3796いい生活IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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いい生活(3796 マザーズ)

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セクター:情報・通信業
ストックオプション残高は多いが行使制限もあり、当面は高株価か
 05.3期は費用の増加によって対前期減益となっているが、基本的に成長力に問題は無く、06.3期には大きく増益になることが予想される。今通期の想定EPSを2千円として、当社と関係の深いヤフーの来期予想PER約100倍から想定すれば、当社株価は約20万円と計算される。

 ヤフー以上の成長性を評価される可能性もあり、PER150倍、想定公募価格帯のほぼ倍に相当する30万円程度までのレンジが目処と思われる。ストックオプション残高が大きいことから、株式需給にはリスクがあるものの、行使制限も色々とついているため、目先の悪化懸念は無い。

事業概要
不動産業界向けシステム・ソリューションの開発・提供
 当社は、当社が構築し保有するネットワーク・システム基盤上で、主に不動産業を営む企業向けにIP技術に立脚したシステム・アプリケーション及びデータベース・アプリケーションを開発・提供することを主としたASPソリューション事業を行っている。

 品目別では、ASPサービス、アドヴァンストASPサービス、ネットワーク・ソリューションの3品目に分類される。

 ASPサービスでは、不動産(賃貸・流通)物件情報更新管理データベース・システムや新築分譲マンション物件情報更新管理データベース・システム、不動産媒体向けデータ変換システムなどの不動産物件情報管理DBシステムと、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)、JSPインターフェイス等システムを提供している。

 アドヴァンストASPサービスでは、顧客情報管理(CRM)、ポイント管理システム等、顧客サイト構築に関するシステム受託、サーバ入稿用物件情報データ変換システム開発、WEBインターフェイス開発、コンテンツ制作・データ入力業務等を行っている。

 ネットワーク・ソリューションでは、システム受託運用サービス、ハードウエア・ソフトウエアの調達・及び販売等を提供している。

 当社はヤフーが運営する不動産情報サイトである「Yahoo! 不動産」で、不動産情報掲載管理システムの構築、顧客の物件情報データの入稿に関わる入稿センター業務を受託している。

収支の状況
年度ごとの業績でのブレはあるものの、基本的に成長基調
 品目別の販売状況は表1の通り。05.3期はASPサービスで物件情報更新管理システムの販売が増加したことや、アドヴァンストASPサービスで受注した受託開発のアプリケーション・ホスティング提供が拡大したこと等によって、売上高は前期比で大きく増加している。一方、人材採用の前倒し増加や、顧客用システム基盤の拡大に伴ってサーバ等設備投資が増加したことで営業費用が増加し、経常利益では前期を下回る実績となった。

 05.9中間期では、ASPサービスとアドヴァンストASPサービス部門で、前通期と比較して高い進捗率となっている。

 05.9中間期ではアドヴァンストASPサービスでの売上が前期と比較して増加しているが、この部門は顧客企業ごとの個別のシステム受託開発であるために、単発的な色彩が強く、今期の売上が増加したからといって来期も増加するとは限らない。ASPサービス部門は継続的な契約による販売計上であるために、比較的売上高の年次変動は小さいといえる。従って、アドヴァンストASPサービスでの売上増加が貢献した05.9中間期のペースで、下期も継続すると考えることにはリスクはあるが、ストックベースでの売上であるASPサービス部門でも安定的に売上高は増加していることから、今後もある程度は高い成長率での業績向上が期待できるだろう。

 当社は事業立ち上げから間もないために前期繰越損失を計上していたが、05.9中間期で繰越損失は解消された。以後は、法定実効税率に近い税率で法人税負担が発生すると予想される。

株式の状況
ストックオプション残高がウエイト大、今後も追加付与の可能性有り
 当社は04年5月に1:6の株式分割を実施し、05年12月時点の発行済み株式数は60,858株となっている。上場にあたっての公募は5,100株予定されている。ストックオプション等の新株予約権が当社役職員のほかヤフー株式会社にも付与されており、その総数は下表のように12,006株となっている。このうち、06年3月まで行使可能となるもの8,898株を潜在株式として認識する。以上から上場時点の発行済み株式数は、74,856株とした。

 ストックオプションには、付与時期の違いによって詳細は異なるものの、上場後6ヶ月経過するまでは行使出来ない条件付きのものや、1年度中に割当を受けた権利のうち1/3しか行使出来ないという条件付きのものが存在する。

【表2 ストックオプション等新株予約権の状況】
総会決議  対象株数  行使価格  行使期間
02年6月    5,364株   5,556円  04年7月〜12年3月
03年6月    2,034株   5,556円  05年6月〜13年6月
04年6月     288株  33,334円  07年6月〜14年6月
05年6月    2,820株  46,667円  07年6月〜14年6月
05年6月    1,500株  46,667円  06年3月〜11年3月

 上場・公募と同時に、売り出しも2,160株予定されている。売り出し元は三菱商事等、法人2社。公募・売り出しに際して、大株主には180日間のロックアップがかけられている。ロックアップの対象株数は、37,224株であり、発行済み株式数の半分程度がロックされていることになる。ベンチャーキャピタルの保有株式は、株主名簿からの判明分で、2,286株。

 ベンチャーキャピタルの保有分のウエイトは以上のように大きくはないが、ストックオプションが大量に存在しており、全数が行使された場合の希薄化効果は約20%に達する。 更に、ストックオプションについては、今後も適宜付与する予定があることが目論見書に明記されており、注意が必要。直近の第三者割当増資は05年7月にヤフーを割当先として実施したもので、この時の割当価格は14万円/株。

 目論見書での想定公募価格は16万円とされており、この想定価格に基づく公募による当社手取り概算額は776百万円となっている。資金使途は、サービス提供用サーバ及びソフトウエア等の設備投資資金に397百万円を充当し、残額は事業拡大に伴う人材の採用・教育のための資金に充当する予定。

情報開示の状況
内容、ナビゲーション等を含めて、最高水準
 当社ウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在でも閲覧できるコンテンツは、会社概要等、財務ハイライト、決算広告、FAQのほか、専門用語の解説まで用意されている。上場関連の資料も早急に開示されると思われる。上場前の段階としては内容的に十分であるし、初心者にも親切な設計になっているサイトの作り方等を含めて、新規上場他社と比較すると最高水準にある。


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