3034クオールIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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クオール(3034 ヘラクレス)IPO

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セクター:小売業
特殊要因を除けば、業績は安定的に推移
 06.3期までの3決算期を並べると高成長を遂げているようにみえるが、特殊要因による影響が大きい。収益率は向上しているとはいえ、当社の主力事業である調剤薬局事業に高い成長性を求めることは出来ない。また、付随業務として展開している治験関連事業もまだ小規模であり、利益に貢献するには至っていない。06.3期会社予想業績並みの水準が、今後も維持されると想定する。

 06.3期予想連結EPSを28,000円と想定し、他の上場調剤薬局事業会社の平均的PER22倍前後をあてはめると、当社の株価としては60万円前後が想定される。

事業概要
調剤薬局事業と医薬品の治験関連事業
 当社グループは、当社と子会社4社、その他の関係会社1社から構成されており、調剤薬局を主たる業務とし、医薬品治験関連事業を付随事業としている。

 調剤薬局事業では、医療機関の発行する処方箋に基づいて、不特定多数の一般患者に医薬品の調剤を専門的に行う調剤薬局を、全て直営にて運営している。出店形態は、病院前のいわゆる門前薬局の出店を中心としている。

 医薬品治験関連事業は、子会社で実施しており、医薬品を開発する際に、臨床試験を実施する医療機関から委託を受けて、その治験事務局の設置、製薬会社からの治験の依頼受付などの窓口業務、費用の管理、契約、各種書類の作成などの事務的な業務の運営支援業務と、治験実施施設で治験の進行をサポートするスタッフと事務局のスタッフの派遣を行っている。

収支の状況
調剤薬局事業がメイン、売上高と収益率は着実に向上している
 05.3期には、調剤薬局事業での出店数は、期中に7店を新規出店し12店舗を閉鎖、期末時点での店舗数は106店となった。調剤薬局事業分野での売上高は前期と比較して若干の増加となり、また医薬品治験事業分野では、まだ規模は小さいものの、大幅な増収となった。

 一方、費用面では、営業費用では経費の節減・合理化を進めたことで対前期比では大幅な営業増益となり、金融収支も前期と比較して改善されたことで経常利益でも大幅な増益となった。ただ、特別損益では、利益項目で事業等の売却益などで39百万円を計上し、損失項目では固定資産減損会計の早期適用等での損失を計393百万円計上し、ネットで損失超過となったことから、当期利益は、経常利益と比較して、大きく減額されている。

 会社発表の06.3期業績予想(個別)では、+約7%程度の増収を見込んでおり、増収効果とコスト削減で利益ベースでも+約25(経常利益)〜38(営業利益)%の増益が見込まれている。当期利益では、前期に減損損失等の特殊要因が含まれているため、非常に高い増益率になる。

 調剤薬局事業に高い成長性があるとは考えにくいが、当社業績上では、着実に売上高が増加しており、これに加えて収益率の改善が進んでいることから、06.3期では安定的に業績が伸びると想定される。

 当社の出店数は06年3月時点で105店舗だが、このうち過半数に相当する54店舗は、合併や買収等のM&Aによって獲得した店舗となっている。調剤薬局事業としては、診療報酬制度の改定などの減収リスクも存在するものの、その一方で今後、業績に大きな影響を与えるような大型の買収が発生する可能性もある。

株式の状況
ストックオプション無し、VC保有ウエイトも小さい
 06年2月時点の発行済み株式数は13,737株で、上場にあたっての公募が1,500株、売り出しが1,510株(売り出し元は会社関係者)予定されている。ストックオプション等の希薄化要素はない。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、15,237株とした。

 目論見書での想定発行価格は41万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約551百万円とされている。資金使途は、システム投資と借入金の返済に充当する予定。

 ベンチャーキャピタルの保有株式は株主名簿からは680株が判明した。発行済み株式数に占めるVC保有株のウエイトは4%程度となり、特に注意が必要な水準ではない。

情報開示の状況
投資家向けだけでなく、CSR全般に高い意識があるように見える
 当社ウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージと財務ハイライトとなっている。

 なお、当社サイトには、IRだけでなく、CSRについても掲載されている。CSRについては、考え方を1ページにまとめたものが掲載されているだけで、具体的な取り組み状況などはわからない。ただ、上場前後の段階でCSRに言及する企業は少ないのが実態であり、そうした一般的な企業と比較すれば、情報開示だけでなく、企業責任全体に対して高い意識を持っているように、サイトからは見える。


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