3047TRUCK-ONE IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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TRUCK-ONE(3047 福岡Q-Board)IPO

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セクター:卸売り業
公募価格の設定は、説明不能な高さに見える
 今期の会社発表業績予想は対前期増収増益で計画されているものの、過年度実績をみると、2年連続で減収となっており、事業環境は相当厳しいと思われる。

 この一方で、想定公募価格は約12万円に対して今期予想EPSは約4,500円であり、一見PER約26倍と、やや強気の公募価格設定に見える。しかし、今期見通しでは前期同様に法人税負担が無い模様であり、実力でのEPSは2,700円程度となる。これをベースとした公募価格のPERは約44倍となり、足元の業況を考えると、なぜこの公募価格で設定しようとしているのか、説明不能な価格設定となっている。

事業概要
商用中古自動車の国内販売、海外販売事業と、レンタル・自動車整備
 当社の事業は、商用車の中古車を取り扱っており、国内販売事業と、海外販売事業、その他事業に3区分される。

 国内販売事業では、トラック、ダンプ、コンクリートミキサー車、冷蔵冷凍車、タンク車、車載車、高所作業車などの特殊車両、バスなどについて、自社工場で点検・整備を行い、顧客の希望にあわせた仕様に変更して、全国のディーラーや業者・ユーザーに販売している。

 その他事業では、販売車両のアフターフォローの他、一般の顧客に対しての点検・整備・修理等のサービスを提供している。また、レンタルでは、冷凍車に特化した営業を行っている。

収支の状況
業況はかなり厳しそう
 自動車業界では、自動車NOx法による登録規制の影響で、ユーザーの定期的な代替需要があり、2005年貨物車合計の新車登録台数は、前年比+0.2%、中古貨物車の登録台数は前年比+3.3%と堅調に増加している。

 この一方で、当社業績では、国内販売で対前年割れとなり、海外販売についても、東南アジアの通貨不安の影響によって、販売高は前期と比較して減少している。レンタル事業は05年4月から事業を開始したところで、まだ業績貢献するには至っていない模様。

 今期の会社発表の業績見通しでは増収増益の計画となっているが、04.12期と05.12期は連続で対前期比で減収となっている。06.12期見通しでも、増益ではあるが、法人税の実質負担が予定されていない。また、業績が改善する予定の06.12期見通しでも、売上高営業利益率は辛うじて1%を超える水準にしかすぎない。業績面では、非常に厳しい環境にあると考えたほうがよいだろう。

 当社では車両の仕入れ資金を金融機関からの借入によって調達しているために、05年12月末時点での有利子負債比率が82.8%と高い。事業の性質上、やむをえない面もあると思うが、こうした財務体質であることを踏まえた上で、公募資金の使途について、借入金の返済に充当しないで運転資金とする方針になっていることに対しては、疑問が残る。

株式の状況
VC保有はなし、ストックオプションも軽微
 当社は05年12月に1:6の株式分割を実施し、06年7月時点の発行済み株式数は5,320株となっている。上場にあたっての公募が1,000株予定されている。ストックオプションの未行使残高が下表のように912株あり、これは上場直後から行使可能となるので、潜在株式として認識する。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は7,232株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格 行使期間
03年12月  912株  17,500円  06年1月〜12年12月

 なお、ストックオプションは当初は6,600株分(その後の分割考慮後)が付与されていたものの、このうち、付与後の退職者と辞退者(4名)の持分として5,688株が既に消却されている。このために、上記の数量しか残っていない。辞退者はともかくとして、退職者が多いのではないかという、株式需給とは別の、組織としての懸念材料がある。

 目論見書での想定発行価格は118千円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は105百万円とされている。資金使途は、全額を運転資金に充当する予定。ベンチャーキャピタルの株式保有と、全既存株主に対するロックアップの付与は、ない模様。

情報開示の状況
平均的な開示水準だが、好感が持てる作り
 当社ウエブサイトには投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、上場関連資料と今期の業績予想。会社のサイト自体は手作り感の残る見栄えで、その中で上場に関するデータ等が揃っているのは、意外と好感が持てる。


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