8708藍澤證券IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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藍澤證券(8708 JASDAQ)

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セクター:証券・商品先物取引業
先に上場する岩井証券に追随した動きとなる可能性
 過年度には税務上の繰越欠損金の存在によって法人税が実質的に課税されておらず、今期から本格的に課税される模様。このため、今期の業績は前期と比較して向上すると考えられるが、前後利益ベースでは減益、或いは前期と同程度になると予想される。

 今期想定EPSを60〜70円として、PERを20〜25倍程度と考えると、株価水準は1,400〜1,600円付近と予想する。想定されている公募価格の今期予想ベースEPSでのPERは、先に上場する岩井証券とほぼ同水準であることから、岩井証券の初値状況が、最終的には最も参考になるだろう。

事業概要
証券業を中核とする投資・金融サービス業
 当社グループは証券業を中核とする投資・金融サービス業を主な事業内容としている。主たる業務は、有価証券の売買等、有価証券の売買等の媒介・取次ぎ・代理、有価証券の引受け・売り出し、等。

 当社グループは当社のほか、非連結子会社3社と関連会社1社から構成されている。子会社サン・アイ・エクセレントは不動産業を行っており、当社に対する不動産の賃貸を行っている。アイザワ・インベストメンツはインベストメントバンキング業務を行っている。上海藍澤当市諮詢有限公司は、中国本土の情報サービス業を行い、当社へ情報を配信している。

 当社の経営戦略では、他社との差別化を図るために、アジア株式・アジア関連投信で特色ある商品を提供し、アジア株への強みを出すこと、顧客との接点では対面取引・インターネット取引・電話取引の複合したチャネルを持つ、低コストの小型店舗を富裕層の多い地域に展開することを方針としている。

収支の状況
今期から法人税が本格課税される
 05.3期は、受入手数料部門では日本株式・アジア株式への注力、投資信託で業界初の中国不動産証券ファンドの販売等を行った。また、2店舗を新規出店したこともあって、受入手数料は前期比+3.0%の増加となった。一方、トレーディング損益部門では、特に株式部門での利益が減少したことで、前期を約16%下回る実績となった。

 05.9中間期は、受入手数料部門で、東海・東京地区に各1店舗を新規出店したことや、投資信託の新規募集を行ったこと等によって、前年同期比+6.9%の増収となった。トレーディング損益部門では、先物取引での利益増加によって前年同期比で増収となった。

 当社は税務上の繰越欠損金があったために04.3期までは法人税の負担が発生しなかった。しかし、05.3期には全額解消したことで、法人税負担が一部発生している。06.3期には、法定実効税率並みでの法人税課税となる模様。

 05.9中間期の進捗から06.3通期を予想した場合、前05.3期は上回る業績となりそうに見える。しかし、上記のように法人税の本格課税があることで、税後利益では実際には減益となる可能性が高い。また、オンライン専業の証券会社のような業績の飛躍的な向上も、足元の状況からは見込みにくい。基本的に業績は上向き基調だとしても、爆発的な成長力は無く、最後には市況によって業績は大きく影響を受ける構造となる。

 過去に計上した主な特別損失は、04.3期が証券取引責任準備金繰入204百万円、減損損失176百万円で、05.3期は証券取引責任準備金繰入199百万円、減損損失101百万円。05.9中間期には、この2項目での特別損失計上額はそれぞれ15百万円、5百万円と減少している。

株式の状況
ストックオプションがあるが希薄化効果は小、一方でロックアップ効果も小
 06年1月時点の発行済み株式数は44,525,649株、上場にあたっての公募が5,000千株予定されている。また、公募と同時に売り出しが4,800千株計画されている。ストックオプションの未行使残高は下表のように1,413千株あり、全数が上場直後から行使可能な状態になっている。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は50,938,649株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格 行使期間
01年6月  1,413千株  425円  03年7月〜11年6月

 目論見書での想定公募価格は1,200円とされており、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は5,962百万円。資金使途は、全額を信用取引業務の拡大に伴う運転資金に充当する予定。

 会社関係者2名の持ち株5,794千株(売り出し対象ではない)には180日間のロックアップがかかっている。全体の発行済み株式数のボリュームから考えると、ロックアップ分が占めるウエイトは1割程度となっている。またロックアップ対象者が会社関係者であることも考慮すると、ロックアップによる需給改善効果はほとんど期待出来ない。

情報開示の状況
一般的な水準は超えているが、岩井証券と比較すると見劣り
 当社ウエブサイトには既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージと財務ハイライト、決算短信となっている。

 他の新規上場会社と比較すると平均的な開示水準だが、証券会社の開示水準は全体的に高いために、カブトットコム証券などの最近上場した他の証券会社、先行して上場予定のある岩井証券と比較すると見劣りする内容となっている。


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