8998リビングコーポレーションIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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リビングコーポレーション(8998 マザーズ)IPO(再申請)

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セクター:不動産業
二度目の上場承認だが、業績急成長、株式需給にもネガティブ要素は無い
 2005年12月上場予定で承認を受けた後、上場を延期した経緯があるが、延期前後での変更点は、05.12期実績が会社発表予想値を超える成績であった点と、これを織り込んで想定公募価格が上方修正された点、当時と比較すると不動産関連の市況が悪化している点の三点。

 今期予想EPS約23千円に対して、PER約20倍を切る水準で想定されている公募価格には割安感がある。株式需給面でも特にネガティブ要素は無いので、当面の株価水準としては、少なくともPER40倍の80万円以上と想定する。

事業概要
賃貸マンションの一棟販売
 当社は、当社が企画・デザイン・設計した一棟販売用賃貸デザインマンション(MODULORシリーズ)を建設し、不動産ファンド及び法人・個人富裕層等の投資家に一棟単位で販売する事業を主に展開している。

 物件の特長は、10メートルの高さにおいて一般的な設計・工法では3階建てとなるところを、特許出願中の独自の設計・工法によって4階建てマンションの建築を実現していること、エレベーター・配管等メンテナンスコストを発生させる部分を最低限に抑えていること等がある。開発用地に関しては、50坪前後の狭小な土地をターゲットとして、他社・他業種との競合を避けている。

 事業の区分では、自社開発事業と共同開発事業での物件開発事業のほか、収益物件開発に関する仕組みを他のデベロッパーに提供する企画設計事業の3区分に分類される。

 自社開発事業では、当社が事業主体(施主)となって、東京都内を中心とした首都圏と札幌市において、賃貸用デザインマンションの企画・開発・販売を行っている。

 共同開発事業では、当社以外のデベロッパーが事業主体となって、当社と共同で賃貸用デザインマンションの開発・販売を行っている。共同事業主と案件ごとに締結する共同事業協定書に定めた事業シェアに応じて利益の配分が行われる。

 企画設計事業では、当社以外のデベロッパーに対して、企画・設計業務だけを提供している。

収支の状況
04.12期から現在の事業が本格化し、急成長
 事業区分別の販売実績と件数は表1のようになっている。04.12期は、自社開発物件が最初に販売された年度となっており、2物件の開発・販売を行い、共同開発物件では5物件が竣工したことによって、前期と比較して大幅な増収となった。05.6中間期まででは、自社開発で5物件、共同開発で2物件が収益貢献しており、05.12期末累積では自社開発で14件が竣工・引渡し、共同開発で4物件が竣工・引渡しとなった。

 経営上のリスクとしては、二点ある。一つは当社の主要販売先はキャピタルアドバイザーズと同社が組成するSPCで、その販売ウエイトは過年度2ヵ年では約90%となっている。投資用マンション販売事業としての特殊なスキームであり、現在のところは特に問題とはなっていないが、将来的には特定販売先に依存するリスクとなりうる。

 二つ目は、有利子負債依存度が高い点である。04年12月末での総資産に占める借入金の割合は約70%となっている。この点についても、不動産事業としては、突出しているほどのウエイトとはなっていない。また、上場の際に公募増資がされることで、有利子負債ウエイトは低下することから、長期保有の場合には留意する必要があるものの、短期的にはネガティブ評価する要素とはならない。

 当社は一度上場を延期したことから、05.12期については前回の上場承認の時点で業績予想が発表されており、また既に決算実績も発表されていることから、会社発表値の精度が両者の比較によって確認できる。結果は、会社発表の予想よりも実績は売上高・利益ともに上振れている。この点からは、06.12期に関する会社発表の予想値についても、信頼度は高い。

株式の状況
ストックオプションの行使は当分先、VC保有分も多くはない
 当社は04年4月に1:2、04年10月に1:10の株式分割を実施し、05年12月時点での発行済み株式数は14,000株となっている。上場に当たっての公募が2,000株、売り出し(売り出し元は会社関係者)が予定されている。これに加えて、ストックオプションの未行使残高は下表のように700株となっているが、行使可能となるには1年以上の期間があるために、潜在株式としては認識しない。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は、16,000株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格  行使期間
05年8月   700株  100,000円  07年8月〜15年8月

 ベンチャーキャピタルの保有株数は、株主名簿で確認できたものでは190株となっている。ロックアップがかかっていないため、上場直後に市場売却される可能性はあるが、ボリュームが小さいので、大きな需給悪化要因とはならない模様。

 目論見書での想定公募価格帯は37〜41万円とされており、この平均価格39万円に基づく公募による当社の手取り金概算額は、約703百万円となっている。想定発行価格は一回目の上場承認の段階のものから若干引き上げられている。資金使途は、全額を完成物件保有資金としての運転資金に充当する予定。

情報開示の状況
上場前段階としてはトップクラスの開示状況
 当社はいったん2005年12月の上場予定で承認を受けたが、その後延期となった経緯がある。一度目の上場承認の時点以来、当社ウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。

掲載されているコンテンツは、マネジメントメッセージから、業績の実績と会社予想、財務ハイライト、FAQと十分に揃っている。上場前の段階でこれだけ準備している事例は少なく、非常に高い開示水準となっている。


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