8416高知銀行IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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高知銀行(8416 東証二部)

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セクター:銀行業
資本効率・事業の成長性が低く、PBR=1割れの可能性も
 先に上場を予定している荘内銀行と比較して、収支の質・今後の事業拡大の可能性が低い印象を受ける。決算には特殊要因が多く含まれており、実力に近い04.3期のEPS約20円にPER20倍とした400円が収益性から見た場合の妥当な水準であろう。

一方で、この価格想定では、05.9中間期のBPS約450円を下回ることになる。公募増資によってBPSは約18円押し上げられることを考慮すると、PBR=1を基準とした株価は470円となる。ただし、この中には土地再評価差額金と有価証券評価差額金が含まれているので、土地・株式の市況頼みの株価想定となる。

 こうした一風変わった株価バリュエーションになるそもそもの原因としては、資本の割りに収益が上がっていない、資本効率の低さに課題があり、この点が当行の最大のポイントだろう。

事業概要
高知県を中心とした銀行業
 当行グループは、当行及び連結子会社3社で構成されており、銀行業務を中心に、リース業務・クレジットカード業務等の金融サービス事業を行っている。

 当行は本店と支店70店を保有し、預金業務・貸出業務・為替業務等を行っている。

 連結子会社では、店舗警備等、現金整理・物品販売・労働者派遣業務等を行う会社が1社、リース業務・クレジットカード業務を行う子会社が2社ある。

収支の状況
業績の伸びは見込みにくい
 05.3期から05.9中間期にかけては、法人顧客での定期性預金の取り崩しによる決済資金充当化の傾向が影響したことなどによって、預金残高は横ばいから減少に転じている。一方、貸出金でも個人融資で住宅ローンには積極的に取り組んでいるものの、中間期では減少傾向にある。

 更に、05.9中間期には、前年同期に退職金制度改定に伴う退職給付過去勤務債務償却額1,029百万円を特別利益に計上していたことの反動があり、また減損損失291百万円を特別損失に計上したことから、中間利益は前期と比較して、大幅な減少となっている。

 総合的には、預金・貸し出しの状況を見ると今後の事業拡大は余り望めない。特別損益を経年的に計上しているのでわかりづらくなっているが、こうした特殊要因の少ない04.3期の業績が当社の実力と見られる。

 また、評価性引当額によって、税効果会計適用後の法人税率等の負担率は、法定実効税率約40%に対して、04.3期・05.3期ともに、27-28%まで低下している。長期的には、法人税負担率の上昇を当期利益の減として織り込む必要が出てくる。

 保有債権の内容は下表の通りであり、特に健全性に問題は無い水準といえる。

株式の状況
ストックオプションは無し、大株主にはロックアップあり
 05年9月時点の発行済み株式数は96,448千株となっている。上場にあたっての公募は6,000株(一単元は千株)が予定されている。また、売り出し元を三井住友銀行とする売り出しが1,000株計画されている。ストックオプション等の希薄化要素は無い。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は、102,448千株とした。

 目論見書での想定発行価格は300円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は、1,780百万円とされている。資金使途は、全額運転資金に充当する予定。

 180日間のロックアップが大株主5社に付与されている。ロックアップ対象となっている株数は合計で9,428千株だが、元々これらの金融機関は保有株の売却マインドが高いとは思えない株主であり、ロックアップがかかっていることは悪い話ではないが、わざわざロックアップをかける必要があるかについては疑問が残る。

情報開示の状況
「ディスクロージャー」として開示
 当行ウエブサイトでは「投資家向け」とは銘打ってはいないが、銀行としてのディスクロージャーは当然のことではあるが、一定水準で実行されている。このため、決算短信やアニュアルレポートは掲載されている。ただ、これは銀行の責務として開示されているものであって、投資家サービスでは無い。今後は、従来のステークホルダーに加えて株主を向いた情報開示が望まれる。


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