5310東洋炭素IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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東洋炭素(5310 東証)IPO

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セクター:ガラス・土石製品業
業績は半導体市況に左右される構造
 ガラス・土石製品の製造業態だが、基本的には業績は半導体市況に影響されると見てよいだろう。同業他社の平均的PERが約30倍、半導体市況が来期も好調に推移すると見てプレミアムを考慮しても、当社のPERは35倍程度と想定する。

 今期は2期連続での増収増益が見込まれており、業績は堅調に推移している。しかし、今期会社予想ベースのEPS約160円を基にすると想定株価は5,000〜5,500円となり、4,350円で想定されている公募価格の割安感は比較的薄い。

事業概要
カーボン製品の製造・販売
 当社グループは、当社、連結子会社9社(国内2、海外7)、非連結子会社1社、関連会社1社から構成されており、主に等方性黒鉛材料を素材として、高機能分野におけるカーボン製品の製造・加工・販売を主たる業務としている。

 黒鉛材料は、熱伝導性・電気伝導性に優れ、高温や薬品への耐性が高く、軽量で加工が容易、摩擦・磨耗が起こりにくいという特徴を持っている。等方性黒鉛材料の場合には、これに加えて、熱膨張等の特性がどの方向にも同じであり、微粒子構造で高強度、材料特性のばらつきも非常に小さいという特徴がある。

【表1 当社製品の分野別製品例】
■エレクトロニクス分野
単結晶シリコン製造用: シリコン単結晶引上げ炉用るつぼ、ヒーター
化合物半導体製造用: MOCVD装置用サセプター、LPE装置用ポート
太陽電池製造用: 引上げ炉用るつぼ、ヒーター

■一般産業分野: 連続鋳造用ダイス、放電加工用電極、工業炉用ヒーター

■その他
先端プロセス装置用: イオン注入装置用電極、ガラス装着用治具
原子力・宇宙航空、医療用: 高温ガス炉用炉心材、核融合炉用炉壁材、ロケット用部品

■機械用カーボン分野
一般産業機械用: ポンプ・コンプレッサー用軸受、シール材
輸送機械用: パンタグラフ用すり板、自動車用部品

■電気用カーボン分野
小型モーター用: 掃除機用カーボンブラシ、電動工具用カーボンブラシ
大型モーター用 : 大型モーターブラシ、風力発電用カーボンブラシ

収支の状況
需要動向が追い風となって手堅く増収増益傾向を維持
 05.5期と05.11中間期の実績では、特殊黒鉛製品分野で、主な供給先となっている半導体・電子部品市場での需要が堅調であった。特に主力製品であるシリコン単結晶製造装置部品については、シリコン・ウエハー業界での300mmウエハーの生産増加に伴って、大幅な需要増加となった。また、太陽電池用シリコン、化合物半導体分野の需要が拡大したほか、アジア向けの家電・自動車分野での金型の需要増加から、放電加工用黒鉛電極材の需要も増加した。

 一般カーボン製品の需要は2000年以降停滞していたが、国内の景気回復と家電メーカーの海外生産移転後の中国等海外での需要増加によって、家電関連の需要が拡大した結果、こちらの分野でも対前期増収となった。

 当社グループでは、シリコン・ウエハーや太陽電池など、半導体製造関連分野での売上ウエイトが高くなっている。従来のシリコン半導体とは異なる太陽電池関連や発光ダイオード、レーザーダイオードなどの分野にも取り組みを強化しているが、足元の状況ではシリコンサイクルに業績は影響を受ける構造になっている。会社発表の今期業績予想もこうした背景を受けて対前期で増収増益を見込んでいるが、需要面での経営環境は悪くなく、中間期の進捗をみても、年度業績予想の達成は難しくないだろう。

 当社製品の原料は、石油コークス、ピッチ、タール等であり、近年の価格高騰影響が懸念されるが、当社製品は高付加価値製品になっており、売上高に占める原材料費の割合は経年的に6%程度と低い水準となっている。また、05年10月に経済産業省から輸出規制物に関して外為法違反に基づく警告を受けているが、これも業績には大きな影響とはならない模様。

 税効果会計適用後の法人税等の負担率は、子会社欠損金等の税効果等によって法定実効税率よりも約10%低い約31%となっている。

株式の状況
ストックオプションはなし、VC保有株のウエイトは小
 当社は04年12月に1:4の株式分割を実施し、05年11月時点の発行済み株式数は13,033,792株(取引単位は100株)、上場にあたっての公募が2,000千株、売り出しが1,500千株(売り出し元は会社関係者)、オーバーアロットメントによる売り出しが300千株予定されている。オーバーアロットメント分については主幹事である大和証券SMBCを割当先とした第三者割当増資となる可能性がある。ストックオプション等の希薄化要素は無い。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、15,333,792株とした。

 目論見書での想定発行価格は4.350円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は、約8,134百万円となっている。資金使途は、全額を設備資金に充当する予定。

 ベンチャーキャピタルの保有株式は株主名簿からは約537千株が判明できた。このVC保有株式は全発行済み株式数に対するウエイトでは、大きなものとはなっていない。

情報開示の状況
現時点での開示姿勢は消極的に見える
 当社ウエブサイトには、2月27日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場に関するニュースリリースもサイトには掲載されておらず、開示に対しては消極的な印象を受ける。


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