IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
トリケミカル研究所(4369 大証ヘラクレス)IPO |
7月6日赤字部分を修整 話は配当が実施されてからか 07.1期は半導体業界が好調だったことを背景に増収、大幅な増益の決算だったが、08.1期では前期ほどではないが、10%を超える増収増益見通しになっている 07.1期ほどの目覚ましい伸び率から、08.1期には安定軌道に入ると考えると、08.1期ベースのEPS約30円に対して、PER18倍で想定されている公募価格には、適度なディスカウントが織り込まれていると考える。 業績予想で配当の計画が無いようになっているが、まずはある程度の配当性向で配当を開始してもらいたいところ。 連結データ(肩は対前期比(%))
トリケミカル研究所グループは、当社トリケミカル研究所と連結子会社1社、持分法適用関連会社2社から構成されており、半導体メーカー向けの高純度化学薬品の開発・製造・販売を行っている。 半導体デバイス製造では、シリコンのウエハ上に複雑な電子回路を構成するために、ウエハプロセスと呼ばれる工程を経て作られている。その中で、化学反応を利用した加工がなされており、トリケミカル研究所の製品は、 ・ 主にウエハの表面上に薄膜を化学反応を用いて堆積させる「CVD」 ・ 薄膜の不必要な部分を腐食させて削り取る「エッチング」 ・ ウエハ上にトランジスタやダイオード等を作るためにウエハの内部に不純物を注入させる「拡散」 などの工程で用いられている。 トリケミカル研究所の製品は主に上記の3種類で、その製造・開発の過程で、化学関連法規をクリアーした化学薬品輸送用タンクの設計・販売や、新規薬品の受託合成、共同開発高純度化学薬品の開発と薬品を用いたCVDに係わる受託実験、化学薬品の物性調査や分析などのサービスの4つの作業を付加することで、製品の高付加価値化と他社との差別化を図っている。 |
07.1期はデジタル家電等の需要拡大を背景として、半導体業界が世界的に好調であったことで、台湾・米国を中心に販売が増加し、売上高では対前期比+約29%の増収となった。この増収を受けて、経常利益以下の利益項目では、対前期比で倍増以上の増益。 08.1期の業績予想では、
ベンチャーキャピタルの保有ウエイトが高く、更にストックオプションの未行使残高も大量に残っている状態。ただ、ストックオプションについては上場時点で行使可能になっているものは少なく、当面は影響はないだろう。一方のベンチャーキャピタル保有分はロックアップ対象にもなっていないので、注意が必要。 A. 発行済み株式数 5,610,160株(単元1,000株、06.6に1:10株式分割、07.5に優先株式を普通株式に転換後) B. 公募 1,200千株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 390千株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント 210千株 D. ストックオプション等の残高総数 1,340千株 E. うち潜在株式に算入する数 350千株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 7,160,160株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 2,591,520株 既存株主へのロックアップ情報: なし 表1 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 04年3月 350千株 200円 04年3月〜09年3月 04年12月 457千株 200円 08年12月〜14年12月 05年8月 287千株 200円 09年9月〜15年8月 06年4月 246千株 200円 10年4月〜16年4月 目論見書の想定発行価格は540円で、この価格に基づく公募によるトリケミカル研究所の手取り概算額は約580百万円とされている。資金使途は、全額を半導体先端分野での新材料開発とケミカル材料製造に関する付帯機器類の開発など、研究開発投資に充当する予定。
トリケミカル研究所のウエブサイトには、7月3日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。更新情報の中で、決算公告と目論見書が掲載されているだけになっている。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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