4369トリケミカル研究所IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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トリケミカル研究所(4369 大証ヘラクレス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:化学
7月6日赤字部分を修整
話は配当が実施されてからか
 07.1期は半導体業界が好調だったことを背景に増収、大幅な増益の決算だったが、08.1期では前期ほどではないが、10%を超える増収増益見通しになっている一転して、減収増益で、しかも対前期増益率は07.1期の100%超から10%台に急低下する見通しになっている

 07.1期ほどの目覚ましい伸び率から、08.1期には安定軌道に入ると考えると、08.1期ベースのEPS約30円に対して、PER18倍で想定されている公募価格には、適度なディスカウントが織り込まれていると考える。
 こうした業績予想が出されることを考えると、08.1期以降の更なる増益は今の段階では織り込みにくく、08.1期業績予想ベースのEPS約30円に対して、PER約18倍で想定されている公募価格は、特別にディスカウントされているという印象はなく、妥当な水準にみえる。

 業績予想で配当の計画が無いようになっているが、まずはある程度の配当性向で配当を開始してもらいたいところ。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/1 07/1 07/4 1Q 08/1予
売上高(百万円)
2,090
29.2%
2,701

781
13.7%
3,071
営業利益(百万円)
148
133.6%
347

137
13.7%
394
経常利益(百万円)
144
128.5%
329

125
11.6%
367
当期利益(百万円)
94
102.6%
191

73
14.7%
219
総資産(百万円)
純資産(百万円)
2,413
936
2,829
1,239
2,954
1,312
--
--
株主資本比率(%) 38.8% 43.8% 44.4% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
6.0%
10.1%
11.6%
15.4%
4.2%
5.6%
--
--
発行済株式数 7,160.16 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
13.2
130.7
26.7
173.0
10.2
183.2
30.6
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
半導体・光ファイバー用等高純度化学材料の研究開発・製造・販売
 トリケミカル研究所グループは、当社トリケミカル研究所と連結子会社1社、持分法適用関連会社2社から構成されており、半導体メーカー向けの高純度化学薬品の開発・製造・販売を行っている。

 半導体デバイス製造では、シリコンのウエハ上に複雑な電子回路を構成するために、ウエハプロセスと呼ばれる工程を経て作られている。その中で、化学反応を利用した加工がなされており、トリケミカル研究所の製品は、
・ 主にウエハの表面上に薄膜を化学反応を用いて堆積させる「CVD」
・ 薄膜の不必要な部分を腐食させて削り取る「エッチング」
・ ウエハ上にトランジスタやダイオード等を作るためにウエハの内部に不純物を注入させる「拡散」
などの工程で用いられている。

 トリケミカル研究所の製品は主に上記の3種類で、その製造・開発の過程で、化学関連法規をクリアーした化学薬品輸送用タンクの設計・販売や、新規薬品の受託合成、共同開発高純度化学薬品の開発と薬品を用いたCVDに係わる受託実験、化学薬品の物性調査や分析などのサービスの4つの作業を付加することで、製品の高付加価値化と他社との差別化を図っている。
収支の状況
08.1期は前期ほどではないが、堅調に増収増益を維持減収増益見通しだが、その要因は不明
 07.1期はデジタル家電等の需要拡大を背景として、半導体業界が世界的に好調であったことで、台湾・米国を中心に販売が増加し、売上高では対前期比+約29%の増収となった。この増収を受けて、経常利益以下の利益項目では、対前期比で倍増以上の増益。

 08.1期の業績予想では、一転して、前期に対して減収増益の見通しになっている前期ほどではないものの、堅調に増収増益となる見通し。第一四半期の通期見通しに対する進捗率をみると、売上高ではインラインだが、利益項目では既に年間見通しの約3割まで到達している。減収増益の見通しにしている根拠等については、資料では記載がない

株式の状況
当面は行使可能なストックオプションは少ないが、VC保有分の売却リスクあり
 ベンチャーキャピタルの保有ウエイトが高く、更にストックオプションの未行使残高も大量に残っている状態。ただ、ストックオプションについては上場時点で行使可能になっているものは少なく、当面は影響はないだろう。一方のベンチャーキャピタル保有分はロックアップ対象にもなっていないので、注意が必要。

A. 発行済み株式数 5,610,160株(単元1,000株、06.6に1:10株式分割、07.5に優先株式を普通株式に転換後)
B. 公募 1,200千株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 390千株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント 210千株
D. ストックオプション等の残高総数 1,340千株
 E. うち潜在株式に算入する数 350千株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 7,160,160株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 2,591,520株
既存株主へのロックアップ情報: なし

表1 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
04年3月  350千株 200円 04年3月〜09年3月
04年12月 457千株 200円 08年12月〜14年12月
05年8月  287千株 200円 09年9月〜15年8月
06年4月  246千株 200円 10年4月〜16年4月

 目論見書の想定発行価格は540円で、この価格に基づく公募によるトリケミカル研究所の手取り概算額は約580百万円とされている。資金使途は、全額を半導体先端分野での新材料開発とケミカル材料製造に関する付帯機器類の開発など、研究開発投資に充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 トリケミカル研究所のウエブサイトには、7月3日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。更新情報の中で、決算公告と目論見書が掲載されているだけになっている。



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