3022山下医科器械IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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山下医科器械(3022 東証二部)

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セクター:卸売り業
業績は基本的に堅調、安心感はある
 05.11中間実績の進捗は前期と比較すると一見良くないように見えるが、利益での下期偏重傾向が極端に出やすいことが背景にある。過年度の下期ウエイトを考慮すれば、前期並み又は若干上回る程度の利益になると想定する。

 今期には特別損失の計上が予定されているが、これを除く実力ベースのEPSとしては、150円程度と想定する。卸売り業態の平均的PERを20〜25倍と考えると、株価水準としては3,000円〜3,500円付近と予想する。2,750円付近で想定されている公募価格には一定の割安感はある。

事業概要
医療機関への医療機器販売等
 当社グループは、当社及び非連結子会社1社から構成されており、主に、医療機器メーカーから仕入れた医療機器を、病院等の医療機関に販売している。販売先である医療機関の診療分野、販売活動の実態、取扱商品の特徴に応じて、医療機器部門と医療情報部門とに区分している。

 医療機器部門は、一般機器、一般消耗品、低侵襲治療、メディカルサービスの4分野がある。一般機器分野は当社グループの中核事業となっており、汎用医療機器から画像診断装置等まで取り扱っている。骨折治療機器を取り扱う整形外科と臨床検査機器を取り扱う理化学については、専門営業スタッフを配置している。

 一般消耗品分野では、医療機関が使用する医用消耗品を、自社開発のウエブ版物品管理システムを活用して販売している。低侵襲治療分野では、患者の身体的負担を出来るだけ少なく抑える低侵襲治療に関わる医療機器を取り扱っており、具体的には、電子内視鏡システム、ファイバースコープ、手術用顕微鏡、鏡視下手術機器、X線透視下で画像診断や治療を行う際の機器、ペースメーカー、人工心肺装置等を販売している。

 メディカルサービス分野では、新規開業事業、医療ガス配管設備工事請負、メンテナンスサービス、医療廃棄物収集運搬請負、福祉介護用品販売などのサービス提供を行っている。

 医療情報部門では、医療事務用コンピューターの販売・運用指導・保守・ソフトウエアのバージョンアップや、電子カルテを中心とした検査・治療指示情報のオンライン化や画像診断のオンライン化等の院内情報システム構築のサポートを行っている。

収支の状況
下期への利益偏重傾向があり、今期は対前期増収増益か
 05.5期の販売状況は下表のようになっている。最も販売高ウエイトの高い一般機器部門では大型案件の受注があったことで、対前期比+約10%の増加となった。一般消耗品分野と低侵襲治療分野も堅調な販売実績となっているほか、メディカルサービス分野では新規開業事業が好調であったことから、前期比で大幅な増収となっている。この一方で、医療情報部門では、医療事務用コンピューターの買い替え需要が落ち込んだことから、大きく減収となっている。ただし、医療情報部門は、元々の販売高ウエイトが小さいために、対前期比で-20%を超える大幅な減益となっても、全体業績への影響は軽微になっている。

 当社では04.5期から減損会計を適用し、同期に特別損失に約186百万円の減損損失を計上した。一旦この期で減損対策は完了した模様で、翌05.5期には減損計上はされていない。

 当社の売上高のうち約4割を公的病院が占めている。公的病院では設備投資が年度末近辺に集中する傾向があるために、当社の業績は第4四半期に偏る傾向にある。05.5期の四半期別の実績を表2にと示している。売上高では他の四半期よりも数パーセント高い程度だが、利益ベースになった場合には、年間利益の半分以上が第4四半期に計上される形となっており、偏りが極端になっている。この傾向は、前04.5期も同様であり、今06.5期にも同様の傾向になると予想される。

【表2 05.5期四半期別実績の年間実績に占める割合(%)】
        1Q   2Q  3Q   4Q
売上高   22.5% 24.9% 23.7% 28.9%
経常利益 11.2% 27.9%  8.2% 52.7%

 こうした下期偏重の傾向と、05.11中間期までの実績とを合わせて考えると、06.5期は、前05.5期に引き続いて、売上高で5〜10%範囲での安定した伸び率を達成すると予想する。利益についても、売上高の増加に応じて増加するだろうが、下記に記載する特別損失項目が発生するため、当期利益では対前期減益となる可能性はある。しかし、これは一時的なものなので、当社の実力としての安定性には問題はないだろう。

 当社は01年10月に取引先病院と物品供給契約を締結して測定システムを納入したが、納入直後に製造元企業が倒産したために、当該システムを維持管理するためのアフターサービスを受けることができなくなり、取引先病院の業務に支障をきたすことになった。これに対して、システムを他メーカーのものに入れ替えることとし、その費用90百万円については当社と一次販売企業とが分割して負担することとなった。負担割合は現在協議中となっているが、当社負担額については06.5期に特別損失に計上される予定となっている。

株式の状況
ストックオプション、ベンチャーキャピタル保有株は無い
 当社は05年10月に1:4の株式分割を実施し、05年10月末時点の発行済み株式数は2,218千株(一単元は100株)となっている。上場にあたっての公募が320千株予定されている。また、公募と同時に売り出し320千株、オーバーアロットメントで92千株の予定もある。売り出し元は全て会社関係者。オーバーアロットメント分については、主幹事である大和証券SMBCを割当先とする第三者割当増資となる可能性がある。ストックオプション等の希薄化要素は無い。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は、2,630千株とした。

 目論見書での想定発行価格は2,750円とされており、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は867百万円が見込まれている。資金使途は、第二物流センター(投資総額10億円程度、07年5月期取得予定)の用地取得・建築資金に充当する予定。

 既存株主へのロックアップとベンチャーキャピタルの株式保有は無い。

情報開示の状況
まだ開示は一切無い
 当社ウエブサイトには、1月25日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。「上場承認されました」の一言だけが掲載されており、関連情報・資料等の掲載は一切無い。


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