IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ジェイエイシージャパン(2124 JASDAQ)IPO |
06.12期見通しでの高利益体質を今後も維持できるか 想定されている公募価格2万円に対して、06.12期の会社発表見通しベースのEPS約840円では、PER約24倍となり、ほぼ業界平均水準となる。 当社の場合には、06.12期の見通しでの利益水準が、特に対前期比と売上高比で見た場合に、異常に高くなっている。この高い利益水準が今後も維持されるのであれば、公募価格は高くもなく安くもなくの妥当な水準と考えられるが、07.12期についての対前期での減益発表リスクも考慮すれば、若干強気の公募価格設定とも思える。 個別データ(肩は対前期比(%))
当社は、人材紹介事業(有料職業紹介事業)と人材派遣事業(一般労働者派遣事業)を主たる業務としている。 人材紹介事業では、登録者が採用決定企業に入社した時に、求人企業からコンサルタントフィーを得ている。また、求人企業に紹介した登録者がその企業で一定期間内に自己都合で退職した場合には、コンサルタントフィーの一部を求人企業に返金している。また、海外の登録者を日本国内の求人企業に、日本国内の登録者を海外の求人企業に紹介する事業を、海外6カ国の業務提携先と行っている。 |
05.12期は、人材紹介事業で、登録者向けに「登録期間3ヶ月更新システム」を導入し、企業向けには求人依頼から72時間以内に紹介または人材の有無を報告する「求人3日ルール」などのサービスメニューを導入した。これによる売上拡大のほか、金融業界向けに、当社金融チームを銀行、証券、運用、保険等に細分化し専門性を高め、ITチームでは人員体制の強化を図ったことで、これらの業界向けの売上高が対前期で増加した。 人材派遣事業では、愛知万博において、6パビリオンでの人材派遣を獲得したことが、対前期での増収に貢献した。 【表1 事業部門別の販売実績(百万円、%)】 05.12期 前期比 人材紹介事業 2,972 +40.5% 人材派遣事業 2,841 +50.1% 合計 5,814 +45.0% 06.12期の会社発表業績見通しでは、前期にあった愛知万博による特需効果が剥落するものの、求人需要が依然好調に推移することを前提として、対前期比+約28%の増収を見込んでいる。06.12期には大幅な社員増加の計画としていることから、人件費は増加するものの、増収効果によって、対前期比で70〜80%の増益見通しとなっている。 この06.12期の見通しについては、中間期までの進捗状況をみると、達成可能性は高いと思われる。ただ、今期については利益率(売上高経常利益率、売上高当期利益率)が異常に高くなる想定であり、この状態が以後も続くとは考えにくい水準となる。07.12期については対前期減益見通しが発表されるリスクを考慮する必要があるだろう。
06年8月時点の発行済み株式数は614,500株(取引単位は10株)で、上場にあたっての公募が50千株、売り出しが57千株、オーバーアロットメントによる売出し(売り出し元は会社関係者)が15千株予定されている。 ストックオプションの未行使残高が下表のように53,110株あるが、全て上場後1年以上経過しないと行使できないため、潜在株式としては認識しない。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は、664,500株とした。 【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 04年12月 31,110株 1,000円 08年1月〜14年12月 06年3月 22,000株 4,000円 08年5月〜16年3月 目論見書での想定発行価格は2万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約897百万円とされている。資金使途は、人材紹介業務用マッチングシステムの構築に480百万円、登録者募集用ウエブサイトの拡充に80百万円、オフィス設備の拡充に112百万円を充当する予定。残額約225百万円についても、今後の業務用システム開発とオフィス設備の拡充に関わる設備資金に充当する予定。 主要株主6名には180日間のロックアップが付されている。ロックアップ対象株式数は、総数587.5千株から、売り出しとOA分を除いた515.5千株となる。ベンチャーキャピタルは株主名簿には記載されていない。 上場後半年間は、発行済み株式数のうち大半はロックアップ対象であり、ストックオプションも行使できない状態であるため、この期間の株式需給は、タイトになると想定する。
当社ウエブサイトには既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、財務ハイライトだけとなっており、上場関連の資料も掲載されていない。一応、前向きに開示する姿勢であることは確認できる、といった程度。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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