発行済株式数 137.117 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
16,831
83,779
20,332
110,745
11,662
--
24,038
--
配当(円/株) -- -- 3,000 6,000

事業概要
巻上機及びクレーン等の製造、販売
 キトーグループはキトーと子会社11社で構成されており、主な事業内容は、巻上機・クレーン等の製造・販売となっている。

 販売体制は、国内は代理店制度を採用して、主に特約代理店傘下の販売店の一般流通ルートを通じて供給している。海外では、関連子会社と海外代理店を通じて販売している。

 製品別では、顧客ニーズの最大公約数を規格化した見込み生産品である標準製品と、顧客の荷役の内容や環境条件によって異なるニーズをとらえてオリジナル設計をした特殊製品に分類される。また、その他に部品の提供やメンテナンス等のアフターサービスを行っている。

 キトーは元来店頭登録による株式公開を行っていたが、バブル崩壊以後に業績が悪化したことから、2003年にカーライル・グループが出資し、株式非公開化によるMBOを行った。

情報開示の状況
開示なし
 キトーのウエブサイトには7月11日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。過年度の決算概要が開示されているに留まっており、上場承認関連のニュースリリースも掲載されていない。
収支の状況
詳細は不明だが、増収増益基調
 07.3期は、国内販売では、主力製品である電機チェーンブロック、レバーブロック、手動チェーンブロックなどのシェア拡大に注力した。海外では、北米市場で風力発電業界への拡販施策を展開したほか、中国では半導体向けクリーンルーム用クレーン製品の製造を開始した。

 以上の結果、売上高では対前期比+約18%の増収、営業利益以下の利益項目でも対前期比+20%以上の増益となった。

表1 07.3期 品目別の販売実績(百万円、前期比%)
標準製品 23,752 +17.7%
特殊製品  6,660 +26.8%
その他    1,381  -5.4%
合  計  31,794 +18.2%

 08.3期業績予想でも、07.3期ほどの対前期伸び率ではないものの、堅調な増収増益の見通しになっている。ただし、現在の段階では第一四半期の状況も確認できないため、達成確度の点では若干割り引いて考えておいたほうが無難かもしれない。

株式の状況
上場半年後以降の投資ファンドの動向には注意要
 キトーは投資ファンドによるMBOを過去に実施した関係で、ファンドの持ち高が大きくなっている。一部は上場時の売り出し対象になっているが、この売り出し完了後にも、約60万株を保有している計算になる。ロックアップ対象にはなっているので、上場後の6ヶ月間は考慮不要だが、長期保有の場合には、この全数が市場売却されるリスクを織り込む必要がある。

 これに対して、ストックオプションに関しては、希薄化効果は大きいものではない。

A. 発行済み株式数 132,993株(05.6に1:2株式分割後)
B. 公募 0株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 47,694株(売出し元はベンチャーキャピタル42,724株、会社関係者4,970株)、既発株のオーバーアロットメント 7,153株
D. ストックオプション等の残高総数 4,124株
 E. うち潜在株式に算入する数 4,124株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 137,117株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 108,283株
既存株主へのロックアップ情報: 投資ファンド2社に180日間。対象株数は108,283株。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
04年3月 2,212株 25千円 06年3月〜14年2月(07.7行使分を除く)
05年3月 1,088株 55千円 07年3月〜15年2月
05年3月  824株 55千円 06年3月〜14年3月

 目論見書での想定売出し価格は40万円。配当政策は連結での配当性向20%以上を目処としている。



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