4239ポラテクノIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ポラテクノ(4239 JASDAQ)

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セクター:化学業
プロジェクターの販売・普及に伴って業績は向上中
 プロジェクター用フィルムが、プロジェクターの販売増加に伴って業績を押し上げており、今期見通しでも、利益ベースでは大幅な対前期増益の会社見通しとなっている。

 今期は特別利益の計上予定があるために、当期予想EPSは千円程度上積みされているので、実力ベースでのEPSは1万円前後となる。親会社である日本化薬(4272)、有沢製作所(5208)の今期予想ベースPERは20〜25倍であるが、当社の場合にはプロジェクターの来期以降の販売増によって、更なる業績の伸びが期待できることから、PERは25〜30倍とみる。以上から、想定株価水準は25〜30万円と考える。

事業概要
液晶表示用偏光・位相差フィルム、プロジェクター用偏光フィルムの製造・販売
 当社グループは、当社、子会社5社、関連会社1社で構成されており、日本化薬(4272)の連結子会社、有沢製作所(5208)の持分法適用の関連会社である。偏光・位相差フィルムを製造販売する偏光フィルム事業と、その偏光・位相差フィルムの一部を更に加工して、プロジェクタ用光学部品として販売するプロジェクタ部材事業を、主な事業としている。

 偏光・位相差フィルムは、当社グループの顧客先で液晶パネルに貼り付けられ、液晶表示装置として最終製品に組み込まれる。主な最終製品形態は、自動車のインジケーターや携帯電話の表示画面など。当社グループ製品は中小型に特化しているため、パソコンのモニターや液晶TVなどの大型サイズのフィルムは製造していない。中国の持分法適用関連会社のフィルム製造工場は2006年夏に量産開始の予定。

 プロジェクタ部材は、当社グループの顧客先で最終製品である液晶プロジェクタの光学エンジンに取り込まれ、投射型の液晶表示装置となる。液晶プロジェクタには、前面のスクリーンに投射してプレゼンテーション等に使用するフロントプロジェクターと、スクリーンの後ろからTV画面に投射することで安価な大画面を実現するリアプロジェクションTVの2形態がある。

 また、その他事業としては、連結子会社がX線解析装置部材を製造販売している。

収支の状況
プロジェクタ部材販売の動向が業績に大きく影響
 05.3期は、偏光フィルム部門でヨウ素系民製品が中国等で販売量が増加した。また、偏光・位相差フィルムは需要量としては堅調に推移したものの、下半期からは価格低下傾向となった。

 更に、プロジェクタ部材部門でも、上半期にはオリンピック効果もあって、フロントプロジェクター・リアプロジェクションTVの需要が増加したものの、下半期には在庫増に対応した生産調整・需要の不振が発生した。プロジェクタ部材部門に関しては、在庫調整影響等によって、下半期の売上高は上半期に対して約3割の減少となった。

 05.9中間期では、中小型詠唱の需要は好調だったが、版用品に対する値下げ圧力が強い。プロジェクタ部材については、前年度の在庫調整はほぼ完了したものの、北米でのリアプロTVの販売が伸び悩んでいることが影響している。

 06.3通期での会社発表業績見通しでは、偏光フィルム部門・プロジェクタ部門の双方で堅調な需要増加と、粗利益率の高い製品ウエイトの増加を織り込み、売上高・経常利益では対前期で増収増益を見込んでいる。また、特別利益には中国の持分法適用関連会社に対する技術供与の対価約461百万円を織り込んでいることによって、当期利益では対前期比で大幅な増益となる見通しである。

 当社の場合、表1のようにセグメント別に業績を見ると、プロジェクタ部材部門の利益率が他セグメントと比較して異常に高く、このセグメントでの売上高が増加することで利益は大幅に伸びる構造になっている。今後の業績は、各種プロジェクターの販売動向次第という状況である。

 当社では海外の生産拠点が多く、また海外での売上高も全体に対して40%を超えるウエイトを占める状態にあるが、現在のところ為替予約等、為替変動に対するリスクヘッジ策は採用していない。このため、為替変動の影響がストレートに業績に反映される可能性がある。

 当社は新潟拠点ではあるが、先の地震での直接的な被害は無かった模様。

株式の状況
公募・売り出し以外の株式は全数がロックアップ対象
 当社は05年12月に1:10の株式分割を実施し、06年1月時点の発行済み株式数は248,000株となっている。上場にあたっての公募が23,100株、売り出しは無く、オーバーアロットメントで1,150株の予定となっている。オーバーアロットメントについては、主幹事である野村證券を引き受け先とした第三者割当増資となる可能性がある。ストックオプション等の希薄化要素は無い。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、272,250株とした。

 目論見書での想定発行価格は19万円とされており、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は、約4,105百万円となっている。資金使途は、オーバーアロットメントの第三者割当増資分の手取り約205百万円と共に、新潟工場の設備更新、プロジェクター部品の製造設備の増強、中国の持分法適用関連会社への出資等に充当する予定。

 既存大株主である法人2社については、180日間のロックアップが付与されている。ただし、発行価格の2倍以上での売却は可能となっている。上場前段階の当社株は全てこのロックアップ対象の2社が保有している。要するに、公募・売り出し以外の株式には全てロックアップがかかっているという状態になっている。
情報開示の状況
業績予想が発表されているが、それ以外はまだ
 当社ウエブサイトには1月30日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。ただ、ニュースリリースとして上場関連のプレスリリースと業績見通しは発表されており、この分には便利にはなっている。早急に開示体制を整えて欲しい。


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