8993アトリウムIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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アトリウム(8993 JASDAQ)IPO

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セクター:不動産業
業種・業態、業績は魅力的だが、リスク要因も多い
 06.3期会社発表業績に基づく予想EPSは約280円であり、900円近辺で想定されている公募価格はPER約30倍となる。既上場の同業他社PERが40倍前後であることを考えると、一定の割安感がある。

 先日上場した8793グラウンド・ファイナンシャル・アドバイザリーの初値騰落率を参考にすると、相当高い初値形成も期待できるが、当社の場合には、8253クレディセゾンとの親子上場となること、若干ではあるが姉歯問題を抱えていること、市場吸収額が100億円を超える比較的規模の大きい案件であること、SOによる希薄化効果とVC保有ウエイトが高いこと、の4点が懸念材料。

事業概要
不動産流動化事業、サービサー事業、不動産ファンド事業など
 当社の前身は、西武流通グループとバークレイズグループが出資して法人向け融資を目的として設立した「ミドリヤファイナンス」。

 当社グループは、親会社であるクレディセゾンと連結子会社9社、主要な非連結子会社2社から構成されている。主な事業は、競売市場や一般流通市場から中古不動産を仕入れコンプライアンスに基づく権利関係の浄化、リフォームによる商品化を行う「不動産流動化事業」、金融機関から不動産担保付特定金銭債権等を買い取ってスペシャルサービサー(延滞債権の管理回収)として回収を行う「サービサー事業」、投資家と共同出資を行い事業用収益不動産を仕入れて運用する「不動産ファンド事業」、金融機関等が行い不動産担保融資に対して、不動産の査定と債務保証を行って保証料等を得る「不動産融資保証事業」の4事業。

 不動産流動化事業では、原則として5年間の瑕疵保証を発行して商品化後に短期間で販売することを目的とした居住用不動産を取り扱う場合と、2〜3年程度の運用によって取得費用・リフォーム費用の一部を回収した後に売却する収益不動産等を取り扱うケースとがある。

 不動産ファンド事業では、当社は資産取得会社を設立して、投資家(=出資者)による匿名組合出資とノンリコースローンの組み合わせによって資金調達を行い、競売市場や一般流通市場から5〜10億円程度の収益不動産を取得する。その後3〜4年程度保有した後に売却する。

 不動産融資保証事業は04年9月に事業を開始したばかりで、当社が融資保証を行っている金融機関は、06年1月末時点ではクレディセゾンと他1社の2社となっている。

収支の状況
業績自体は問題ないが、構造計算書問題の余波がある可能性
 現在急成長で業績を伸ばしている業態だけに、当社の場合も05.2期・05.8中間期では大きく業績を伸ばしている。06.2期の会社発表業績予想も前期と比較して大幅な業績の向上を見込んでいる。ただ、05.2期は関係会社出資金売却益約779百万円を特別利益に計上、05.8中間期にも同項目で約305百万円を計上しており、当期利益が若干過大に計上されている面はある。

 事業の区分別セグメントでの利益状況は表1の通り。不動産ファンド事業での05.8中間期の利益率が極端に高いのは特殊要因によるものであり、これを除く各項目では、売上高の伸びと利益率の維持・向上の両面で見ても、問題ないとみられる。

 構造計算書偽造問題に関連して、当社では05年11月に当社関連不動産の偽装の有無について調査している。調査対象は、当社グループ保有の全物件と子会社アトリウム建設が過去10年間に施工した全物件。調査の結果、当社グループ保有の物件については姉歯建築事務所の関与する物件はなかったが、アトリウム建設が施工した物件のうち、2件については同事務所が関与していた。うち1件は竣工済みであり、姉歯関与物件であるが、偽装対象物件には該当していない。

 残1件は偽装対象物件に該当していたことが判明した。ただし、この物件は基礎工事の段階で出来高は6%という段階であり、今後の対応方法は決まってはいないものの、この1物件だけであれば、当社グループの経営全般に与える影響は軽微であると、目論見書では認識されている。

 もっとも、子会社が姉歯建築事務所・木村建設と取引があったことは事実であり、当社に対するイメージの悪化が発生すれば、今後の販売状況等にも、影響が出てくる可能性はあるだろう。

 当社グループの有利子負債残高は05.8中間期末時点で約960億円、総資産約1,290億円に対するウエイトは約75%と、有利子負債依存度が高い状況にある。元々不動産関連業種は有利子負債依存度が高い傾向にあり、この業種での平均的な水準から考えて、当社の場合が極端であるとは言えない。

 また、現在保有している自己株式の簿価計上額は10億円に満たない状態にある。従って、上場に際しての自己株式の売り出しによって、大幅に株主資本は増強されることになり、上記の高い有利子負債依存度については、特に留意しなくても良いだろう。

 有利子負債に関連して、当社が金融機関と契約しているコミットメントライン契約・シンジケートローン契約では、資本の減少・営業損益の赤字化・長期在庫の増加等に関する財務制限条項が付されている。足元の業績ではトリガーが発動される可能性は低い模様。

株式の状況
公募は無し、ストックオプションが比較的多い点は要注意か
 当社は05年2月に1:2の株式分割を実施し、06月2年時点の発行済み株式数は12,000千株(取引単位は100株)となっている。ストックオプションの未行使残高が下表のように2,975千株存在し、このうち約半数は上場直後から行使可能となり、残る約半数も上場後半年以内には行使可能となる。このため、ストックオプション残額の全数を潜在株式として認識し、上場時点での想定発行済み株式数は、14,975千株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議  対象株数 行使価格  行使期間
05年12月 1,723,200株  485円  05年12月〜08年12月
06年12月 1,251,800株  775円  06年9月〜09年9月

 当社の上場に際しては、公募増資は予定がなく、自己株式の売り出しだけが公開対象となっている。売り出しは3,200千株。

 目論見書での想定売り出し価格は9,000円で、この価格に基づく自己株式の処分による概算手取り金は14,352百万円とされている。資金使途は、全額を販売用資産購入のための資金に充当する予定。

 ストックオプションによる既存株式の希薄化効果は約20%と、比較的高い比率となる。ストックオプションの行使価格が低いこと(他社の場合でも低いのは低いが)と、クレディセゾンとの兼務役員に大量のストックオプションが付与されている点については、すっきりしない印象を受ける。

 ベンチャーキャピタルの保有株式は、株主名簿上は約1,910千株となっており、これに対するロックアップはかかっていない模様。

情報開示の状況
ほとんど開示無し
 当社ウエブサイトには2月27日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。ニュースリリースとして上場関連資料と決算広告が掲載されているだけとなっている。


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