IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
フルスピード(2159 東証マザーズ)IPO |
成長産業である点は評価できるが、今期の目標は若干高すぎたか 成長産業であり、足元の業績は高い伸びを示している。07.7期の業績予想ベースのEPS約16千円に対して、想定されている公募価格のPERは約34倍となる。 現在の成長性を考慮すれば、来期の利益倍増程度を織り込んだ形でのPER40〜50倍でも良いと想定し、当面の株価は60〜80万円の評価をされることもあると考える。 リスクとしては、当期の通期業績予想に関して、第三四半期までの進捗率をみると、決して芳しくない点がある。5〜7月に収益が増加する理由も考えにくく、通期予想は若干割り引いて見た方がよいかもしれない。 連結データ(肩は対前期比(%)、06.7期のみ個別)
フルスピードは、「Yahoo! Japan」、「Google」などの検索エンジン上でプロモーション活動を行う企業に対して、検索結果の上位表示を支援するSEOコンサルティングと、リスティング広告を中心とするインターネット広告代理業を主要事業「ウエブコンサルティング事業」として行っている。 また、SEMの活用による自社サイトへの集客力や事業企画力を活かして、各種インターネットメディアの開発、運営事業「インターネットメディア事業」を行っている。また、求人系情報サイトの運営を目的として、06年8月に子会社を設立した。 ウエブコンサルティング事業のうち、SEOコンサルティングでは、クライアントが指定するキーワードごとに当該サイトが予め定められた順位内に表示された場合に料金が発生する成功報酬型の料金体系をとっている。また、上位表示を維持するためには継続的なSEO対策が必要になることから、クライアントとの契約期間は6ヶ月以上の長期になるケースがある。主なクライアントは、金融、人材、不動産などで、07年5月末のクライアント数(キーワード単位)は941件。 インターネット広告代理事業では、オーバーチュアとGoogleの販売代理店として、「スポンサードサーチ」と「アドワーズ広告」を中心にリスティング広告の提供を行っている。この事業ではフルスピードは「クリック単価×クリック回数」を基準に計算される利用料をクライアントから取得し、この金額から一定料率の代理店手数料を控除した金額を広告枠利用料として、オーバーチュアとGoogleに支払っている。07年5月末時点のリスティング広告のクライアント数(サイト単位)は498件。 また、その他の広告事業として、主にSEOコンサルティングとリスティング広告のクライアントに対して、アフィリエイト広告やバナー広告等の各種インターネット広告サービスの販売代理業を行っている。 インターネットメディア事業では、情報サイト事業として、金融・就職・不動産・ホスティング・プロバイダー・外国為替などの情報を提供するサイトの開発・運営を行っている。事業の収益は、自社サイト上の広告枠の利用料で、広告サービスの形態は、アフィリエイト広告の販売が中心になっている。07年5月末時点のサイト数は80。 そのほか、06年12月に他社から金庫と物置・エクステリアを販売するECサイトを買収して以降、EC事業を本格的に開始した。07年5月末時点のECサイト数は7件。 更に、アフィリエイトプログラムをASPとして提供するASP事業も06年11月から行っている。07年5月時点の広告主サイトの数は362件、提携サイトの数は8,157件。 |
06.7期と07.1中間期では、下表のようにクライアント数が、インターネット広告需要の増加とともに順調に増加している。これを背景として、大きく業績は向上している。07.1中間期の売上高は半期で既に、前通期を上回る実績になっている。 表1 クライアント数の推移(集計ベースは上記と同じ) 06年7月 07年1月 SEOコンサル 718 918 リスティング広告 227 388 成長産業なので、毎期倍々で業績が伸びており、かつ、今期予想も倍増以上の見通しになっていても不思議はないのだが、第三四半期までの進捗率を見ると、通期予想には若干届かないのではないかという印象を持つ。四半期単位での季節変動要因があって、最後の四半期で巨額の売上経常が予定されている可能性もあるが、目論見書では季節変動要因についての記載はなかった。
ストックオプションの未行使残高はあるものの、当面は行使できない。ベンチャーキャピタルの保有株式もあるが、そのシェアは1割を切る程度のものになっている。とはいえ、公募枚数が2千枚と比較的少ないため、これとの比較で見れば、公募数を上回るVC保有分があるとも言える。 A. 発行済み株式数 25,520株(07.3に1:2株式分割後) B. 公募 2,000株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 1,300株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 1,352株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 27,520株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 2,090株 既存株主へのロックアップ情報: なし 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 06年3月 1,046株 78,500円 08年4月〜15年7月 06年7月 306株 150,000円 08年8月〜15年7月 目論見書での想定発行価格は51万円で、この価格に基づく公募によるフルスピードの手取り概算額は約930百万円とされている。資金使途は、設備投資資金に160百万円、短期借入金の返済に45百万円、人材の募集・採用と教育訓練体制の構築のための運転資金に132百万円を充当する予定。 残額の約593百万円については、現時点では具体的な計画は無いが、将来的に生じるウエブコンサルティング事業やインターネットメディア事業のシステム開発・設備資金や、第三者が運営するサイトの買収資金、本社の移転費用に充当する予定。
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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