2483翻訳センターIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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翻訳センター(2483 ヘラクレス)IPO

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セクター:サービス業
上場会社としては業態の新奇性が高いが、この点がどこまで評価されるか
 既存の上場会社では類似企業のない、翻訳サービスをビジネスとした業態である。事業自体は昔から存在するが、この業態での上場企業は珍しいため、新奇性は高い。ただ、業績面では、今期は前期並みから若干上振れするか、といった程度であり、決して潜在的な成長力が高いわけではない。

 今期のEPSの想定を前期プラスアルファとして15,000円と見込み、PERを大きな成長性は評価しにくいことから30倍程度と考えれば、株価水準は45万円ぐらいと想定する。また、ベンチャーキャピタルの保有ウエイトが高いことから、好需給は見込みにくい。

事業概要
翻訳と顧客先への通訳の派遣等
 当社グループは、当社と子会社1社から構成されており、翻訳サービスを主たる業務としている。

 翻訳事業では、主に特許分野、医薬分野、工業分野、金融分野に区分される。特許分野では、国内企業の外国での特許出願や、外資企業の日本での出願に伴う特許出願明細書、優先権照明、特許公報等の翻訳を行っている。

医薬分野では、製薬会社向けに新薬などの医薬品開発段階での試験実施計画書、試験報告書、厚生労働省等への新薬申請資料などの翻訳、工業分野では、電機・機械・自動車・半導体・情報通信関連の輸出・輸入企業向けに、市場分析レポート、企業業績・財務分析関連資料などの翻訳を行っている。金融分野では、銀行・証券会社・保険会社等の金融機関向けに、市場分析レポートなどの翻訳を行っている。

 また、社外に持ち出しの出来ない文書については、得意先の社内での翻訳業務を行う翻訳者の派遣を行い、得意先での会議や商談・工場見学等の通訳を行う通訳者の派遣を行っている。

収支の状況
今期は前期実績プラスアルファ程度に収まりそうな進捗状況
 05.3期には、東京地区での新規取引先の開拓、営業シェアの確保、翻訳者確保を目的として、国際事務センターを子会社化した。同社のグループ編入の影響と、当社の主力分野である医薬品分野での翻訳ニーズが増加したことから、05.3期の売上高は対前期比+20%以上の増収となった。

 05.9中間期でも、工業分野では取引先でのコストダウン影響等によって伸び悩んでいるものの、特許分野と医薬品分野で好調が持続している。ただ、前通期と比較した進捗率でみれば、今通期の売上高はほぼ前期並み、或いは微増程度で収まりそうな印象を受ける。

株式の状況
ベンチャーキャピタルの保有ウエイトが高く、しかもロックアップはかかっていない
 当社は06年3月に1:5の株式分割を実施し、06年3月時点の発行済み株式数は、11,650株で、上場にあたっての公募が1,200株、売り出しが975株(売り出し元は全てベンチャーキャピタル)予定されている。また、ストックオプションの未行使残高が1,995株存在する。このストックオプションについては、行使可能となるので1年以上の猶予があることから、潜在株式としては認識しない。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、12,850株とした。

【表1 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格  行使期間
05年6月  1,995株  112,800円  07年7月〜10年6月

 目論見書での想定発行価格は30万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は、約318百万円とされている。資金使途は、設備投資に150百万円、ネットワーク・データ送受信のセキュリティー増強資金に60百万円、データバックアップ用サーバー設置資金に50百万円を充当し、残額は運転資金に充当する予定。

 ベンチャーキャピタルの保有株数は5,350株となっている。このうち975株が売り出し対象となっているので、残りは4,375株あり、これに対してはロックアップはかかっていない。従って上場時点での発行済み株式のうち約3割強が市中で売却される可能性があり、上場直後の需給バランスとしては、悪い部類に入ることが予想される。

情報開示の状況
投資家向けのサイトでの情報開示は、まだ
 当社ウエブサイトには、3月27日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。ニュースリリースとして上場関連資料だけが掲載されている。「コーポレートダイレクト」で情報が開示されているものの、その開示水準も会社自身のサイトでの水準とあまり変わらない。

同時期に上場を予定しているアドテックエンジニアリングは、当社の全く逆の開示=ページ設置済みで、財務ハイライト等のみ掲載、上場関連資料は掲載なし、となっており、2社を足すと丁度良い開示水準になるのだが、現状ではどちらの会社も不十分な状態になっている。


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