2589ゴールドパックIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ゴールドパック(2589 JASDAQ)IPO

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セクター:食料品
売り出し価格がほぼ適正値ではないかと想定
 業績はほぼ安定的に推移しており、大きな成長が望める事業構造ではない。06.1期は特別損失の計上によって当期利益が小さく計上されており、この分を補正したEPSは200円強となる。

 食品製造関連の平均的PERは25倍程度であり、5,000円近辺で想定されている売り出し価格はちょうどこの水準となる。売り出し価格から大きく上振れした市場価格の形成は望みにくい。

事業概要
清涼飲料と、原料果汁・野菜汁等の製造販売
 当社は、消費者に直飲される清涼飲料及び原料果汁・野菜汁等の製造販売を主たる業務としている。

 取引形態としては、飲料メーカーから受注し、原材料の一部についてメーカーから支給され、メーカーの仕様に従って製造する受託製造事業と、自社ブランドの清涼飲料等を製造し、卸売り業や小売業などへの販売と、当社が開発または共同開発をして、見込み清算によって飲料メーカーからの受注に対応するメーカー事業とに区分される。

 当社の主な販売先は、伊藤園、日本生活協同組合連合会、ダイドードリンコとなっており、この3社向けの販売高は、全売上高の約8割を超えるシェアとなっている。

収支の状況
06.1期業績は、前期とほぼ同水準
 05.1期は記録的な猛暑が当社の販売面での追い風となる中で、受託製造事業については、缶容器飲料が他容器に移行しつつあることで売上高は対前期比で減少したものの、ペット容器飲料では茶系飲料を中心に販売増加した。また、メーカー事業でも、果実飲料での販売高が前期比で減少する一方で、茶系飲料が販売好調であったことから、部門トータルでの販売実績は、前期よりも増加した。

 05.7中間期においても、飲料の種類としては茶系飲料、ミネラルウォーター等での販売が好調、容器別では、ペット容器等が好調となっている。

 清涼飲料の需要は夏場に集中するため、清涼飲料業界では夏場に生産・販売が多くなり、冬場には減少する季節変動が大きく発生する。当社の場合にも、決算の上半期にあたる2月〜7月に利益が極端に集中する傾向にある。下表のように、売上高では、ほぼ半々に近い上下比率になっているが、利益ベースでは、年間利益のほとんどを上半期に計上している状況となっている。

【表2 上期・下期のウエイト】
          04.1期     05.1期
        上期 下期    上期 下期
売上高   53.6%  46.4%  51.4% 48.6%
営業利益  96.1%   3.9%  72.4% 27.6%
経常利益 114.2% -14.2%  77.9% 22.%

 06.1期決算は監査未了だが目論見書に掲載されている。特に当期利益では、固定資産除却損と減損損失を特別損失に約12億円計上したことから、対前期で減益となっている。

 当社の有利子負債依存度は、05.1期末で47.7%、05.7中間期には36.5%まで低下しているものの、依然として比較的高い水準にある。依存度よりも注意したいのは、実際に毎期支払っている支払利息の経常利益に与えるインパクトで、毎期3億円強の利息の支払いが発生しているために、営業利益から経常利益にかけて、約2割の利益減少インパクトとなっている。

株式の状況
上場後も自己株式が残るため、これの処分が今後のポイント
 当社は05年7月に1:8の株式分割を実施し、06年3月時点の発行済み株式数は3,780千株(1単元は100株)、上場にあたっての公募は予定されておらず、売り出しが700千株(うち自己株式の処分300千株、残400千株はベンチャーキャピタルが放出)、オーバーアロットメントによる売り出しが105千株(売り出し元はベンチャーキャピタル)予定されている。ストックオプションの未行使残高は200,400株存在する。

【表3 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格  行使期間
05年6月  145,200株 2,100円  07年8月〜10年7月
同上     57,600株 2,100円  08年5月〜15年4月
* 合計は文中と不一致

 売り出しの対象となる自己保有株式は、元々東急電鉄が保有しており、それが東急電鉄子会社に譲渡されたのち、同子会社と当社が合併したことで発生した経緯を持つ。05年11月時点の自己保有株式は1,054,400株となっている。上場にあたって、このうち300千株が売り出され、更に、発行済みのストックオプションのうち執行役員を対象とした29千株分については、売り出し後にも残る自己株式を交付する予定となっている。

 ストックオプションについては、行使可能となるまで1年以上の猶予があることから、全数を潜在株式とは認識しない。以上から、上場時の想定発行済み株式数は、現状と変わらない3,780千株とした。

 目論見書での想定売り出し価格は5,000円で、この価格に基づく自己株式の売り出しによる当社手取り金の概算額は約1,486百万円とされている。資金使途は、全額を設備投資のための資金に充当する予定。

 売り出し元となっているベンチャーキャピタルに対しては、180日間のロックアップが付与されている。当初保有1,780千株でうち505千株が売り出し対象となっているので、実質的なロックアップ分は、1,275千株となる。その一方、上場後も残る自己保有株式754,400株については、上記ストックオプションでの交付使途に加えて、設備資金に充当することを目的として、追加で処分される可能性がある。

 ただ、こうしたケースの場合には、必ずしも市場放出されるとは限らず、取引先や金融機関等に割り当てられて、需給には直接影響を与えない方法がとられる可能性もありえる。この辺りの方針までは目論見書への記載がないため、現時点では株式需給への自己保有株処分の影響は、判断できない。

情報開示の状況
既に部分的に開示情報あり
 当社ウエブサイトには既に投資家向け情報開示のページが設置されている。事業概要や財務ハイライトが既に掲載されているが、上場関連のニュースリリース・関連資料が掲載されていない点が残念。


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