3027レデイ薬局IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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レデイ薬局(3027 JASDAQ)

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セクター:小売業
財務体質は懸念材料だが、業績自体は好調
 05.3期には台風の影響による減益があったものの、05.9中間期には業績は回復しており、06.3期の会社発表業績予想もほぼ達成が確実に見える進捗状況となっている。

 今期の予想EPS約22千円をベースに、ドラッグストア・調剤薬局の平均的なPER約22倍程度に当社の成長余力を考慮してPERを25倍と想定すると、株価水準は55万円近辺が想定される。公募価格が35万円程度とすれば、ほぼ妥当なディスカウントと考えられる。

 足元の有利子負債依存度が高いこと及び公募増資資金が負債の圧縮に向かわない予定となっていることから、中長期的には、今後の金利負担が大きくなるリスクがある。

事業概要
医薬品、化粧品、雑貨、食品等の販売及び処方箋調剤
 当社は、医薬品・化粧品・雑貨・食品等の販売(=ドラッグストアー部門)と、処方箋調剤(=調剤部門)を主な業務とする小売業を行っている。

収支の状況
新規出店と他社買収によって、経営規模を拡大
 05.3期は、店舗の移転を含めて愛媛地区へ4店舗、香川地区へ4店舗、徳島地区へ2店舗、広島地区へ1店舗の合計11店舗を開設した。また、香川地区で、株式会社フアーマシートミナガ薬局を吸収合併した。

 05.9中間期では、店舗移転を含めて愛媛地区へ2店舗、香川地区へ3店舗、広島地区へ2店舗の合計7店舗を開設。以上の結果、05年12月末時点の店舗展開状況は、愛媛県51店、香川県22店、徳島県3店、広島県9店となっている。

 事業部門別の販売状況は下表の通りであり、05.3期は新規出店と他社の買収によって、販売実績は対前期比で増加している。ただし、05.3期は四国地方に上陸した台風が多かったことから、営業利益・経常利益では、対前期比で減益となった。05.9中間期の進捗状況は順調であり、対前期比+約14%を見込んでいる会社発表の売上高予想は達成可能だろう。また、05.3期の台風等による特殊な減益要因が今期はなくなったことで、利益水準も04.3期並みに回復する傾向にある。

 05.3期に、当社の調剤過誤を原因とした中毒症状が患者に発生したケースがあった模様。この件は既に示談が成立しており、今後の業績に影響を与える可能性は低い。また、この件をきっかけとして、当社社内では調剤過誤の防止対策を行っている他、薬剤師倍所責任保険にも加入するなどの対策を講じている。保険の適用範囲や、対象額等の詳細は不明であるために、対策についての評価は難しい。

 当社は過去から継続して積極的な店舗展開を行っており、出店資金については主に有利子負債でまかなっている。このため、総資産に占める有利子負債残高のウエイトは、55%程度と比較的高い水準にある。また、PL上では年間の支払い利息額が約2億円計上されており、営業利益が年間4〜5億円であめことに対してみれば、営業利益の約40%程度を金利負担で消している状態になっている。

 上場に伴う公募増資についても、資金使途は設備投資となっていて、負債水準の訂正には向かわない予定であり、増資に伴う資本増加によって相対的に有利子負債のウエイトは低下するものの、負債の絶対額は変わらないことになる。従って、支払い利息の水準も今後の低下は見込みにくく、むしろ今後の金利上昇局面では、更に金利負担が増加して経営を圧迫する要因になることも考えられる。

 05.3期には減損損失約247百万円を特別損失に計上している。ただし、受取保険金等の特別利益項目の計上もあって影響額は相殺されているために、決算上には大きな影響を与えていない。

株式の状況
ストックオプションとVC保有の影響は、大きく無い
 06年2月時点の発行済み株式数は12,700株、上場にあたっての公募が2,300株、売出が700株予定されている。ストックオプションの未行使残高が下表のように590株あり、上場直後から全てが行使可能となるために、全数をストックオプションとして認識する。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、15,590株とした。ストックオプションによる希薄化効果は大きいものではない。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況(百万円、%)】
総会決議 対象株数 行使価格   行使期間
01年11月  290株   15万円  04年4月〜11年11月
03年12月  300株   15万円  05年12月〜13年12月

 目論見書での想定発行価格は33万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は749百万円とされている。資金使途は、約423百万円を新規出店にかかる設備投資資金に充当し、残額約325百万円についても、今後の出店用の資金に充当する予定。

 ベンチャーキャピタルの保有株数は、株主名簿では200株となっている。ロックアップの措置は無いが、特に気にするほどのボリュームとはなっていない。

情報開示の状況
一応開設されているが、開示水準の向上は今後の課題
 当社ウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。ただ、現在掲載されている情報は、財務ハイライトだけとなっている。また、サイトナビゲーションが独特の構成になっていて、財務ハイライトのページは、最初から順にめくっていかないと、奥にある情報までたどり着けない構成となっている。掲載する情報を更に増やす必要があると共に、サイトナビゲーションについても再考をお願いしたいところ。


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